「承久の乱」展が開催されている | がいちのぶろぐ

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今日の京都新聞の朝刊に、大々的に「承久の乱」の裏話的な解説の記事が掲載されていた。1221(承久3)年5月に起きた、「後鳥羽上皇VS鎌倉・北条氏」の戦いの話である。

 

 

 

西暦の年数を見てもらえばピンと来ると思う。今年が2021年だから、ちょうど800年前に起こった京都の町中での戦乱だ。

 

だから800周年を記念するイベントとして、4月から5月まで京都文化博物館で「よみがえる承久の乱」展が開催されている。

 

先日乗った京都市バスの中に、この展覧会と京都市交通局がタイアップした、「承久の乱 ゆかりの地を巡ろう スタンプラリー」のリーフレットがあったので持ち帰って来た。

 

 

 

このイベントは展覧会場の「京都文化博物館」を始め、「泉涌寺」「地下鉄五条駅」「地下鉄二条城前駅」の4カ所を回り、リーフレットにスタンプを押して来るようになっている。

 

 

 

「なぜ、それぞれの場所が選ばれたか」という理由について、リーフレットを見れば「泉涌寺」の建立には〝後鳥羽院〟が多額の資金援助をしたから、となっていた。

 

また「地下鉄五条駅」の場合は、駅から東へさほど遠くない場所に、鎌倉幕府の出先機関である「六波羅探題」が置かれていたから、と書かれている。

 

さらに「地下鉄二条城前駅」は、その駅から北東のこれもわりと近い場所に、後鳥羽上皇の邸宅で〝里内裏〟と言われた「高陽院(かやのいん)」の跡地があるから、ということだ。

 

実は平安時代の天皇の住居は、成立した当初こそ「大内裏」の中の「内裏」、すなわち〝御所〟だったけれど、ここが火災にあった後は藤原氏などの邸宅を転々としていた。

 

つまり現在の〝御所〟がある場所に落ち着くまで、長期にわたり〝ますおさん〟状態で、奥さんの実家である藤原氏の邸宅などが、建前として〝仮の御所〟になったりしていた。

 

また〝ますおさん〟状態ではなかったとしても、〝御所〟としての正式な建物の構成にはなっていないまま、そこが仮御所となって天皇が住んでいる、といった状態が続いていた。

 

だから「高陽院」も大邸宅には違いないけれど、ましてや後鳥羽〝上皇〟はもう天皇を引退している身だけれど、こうして〝自分の住居〟で〝院政〟を敷いていたことになる。

 

そこで「承久の乱」は、後鳥羽上皇が鎌倉幕府の執権・北条義時の追討を命じたことで始まったとされる。つまり鎌倉幕府と言っても、その時点ではまだまだ盤石ではなかった。

 

 

(承久の乱の逸話を再現した時代祭の「城南流鏑馬列」)

 

しかし今日の新聞の解説によれば、後鳥羽上皇の思惑は外れて上皇方に着く武士団や僧兵などは少なく、一方で京へ攻め上って来た鎌倉幕府方は大軍勢になった。

 

そのため「上皇が臣下の武士と合戦して敗れ、さらに遠国の隠岐に流されるという日本史上初めての事態」となった。

 

 

 

この戦いによって、武力を持っている鎌倉幕府が、京都に出先機関を置いて天皇家を監視するという状況になった。こうして設置されたのが「六波羅探題」ということになる。

 

何だかすごい話だと思う。誰が権力を握るかという話だ。それまでの平安時代は、基本的に天皇が最高権力を握っていた。武士はあくまで、天皇や公家の下にいる存在だった。

 

平安時代も後期になれば、天皇はそれこそ10歳くらいのわが子を即位させて、自分は上皇や法皇となって、実権を握ったまま京の町中から少し離れた場所などで院政を敷いた。

 

その後、俗に「源平の合戦」と言われる「治承・寿永の合戦」で平氏が滅亡し、源頼朝が鎌倉に拠って東国の武士団をまとめ、征夷大将軍として幕府を開いた。これがあの1192年の鎌倉幕府成立である。

 

実際は1185年の平氏滅亡の時に、京都と鎌倉とで二重権力状態は始まっていたが。ということで、源頼朝からわずか3代、源実朝が暗殺されて源氏の実権は終わり、北条氏が執権として権力を手にした。

 

暗殺された実朝を可愛がっていた後鳥羽院は、こうした事態に対して、執権・北条義時を討って自分が再び権力を手に入れようとしたのだが、これが残念な結果になった。

 

という「承久の乱」から800年が経って、今、京都文化博物館で「よみがえる承久の乱」展が開催されている。見学に行きたいと思うのだが、いかんせん非常事態宣言が出そうだ。

 

〝さて、どうしたものだろうか〟と悩んでいる。何と言っても基礎疾患の塊りだし、高齢者だし、コロナ禍はとても怖い。やはり、おとなしく〝引き籠り爺〟が正しいのだろう。