第1次退院その④のんびり小説を読む日 | がいちのぶろぐ

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退院して4日目。昨日と今日は放射線治療もお休みなので、まったくすることもなくて、のんびりとした休日になっている。

 

当たり前のことながら、私は基本的には〝病人〟なのだから、〝することがない〟のではなく、ゆっくりと体を休めて次の入院や治療に備えておくべきなのだ。

 

ところが困ったことに、〝することがない状態〟というのは実に落ち着かないという、生まれついての貧乏性というか性分なのだろう。

 

だから、今日のようにのんびりとした日は、どのように過ごせばよいかがよくわからない。ということで、今日は朝から小説などを読み始めていた。

 

「メディアワークス文庫」というKADOKAWA系列の文庫本で、浅葉なつという方が書き下ろしておられる「神様の御用人」シリーズである。

 

現在読んでいるのは、先日、アマゾンで購入した第8巻である。さらに第9巻も同時に購入している。この第1巻を手に取ったのは、もう随分前のことのように思う。

 

 

 

神様にだって、色々と悩みもあれば迷いもある。そうした悩みを聞き届けて、悩みの解決に当たる(使いっパシリをする)「神様の御用人」を引き受けている青年の話である。

 

これが中々に面白くて、ずっとこのシリーズを愛読している。しかも、主人公の青年が住んでいるのが京都市で、青年が淡い思いを抱いている女の子の実家は〝吉田神社〟みたい。

 

 

(節分にはいつも賑わっていた吉田神社)

 

つまり小説に描かれている舞台は、基本的には京都市とその周辺か、奈良県あたりに設定されることが多い。それも神様から依頼を受けるのだから、中心は神社ということになる。

 

そんなことで、読んでいても私が知っている、もしくは知り得る地域のことが描かれるのだから、話にも親近感がわいてくる。

 

ということで、現在は少し間が空いたけれど第8巻を読み始めた。その気になって〝一気読み〟すれば、この小説1冊を一日で読み切ることは私にすれば簡単なことだ。

 

だがそうしてしまうのも実にもったいない。だから、なるべくユックリと読み進めている。これもまた、ある意味でヒマのなせる業かもしれない。それもまた良いだろう。

 

昨日も書いたけれど、放射線治療の影響が少しずつ出て来ているらしく、モノを食べた時に飲み下すのが、ほんの少しだけど行いにくくなってきている。

 

昨日のニュースでは、白血病と戦ってきた水泳の池江璃花子選手が、100m自由形で4位になり〝とても悔しい〟とコメントしていた。

 

彼女の中で、勝負師の気持ちが徐々に戻ってきたのだろう。それでもまだ若いのだから、焦って結果を求めるのでなく、じっくりとこれからを見据えていってほしい。

 

また、プロ野球のソフトバンク・ホークスでエース投手として活躍された摂津正さんが、昨日、慢性骨髄性白血病と診断されたことをカミングアウトされていた。

 

池江選手が病気を公表されたときもそうだったけれど、摂津さんも骨髄の提供者(ドナー)が増えることを願って、病気を公表したと話しておられた。

 

摂津さんの場合は、薬を服用していれば通常の生活を送ることは支障がないということだ。それも良かった。摂津さんの公表に応えて、骨髄提供者が増えると良いのだが。

 

この列島に、12500万人もの人間が暮らしていれば、その人数だけのドラマがある。それがこうして、突然に水面から浮かび上がって私たちの前に現れてくる。

 

すべての命は愛おしく、そして儚げである。ただ、悪政によってこの儚き命を無理やりに断ち切られることだけはあってはならないと思う。

 

すべての人の命は、その人がみずから抱きしめる価値があるものだから。誰からも、それを断ち切られる理由などないのだから。