近場なのに知らない場所を知る | がいちのぶろぐ

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このところ、「マイクロツーリズム」という言葉が頭から離れない状況になっている。昨日も書いたように、星野リゾート代表の星野佳路氏が提唱されている考え方だ。

 

そんなことを思っていたら、今日配信されていたインターネット情報誌「TRIP EDITOR誌に、「新緑まばゆい季節に五感で楽しむ森林浴!京都の『けいはんな記念公園』へ行こう」という記事が掲載されていた。

 

 

(けいはんな記念公園/京都府精華町)

 

読んでみたところ、「新緑まばゆい」となっているけれど、記事自体はほぼ1年前に書かれたような感じだった。何しろこの間は自粛期間だったから。

 

それはともかくとして、私は京都に生まれ育ちながら、不思議なことにというか京都府の南部地域にはあまり行ったことがない。

 

けいはんな記念公園(正式には「京都府立関西文化学術研究都市記念公園」というらしい)は、関西文化学術研究都市(学研都市)に作られている。

 

 

(同上)

 

学研都市は京都府南部から奈良県北部、大阪府北東部にまたがる丘陵地帯に造成された。だから「京阪奈(けいはんな)」である。それからでも、30年以上は経過しただろう。

 

学研都市エリアの最北部には、同志社大学の田辺キャンパスも作られているし、中心部には国立国会図書館関西館をはじめ、国や企業の研究施設も数多くできている。

 

そんな学研都市の中央部になる京都府精華町に、この公園はシンボルゾーンのように存在している。ここがあることは、以前から知っていたが行ったことはない。

 

そもそも学研都市の中央部には、昨年初めに私が関わっている「定住外国人支援」のNPO団体が主催するワークショップを、学研都市の中心部にある「けいはんなプラザ」で行ったので、初めて出掛けたくらいだ。

 

 

 

(けいはんなプラザ/京都府精華町)

 

そんなことで、まさに「けいはんな記念公園」も、昨年ワークショップのために行った時に、バスでその横を通り過ぎたくらいだ。

 

今日読んだ記事では、この学研都市が開発される前に、丘陵地帯と田園が拡がっていた頃の風景を一部この公園の中に残す形で、広い公園が形成されているらしい。

 

いいですねぇ。ニュータウンの住民の方にとっては、良い憩いの場になっていると思う。こうした場所でも、我が家から出掛けるとなれば半日では中々厳しい距離感である。

 

やはりお昼の弁当持参でこの公園を目当てに出掛けて、ゆっくりと見学をし、公園内で弁当を食べる行程になるだろう。

 

これもいわば地域内の近場で、しかも未知の場所へ行くマイクロツーリズムになるだろう。マイクロツーリズムには宿泊という考えもあるけれど、こうした行動をとることでもいいのだと思う。

 

そう言えば、まだ外出自粛がそれほど厳しく言われてなかった3月末に、京都府向日市にある「向日神社」へ花見に出掛けた。

 

 

(向日神社/京都府向日市)

 

この向日神社も、我が家からなら1時間余りという距離感だけど、一応弁当持参の方が無難だから、行き掛けにデパートの地下でお寿司を買い求めて行った。

 

 

(向日神社境内でどうにか咲いていた桜)

 

お花見としては結果的に1週間ほど早くて、やや肩すかしだったけれど、阪急電車「西向日」駅から向日神社へ行く途中には、「長岡京」の〝大極殿跡〟が、大極殿公園としてきれいに整備されていた。

 

 

 

平城京から平安京に移る前に、10年ほど都が置かれていたのが「長岡京」である。現在は向日市の南隣に「長岡京市」があるから、誰もが長岡京は長岡京市にあったと思っている。

 

ところが「長岡京」の大極殿は向日市にあったのだ。これだって、たまたま現地に出掛けたから「へぇ~」ということになった。

 

 

 

先日、向日市のお住まいの方とウェブ会議でお話しする機会があったので、その話をしたところとても喜んでいただけた。その方も長岡京市に名前を〝持って行かれた〟と、残念がっておられた。

 

 

 

こんなことも、散歩というには遠出になる距離へ出かけたから知ることができた。しかもそれがきっかけで向日市在住の方と話がはずみ、いわばネットワークができた。

 

マイクロツーリズムで地域とそこに住む人を知り、そこから新しい展開が生まれるかもしれないと、星野氏も「理念と経営」誌の特集で述べておられたが、その通りのことが起こったのだ。

 

こんな形で、近場でありながら知らないことばかりだったのが、少しずつ色んな関係性が芽生えることもある。これがマイクロツーリズムの効果だと思う。

 

さらに今度は、長岡京市にお住まいの方がつい最近、長岡京市は観光PRで立ち遅れている、という話をされるのを聞いた。

 

ここでも、何かがつながり始めたような気がしている。長岡京市と言えば「乙訓筍(おとくに・たけのこ)」の名産地である。いわゆる京都産の高級な〝朝掘り筍〟である。

 

 

 

こんな特産品があり、長岡天神というツツジで有名なお宮さんもある。さらに細川勝元の居城だった「勝龍寺城」もあった。今年の大河ドラマは明智光秀が主人公で、細川ガラシャ夫人も絡んでくる。

 

 

(長岡天神のつつじ)

 

ドラマは色々と〝残念〟続きだけど、これもまた何か縁がつながって行きそうだ。マイクロツーリズムは案外と面白いことを可能にしてくれるような気がする。