第1次退院その⑤京大病院という組織 | がいちのぶろぐ

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今日から、放射線治療が再開された。あと1カ月ほどは、こうして放射線治療が毎日続けられることになっている。

 

放射線治療ということ自体、私にはもちろん初めてのことだが、そこで用いられている装置が馬鹿でかい。装置のどこから、放射線が照射されるのかさえよく分からないが。

 

装置は、放射線を照射すべき場所を決めるシステムの部分、鉛か何かの金属板でできた〝受け〟のような部分、そして囲いに覆われた大きな部分、という構成になっている。

 

 

それが何なのかもよくわからないが、このどこかから放射線が出て、私の身体の中の指定された部分に当たっている。これによって、破壊すべき細胞が壊れて行くのだろう。

 

何だかすごいことが行われているなぁ、という感覚で治療を受けている。治療の時には、私が横たわるベッドの回りを、この装置全体がグィーンという小さな唸り音とともに回って行く。

 

1回の治療に要する時間は、照射する位置決めから終了まで、せいぜい10分弱というところだ。特に苦痛があるということもなく、横になっているとすぐに終わる。そして、今日も昼前に帰宅した。

 

ただ、昨夜は何かを考える気も起こらなくて、夜10時には早々と布団にもぐりこんでしまった。だから今朝は、実に6時前には〝ぱっちり〟と目が覚めた。

 

年寄りが早起きなのは、こうして早くに寝てしまうから、結果として早く目が覚めてしまうだけのことだ。だから今朝も、朝食を食べ終わってからやや時間を持て余していた。

 

それにしても京都大学病院という巨大な病院は、これ自体が一つの大きな事業体だ。数千人という数になるのではないかと思われる、多くの患者が毎日ここを訪れている。

 

 

 

迎える病院側は、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師・放射線技師・理学療法士・事務職員といった多くのエキスパートが、それぞれの仕事を分担している。この人数だって半端じゃない。

 

さらに建物管理や警備、病院食調理、清掃やリネンサプライなど、間接部門で働く人たちまで含めれば、もはやちょっとした町全体で働く人に匹敵するほどの人数がそこにいる。

 

これ自体が、とんでもないほど大きな事業組織だということができる。しかもこの病院ですら、〝医学部付属〟という位置に置かれている。つまり、病院を含めて医学部なのだ。

 

東京大学病院や大阪大学病院などと並び、国立の様々な専門医療機関とともに、日本での医療の頂点を作っている中の一つだ。

 

ノーベル医学・生理学賞を受賞された山中伸弥教授や本庶佑特別教授なども、京都大学医学部に所属されている。いやとんでもない場所で、私が治療を受けていることになる。

 

 

 

とはいっても、私自身が決して治りやすいガンなのではない。すい臓がんや肺がんに次いで治りにくい(治しにくい)部位とされている食道がんなのである。

 

まあダメならダメで仕方がないわけだが、そこまでは若くて優秀な医師の方々、親切な看護師の方々におすがりして、治療に励みたいと思う。