コロナ禍だけどもっと大切な問題提起の記事が | がいちのぶろぐ

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環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

今日から4連休という方も多いだろう。この機会に、夏の休暇の際に行きそびれた旅行を計画しておられる方もあると思う。

 

ただこれがウィルスの感染再拡大につながらないことを祈りたい。私も今日の午後、友人と会うため、京都の中心繁華街の四条河原町へ出掛けたが、ここもたいへんな人出だった。

 

交差点も、その角に立つデパートの高島屋の中も、いや行き帰りのバスも、多くの人で混雑していて、もう旧に復したような具合だった。ホントに大丈夫なのだろうか。

 

この連休に旅行に行くとしても、さすがにまだ遠出の旅行は控えたい、という方も少なくないと思う。その結果、「マイクロ・ツーリズム」としての近場の旅も定着したようだが。

 

ところで今朝、このブログで何度も紹介している経営誌「理念と経営」の10月号が届いた。今回の巻頭特集は「ニューノーマルに挑む」と題されていた。

 

 

 

つまり今回のコロナ禍がもたらした〝新しい日常〟を起点として、すべてのことをあらためて捉え直そう、という試みに向けた議論である。

 

最初の記事として、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長が「リアル/ヴァーチャルのハイブリッド社会 日本企業は何をすべきか」と題する文章を寄せておられた。

 

 

 

この文章の中で小林氏は、「コロナ対策の不手際によって、日本は、国としてのデジタル化の遅れを、ようやくはっきりと自覚できるように」なったと述べられる。

 

たしかに企業が大慌てで開始した、やや付け焼刃気味のオンライン会議やリモートワーク、大学でのリモート授業など、かなりあわただしい準備だったという感じを受けていた。

 

それよりも一番問題だったのは、政府自身がオンラインで行政手続きを行う体制が全くできていなかったことだと思う。各種の給付金の支給などに際しての混乱は、目を覆うような有り様だった。

 

そしてもう一つ、小林氏は重要な視点を指摘しておられた。それは、世界経済がこのコロナ禍によって大幅に縮小しても、「CO2排出量はわずかしか減少」しないことだという。

 

 

 

「よほどのことがない限り、コロナによって人類が滅亡するということはない」けれど、「地球温暖化は人類を滅亡させる可能性を秘めている」と述べておられる。

 

また「世界的に人口は増え続け、(中略)食料や水の供給問題がさらにクローズアップ」されるだろうし、「貧困の問題も出てくる」とも。

 

こうした状況を踏まえ、「今が良ければ、自分さえ良ければ、という利己的で主観的な発想をこのまま続けていては、地球もろとも破滅」してしまうと、警鐘を鳴らしておられる。

 

だから、「株主資本主義から、ステークホルダーキャピタリズムへの意識転換が必要」だと、議論を展開しておられた。

 

しかも「どれだけステークホルダーを広くイメージできるか。株主、顧客、従業員から、地球のスケールまで広げられるか」と述べられていた。これは良い議論だと思う。

 

コロナ禍がもたらした「ニューノーマル」と言うけれど、実はコロナ禍によって問題点が一気にあぶり出されただけで、本当は今までから課題が山積していたということだ。

 

だからこれからは、「製造コストの安い国に行って、ただ大量に作って、マーケットのあるところで売る、という単純なグローバリズムはもうなくなる」と、「ニューノーマル」の社会像を描いておられた。

 

小林氏は結論的に、「経営層は出る杭を打たないようにしないといけないし、個性的な若者を許容し、見守って行かないといけない」と述べておられた。

 

そして最後には「大きな変化はもう始まって」いると結んでおられた。もちろん企業トップとして経営的視点からも多くのことを語っておられた。

 

だが私には、小林氏の文章の中でも特にここで拾い出した部分が、人類全体の視点からの議論として特に強く印象に残った。

 

相変わらずこの「理念と経営」誌には、考えさせられる内容が多い。今回もまたステマのようになったけれど、私は毎号、この経営誌の記事からいろいろと教えられることが多い。

 

もしこの「理念と経営」誌に興味を持たれたら、書店ではなかなか手に入らない経営誌なので、下記まで見本誌を申し込んでくださると手に届くのでご参考までに。

 

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