都道府県名の漢字が書けるだろうか | がいちのぶろぐ

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今日配信されていたインターネット情報誌「TRIP EDITOR」に「新潟ムズすぎ…読めるけど書けない、漢字が難しい都道府県TOP10」という記事が掲載されていた。

 

 

(新潟新幹線「新潟駅」の駅名表示)

 

そもそも「ムズすぎ」という言葉を、私は好きになれない。別に〝難(むずか)しすぎ〟でいいではないかと思っている。似たような言葉に「ハズい」がある。〝恥(は)ずかしい〟ということだ。

 

〝ムズい〟や〝ハズい〟という言い方は、30年くらい前から、若者言葉として現れていたように記憶している。

 

言葉は常に〝変化して行く〟ものだから、それでも意味が通るのであればかまわない、という考え方もできる。そう言ってしまえば、もうそれだけのことかもしれない。

 

ただやはり、そこに漢字が当てはまる言葉である以上、「ムズすぎ」という言葉を、『じゃあ漢字で書いてごらん』と意地悪く言ってみたくなるのは、私がジジイと言われる所以(ゆえん)だろう。

 

それで今日の記事では、〝読めるけれど漢字で書きにくい都道府県名〟がgooランキングの調査結果として紹介されていた。

 

以下にそのランキングを紹介しておこう。

1位新潟県 2位岐阜県 3位茨城県 4位愛媛県 5位栃木県 6位滋賀県 7位鹿児島県 8位鳥取県 同率8位沖縄県 10位埼玉県

 

 

何となくわかるような気もする。私はワープロを使い始めて40年近くになる。ワープロの最大の問題点は、漢字が『書けなくなる』ことにあると思っている。

 

ワープロにひらがなを打ち込めば、即座に漢字に変換してくれる。その中から正しい漢字を探し出してやれば良い。あぁ、そう言えばこの字だった、ということになる。

 

だから〝読めても書けない(または忘れた)漢字〟がずいぶん増えてしまった。この都道府県名は、さすがに全て書くことができる漢字だが、そう言えば「新潟県」と「岐阜県」はけっこう難しい(ムズい、ではなく)かもしれない。

 

TRIP EDITOR」誌の記事は、言ってしまえばこれだけの他愛もない記事だ。だが、ちょっと待ってほしい。この記事だって、掘り下げればもっと面白い記事になったと思う。

 

実は2020年度から、小学校で習う漢字に少し変動があったのだ。このことは、少し前のテレビニュースでも取り上げられていたのを記憶していた。

 

今年度から小学校4年生で習う漢字として、以下の20文字が新しく付け加わった。「茨・媛・岡・潟・岐・熊・香・佐・埼・崎・滋・鹿・縄・井・沖・栃・奈・梨・阪・阜」の20文字だ。

 

 

 

また今までは6年生で習っていた文字が、4年生へ変更になったのが1文字ある。「城」である。

 

いかがだろうか。何か思い当たることはないだろうか。これらはすべて、都道府県名に使われている文字なのだ。

 

「茨城(いばらき)」であり宮「城(ぎ)」である。愛「媛」である。以下、「岡」山、新「潟」、「岐阜」、「熊」本、「香」川、「佐」賀、「埼」玉、長「崎(さき)」と宮「崎(ざき)」、「滋」賀、「鹿」児島、「沖縄」、福「井」、「栃」木、「奈」良、山「梨」、大「阪」なのだ。

 

しかもその漢字の読み方も、カッコ内に示したように2通りに読めるケースがある。

 

そこで記事に掲載されていた「書きにくい都道府県名」のランキングの中で、鳥取県を除く9県に使われている漢字は、今回の新たな学習漢字リストに入っている府県名だ。

 

きっと今までは、小学校の教科書では「ぎふ(岐阜)県」のような表記にする必要があったのだろう。同じように「宮ぎ(城)県」などと書いていたのではないだろうか。

 

「大阪府」などは常識的に読めそうなものだし、書けそうなものだと思うのだが、小学校の高学年であっても、書けなかったからといって問題ではなかったことになる。

 

たしかに「新潟県」は難しい。この「潟」という漢字は、実際に書いてみても書きにくい。またここまでは出てきていないが、「大分県」を「おおいたけん」と読むことを、外国人に理解してもらうのはきっと困難だと思う。

 

「分」は、音読みで「ぶん・ふん・ぷん」という読み方がある上に、訓読みで「〝わ〟ける」という読みもある。だけど「いた」という読み方は、大分県や大分市と書く場合以外にはあるだろうか。

 

高校ラグビーの強豪校の「大分舞鶴高校」の出身者に聞いた話では、自分たちの出身校を略して「ぶんまい」と呼ぶ、と言っていた。やはり「ぶん」なのだ。「いたまい」とは言わない。

 

とまあ、なんということもないような話なのだが、こうしてみると47都道府県名をきちんと読み書きできることも、小学生にとってはなかなか大変なことなのだ。

 

それよりも日本地図の〝白地図〟に、それぞれの都道府県の位置をすべて間違えずに、漢字できちんと記入できる大人は、いったいどれくらいの割合で存在するだろうか。

 

これをテストしてみたら、きっと文部科学省も愕然(がくぜん)とするだろうと思う。せめて8割以上の人は、このテストで満点を取ってほしいと思うのだが、さてどうだろう。

 

こんなことを書いていたら、インターネットニュースに「東北と新潟の7県が『東北・新潟緊急共同宣言』 県境をまたぐ外出自粛を」と発表した、と流れてきた。なんだか、余りのタイミングのに良さにちょっと笑ってしまった。