今日の午前中は、この先も繰り返すだろう入院に備えて、細々としたものを買い求めに出掛けた。といっても、それほど大層な買物ではない。〝百均ショップ〟に行っただけだ。
それで我が家からそれほど遠くない〝百均ショップ〟へ行く前に、寄り道というと変だが、うんと回り道をして、以前から行こうと思いながらも行けなかった場所へ出掛けていた。
それは、「KeFU stay & lounge」という、宿泊とカフェが一体となった施設。この施設があるのは、京都の町としては比較的北の方になる「千本上立売」という交差点の近くだ。
昨日、私は〝釘抜地蔵〟と呼ばれている「石像寺」へお参りに出掛けた。そのことはブログに書いた。このお寺は「千本上立売」交差点から北東へすぐのところにある。
それで昨日は、この石像寺からの帰り道、我が家へ向かうバス停まで行くのに、〝西陣〟と呼ばれるこのあたりの町並みを見ながらブラブラと散歩していた。
かつてこの辺りの家々は、どの家からも機織りの音が聞こえると言われた、あの高級織物の産地の西陣地区である。それが現在は、見る影もないほどに変貌をしている。
織機を置いていた作業場はもう機織り仕事を止めてしまい、それどころか家と作業場が売りに出されて小さなマンションとなり、それらと町家が混在する地域になっている。
そんな町並みを歩きながら、そういえばフェイスブックで紹介されていた「KeFU stay & lounge」はこの辺りだったと気付いて、とにかくその前までは行ってみようと思った。。
「上京朝カフェ」という上京区役所のイベントで、毎月進行役をされている方が、この「KeFU stay & lounge」のことを、何度かフェイスブックで写真つきで紹介されていた。
それを見ていたので、何となく施設のある場所が頭の隅っこに入っていて、しかもこの施設のカフェ・スペースの雰囲気も、写真を通して知っているような気になっていた。
といっても、実際には正確な場所は知らない。だからスマホの地図アプリで、この辺りを拡大したら、やはり「KeFU stay & lounge」が〝宿泊施設〟のマーク付きで表示された。
だから、石像寺から狭い上立売通りを東へ行って、最初の辻を南へ行けばこの場所にたどり着けることがわかった。石像寺からはせいぜい5分余りの場所だろう。
そんなことで、上立売通りを東へ歩いていると「キッチンパパ」というお店の前を通った。ガラス戸越しに何気なく店内を見ると、待っている若いお客さんでいっぱいだった。
しかも店の前のガラス窓には、「即時、精米いたします」と書かれた貼り紙がある。ハイ?なんのこっちゃ、それは?という気分。
私が知らなかっただけで、「ハンバーグ」が美味しいと有名な洋食屋さんだった。しかも経営しているのはお米屋さん。だからお米を買おうと思えば、すぐ精米をしてくれるらしい。
「食べログ」で調べてみたら、評価が3.57という立派なお店。現在の状況で、テイクアウトも行っているが、注文を受けてから作るので30分ほどお待ちください、となっていた。
ちなみにこの「キッチンパパ」は木曜定休で、営業時間は昼11時~14時、夕方からも営業しているが、そちらは時短などもあるからお問い合わせください(075-441-4119)。
ということがあって、「キッチンパパ」の次の辻を南に曲がってほんの少し行くと、「KeFU stay & lounge」の前に出た。この時点で11時半を回っている。
さすがに、お昼ご飯を食べると言って家を出ているから、もうそろそろ帰らないとまずかろうと思って、昨日はカフェに入るのをあきらめた。
この1件があって、では今日は買い物の前にちょっとばかり回り道をして(百均ショップとは正反対方向の)バスに乗り、「KeFU stay & lounge」の近くのバス停で降りた。
バス停から少し歩いて行くと、四つ辻の角に「五辻殿趾」という駒札が掲げられていた。後鳥羽上皇の院御所の一つだったという。もうこの辺りは、どこを歩いても日本史の教科書に出て来そうな名前ばっかり。
さらに少し歩いて、「KeFU stay & lounge」に到着。現在の私の体調では、コーヒーなどとそれらしきことはあまり言えないのでオレンジジュースを貰う。
カフェの壁には、大きな地図が描かれている。大部分が「上京区」で、地図の東の部分には一部だけ「左京区」も入っている。そこには我が家のある場所も。なぜか少しだけホッとした。
さて、この施設を経営している女性の方とお話しをして、30分足らずでカフェから引き揚げ、再び我が家方面に行くバスに乗って百均ショップに行った。
本来の目的は〝百均ショップ〟で細々とした買い物だったのだから、そこはきちんと買い物をしておかないと、ということで。
(我が家の近くの辺りも、精細な地図になっていた)
まあ、だから何というわけではないけれど、この「KeFU stay & lounge」は昨年春にオープンだった。つまり、予期せぬコロナ禍に思いっきり正面からぶつかってしまった。
今日も私が独りジュースを飲んでいる時に、小さなお子さんを連れたご家族が、宿泊を終えて帰って行かれた。とても採算が取れるような客の入りではないと思う。
だけど、もう少しすればきっとまた何かが動き始めると思う。こうした気持ちのいい施設があることだけは、もっと知ってもらえればと思う。
料金も現状ではファミリーだと3,000円/人、シングルだと4,400円/室くらいだから、随分リーズナブルだと思う(ただし、近県の方限定となっている)。〝じゃらん〟などで予約が可能になっている。