昨日、お手伝いをしている高校の「総合学習」で、生徒たちが嵯峨・嵐山地域にフィールドワークに出掛けたことをこのブログに書いた。
そのフィールドワークの中味となる、現地へ行ってわかったことや感じたことは、また来週の授業でいろいろと聞かせてくれることだろう。
ところで、一時は完全に閑古鳥が鳴く状態になっていた嵐山一帯が、昨日行ってみたら、徐々にではあるけれど人が戻りはじめているという印象を受けた。
(嵐電「嵐山」駅に作られていた七夕飾り)
嵐山ではもうすっかりお馴染みになってしまった、名物の〝人力車〟のお兄さんたちは、昨日も愛想よく笑顔を振りまいていた。いやそれ以上に、人力車に乗る観光客が少なからずいた。
この間、嵐山で人力車に乗る客といえば外国人客と相場が決まっていた。それが昨日は、外国人観光客はほとんどいない状況で、人力車から聞こえてくる会話は日本語だった。
これがむしろ新鮮な気がした。それくらいには、日本人の観光客が徐々にではあるが国内旅行を楽しもうと、動き出しはじめたみたいだ。
自粛疲れで溜まったストレスを癒そうとしているのかも知れないし、春の行楽シーズンからゴールデンウィークにかけて、家に引き籠っていた分を解消しようとしているのかも知れない。
これはこれで観光地にとっては良い傾向には違いないが、首都圏から移動する人がコロナウィルスの感染源となるかもしれない、という心配も報道などで聞こえている。
嵐山でも、まだ臨時休業の貼り紙を出したままという店も少なくなかった。一方で、そんなことは言っていられないというのも、観光客相手の商売の辛いところでもあるだろう。
現在私が参加している同志社大学大学院の「ソーシャルイノベーション研究プロジェクト」では、私のチームは「観光客が激減している中で、宿泊施設が取るべき方策は」ということも、テーマの一つになっている。
京都・島原の旧・遊郭だった場所にある宿泊施設と、その地域を盛り上げるために頑張っている人たちとをどのように絡め合わせて、この地域を活性化できるかを考えている。
(島原にある「湯の宿松栄」)
島原はもともと観光スポットというには、京都という観光都市の中ではいささか弱い印象があった地区だから、そこをどのようにすれば活性化できるかはかなりの難問である。
昨日、嵐山で受けた印象からすれば、国内観光客は夏休みの時期にはかなり戻って来ることも期待できるように思う。もちろん、昨年までのような訳にはいかないだろうけれど。
それでも、〝町おこし〟として頑張るという人々と、宿泊施設といった観光関連産業とがベクトルを合わせて、一緒になって取り組むような考え方になれば良いと思うのだが。
(島原の町おこしの拠点でもあるカフェ)
〝この町の楽しさ〟があるから、どうせ宿泊するのなら〝この町を選ぼう〟と思ってもらえるような、仕組みや仕掛けを考えられないだろうかと、知恵を絞っているところである。
(島原の「きんせ旅館」のレトロモダンなカフェ)
さてこの同志社大学院のオープン講座も、残すところあと1カ月余りとなった。そろそろ目指すゴールを固めて、そこへ向かってアイデアを絞り出す時期になって来ている。
何とか、この方向性を突き詰めて行きたいと思う。