オジサン受難の時代は新陳代謝の表われ | がいちのぶろぐ

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時代はオジサン受難の様相になっているらしい。テレビ業界では、情報バラエティなどの生ワイド番組で、番組の看板となっている中高年タレントの去就が話題になっている。

 

フジテレビのお昼のワイドショーは、司会を務めるタレントの坂上忍さんが番組から降板するのではないか、という話題がこのところ噂に上ることが多い。

 

また朝のワイドショーでは、同じフジテレビで朝の顔として長年司会を務めてきた小倉智昭さんが、来年春に交代するのではないかという話題も、ネットニュースなどに流れることが多くなった。

 

 

 

いずれにしても、一時代を作り上げてきた大物と称される人たちである。しかし時代は確実に変化している。だからこの間、こうした人たちと若い世代との間にあるギャップが、様々に取り沙汰されてきた。

 

オジサンたちが言い放つ意見は、同世代の人たちには共感できたとしても、若い人たちはまた異なった意見や感覚を持っている。だから、そうしたオジサンたちの意見が常に受け入れられるとは限らない。

 

もともと全方位的にというか、八方美人的に誰にでも受け入れられる意見なんて、仮のそんなものが存在したとしても、毒にも薬にもならない中途半端なものになるだろう。

 

誰かの共感を呼ぶ意見は、それに共感できない人からは否定される。私は10人集まれば、3・4・3か2・6・2の割合で、同意・中立・否定が存在すると思っている。

 

100もなければ、55もないと思う。どちらでもないという人が、たいていの場合には多数派を占めていると思う。だからどんなときでも、ある意見に同意する人は常に少数派だと思う。

 

時に、雪崩を打ってある意見が支配的になるように思われる場合は、この中立的な立場の多数の人たちが、どちらかに片寄ることで〝雪崩現象〟を生み出すのだ。

 

政党支持に関するアンケート調査で、この間、長きにわたって最大多数を占めてきたのは「支持政党なし」という人たちである。つまり、よく言えば〝是是非非〟であり、悪く言えば〝風見鶏〟的なポジションの人たちだ。

 

国会議員選挙では、そうした人たちが雪崩現象を生み出すことが往々にしてある。かつて女性で初の衆議院議長を務めた土井たか子さんが、選挙戦で「山が動いた」という名言を残されたことがあった。

 

 

 

中立的な人たちが一斉に意思表示をした結果、大きな雪崩現象が起こり、それまでの常識的な予想では勝つはずもない女性候補たちが、次々と当選するという事態が起きたのだ。

 

また現在若い人たちの間では、選挙の投票をインターネットで行えないことに対して、拒否感がかなり強くなっているとも思っている。

 

何でもネットで済ませられる時代に、わざわざ決められた日に投票所まで〝足を運ばされる〟ことへの拒否感であり、投票所へ行ったら行ったで、何だか鬱陶しい大勢の大人たちに取り囲まれることへの嫌悪感である。

 

同じようにテレビ番組でも、見たい時に見たい番組を見たいように見る、というネット配信や録画再生が常識化している。

 

その曜日・時間でなければみられないといった、誰かに縛られる状況には耐えられないのだ。これを〝甘やかされている〟と批判することもできるが、同時に、それだけ生活シーンでの選択肢が広がった時代だとも言える。

 

インターネット時代とはそういう時代なのだ。個々人が自分の選択で、いろいろなことを行うことができる。ただし若い人たちにとっては、選択には責任も着いて回るという点への理解が抜け落ちているかも知れない。

 

いずれにしても、時代が変わればその時代が求める〝商品〟を提供しなければ、そっぽを向かれ、置いて行かれることは仕方のない結果だ。

 

お笑い芸人の人気の移り変わりに、そうした時代変化が如実に表れていると思う。現在人気を集めている若いお笑い芸人たちは、同世代で競争したり、意地を張り合ったりということを嫌っているという。

 

また頭を強く張り飛ばしたり、強い口調で否定したりする〝突っ込み芸〟も嫌がられるらしい。それよりホンワカとしたゆるい芸風が、徐々に主流を占めるようになってきている。

 

 

先日のブログでも、阿佐ヶ谷姉妹という女性漫才コンビの「薄味の凄み」ということを取り上げた。同様に、お笑いコンビ〝ずん〟の飯尾さんのゆったりとした芸風や、サンドイッチマンのお二人の人の良い仲良しぶりも受けている。

 

 

 

そんなことで良いのか、という人ももちろんいるだろう。だが前に書いた3・4・3なり2・6・2という割合で言えば、78割の人はこうした風潮が良いと思っているのだろう。

 

そんな中で、こんなゆるい風潮は受け入れられないと言ってみても、決して「山は動かない」ということだろう。多数派はそちらの〝ゆるさ〟を望んでいるのだから。

 

またもう一点言えるとしたら、現在オジサンに差し掛かっている世代は、団塊ジュニアと言われる世代である。彼らの親が団塊の世代という大きな塊を作り、そのジュニア世代として生まれたために人数が多い。

 

その世代が社会の中軸になって来ている。だから会社員だけでなく、お笑い芸人であれタレントであれ、今、40歳台が交通渋滞を起こしている。

 

その下の世代になる30歳台が頭を抑えられているうちに、今度は20歳代後半を中心とした〝平成生まれ〟の若い世代が社会的な存在として出て来た。

 

これは自然の流れだから、誰もそれを押しとどめることはできない。良い・悪いではなく、自然の流れなのだから。新陳代謝はこうして進んでゆく。