頭を柔らかくするために必要なコト | がいちのぶろぐ

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今日は午後から、お手伝いをしている高校の「総合学習」で、3週間ぶりに授業があったので出掛けていた。

 

 

 

コロナ禍で夏休みが短縮され、8月下旬から2学期の授業が始まったけれど、この2週間は文化祭の準備のために金曜の午後の授業がなかった。

 

2学期は何かと学校行事も多いし、それもまた楽しい思い出になる。私の小学6年生の孫は、とうとう今年の修学旅行が〝取り止め〟になってしまった。これはホントに気の毒だ。

 

というわけで、今日は久し振りに生徒たちの顔を見ることになった。そう思っていたら、午前中に「総合学習」とも関連する面白いインターネット情報誌の記事と出会った。

 

 

 

東洋経済オンライン誌で配信されていた、西岡壱誠氏の「東大生が見た『頭が柔らかい人、硬い人』の習慣 『なぞなぞみたい』な東大入試を解く人の頭の中」という記事だった。

 

この人は「『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』が発売1カ月で10万部のベストセラーとなった」方だと紹介されていた。

 

それで、「東大生に学んだ『頭を柔らかくする思考習慣』を解説」してもらったということだった。この間、テレビのクイズ番組などで〝東大生〟というキーワードをよく目にする。

 

そこではやはり、〝東大生=特別な人〟という扱いなのだろう。だけど、「頭が柔らかい人」というのは何も〝東大生〟に限らず、それ自体が世の中で十分に役立つことだと思う。

 

何よりも、今日の午後に出会う高校生たちにとっても、ひょっとすれば参考になるかも知れない、と思ってこの記事を読んでみた。

 

記事は東京大学の入試問題は、単に知識の詰め込みではなく、頭を柔らかくして解答を考えないと解けないものが多いということを、いくつかの例を示して述べられていた。

 

入試問題の例は、ある意味〝ソウデスカ〟と思っておけば良いが、そこで書かれている考え方は、高校生が「総合学習」で中味を考える場合にも、大人が仕事をする時も、役立つと思った。

 

西岡氏は、「頭の柔らかい人とは『いろいろな目線』で物事を見る人のこと」だと言われる。つまり、「『複数の見方』で物事を見るようになると、頭が柔らかくなる」と考えている。

 

それは「与えられた情報をもとに(中略)、『いろいろな角度から物事を見る』思考」方法であり、「1つの見方にこだわって、一方向からのみ見て」いると、「『頭が硬い人』に」なるという。

 

これは言い換えれば、「相手の立場に立ったうえで、いろいろなことを考えてくれる人」だとも述べられていた。このあたりは、よくわかる話だと思う。

 

「『あえて自分と反対の立場になってみる』という思考習慣」を身に着けるのが良いと言うことだ。対立する一方の立場からだけ物事を見ていれば、その方向で凝り固まってしまう。これでは「頭が硬い人」ということになる。

 

だからこそ、「自分の今の立場と反対側の立場で真剣に考えてみる」ことが良いと、西岡氏は言われる。「普段からこれを意識しておけば、硬かった頭がどんどん柔らかくなっていく」とも。

 

その通りだと思う。違う立場の人から見れば、この問題はどんな風に見えるのだろうかと考えてみるだけで、課題に向かう姿勢は随分と異なってくるだろう。

 

筆者の西岡氏も、「日常のあらゆることの『裏側』を意識すること」が重要だと解説していた。例えば「70%の人が効果を実感している」という広告を見たら、「どうして30%は効果を実感しなかったんだろう」と考える。

 

こうしたことを習慣にして行けば、「同じ情報も、見方によって見えるものがまったく違って」くるのだ。これが「頭が柔らかい人」の思考方法ということになる。

 

一つの事象を前にしたときに、一つの方向からだけ見ていれば、考えに行き詰ってしまうかもしれないけれど、別の方向から見れば、また違った考えが浮かぶこともある。

 

こうしたことができるかできないかが、〝頭の硬い・柔らかい〟の差になってくるということだ。

 

こうした考え方は、高校生たちが「総合学習」で自分たちの選んだテーマに対して、これから〝取るべき態度〟そのものだと思った。このことを頭に置いて、私も生徒たちと接するようにしようと思った。

 

 

 

ところで今日の授業では、テーマに従ったグループ分けが予定されていた。20人の生徒たちは、まず自分が考えてみたいと思うテーマについて、各自がパソコンにテーマと選択した理由、現状の課題などを打ち込んでゆく。

 

次にそれをみんなに向かって発表し、20人が5票ずつ持ってどのテーマを選択するか投票した。投票数が多かったテーマから順に上位5つを選び、これを今年度のテーマとした。

 

最後は5つに絞られたテーマについて、自分の希望するテーマにそれぞれが分かれたが、当然人数に凸凹ができるので、〝じゃんけん〟などで人数の最終調整を行った。

 

こうして各グループ4人ずつの5グループができ上がった。来週からはいよいよ、それぞれのグループがテーマに従って議論を開始する。それこそ、「頭を柔らかく」して考えてほしい。

 

ところで、でき上がった各グループのメインテーマから、今年度は「観光」という言葉が消えた。もちろん「○○と観光」という形で、サブ・テーマとして上がって来ると思う。

 

それぞれの大きなテーマ領域として、「和装(浴衣や着物)」「交通機関」「自転車」「食文化と地産地消」「伝統工芸」が選ばれた。これは案外、面白い切り口が期待できそうだ。

 

これからは、「異なった立場や考え方から見てみる」という、今日の記事にあった「頭の柔らかい」発想ができるように議論を見守って行きたい。