時おりこのブログでも紹介している、経営雑誌「理念と経営」の5月号が昨日送られてきた。この5月号では、「〝個客〟に寄り添う経営」という特集が組まれていた。
それよりも「小特集 新入社員のあなたに伝えたいこと」として、女子プロゴルファーの渋野日向子さんが取り上げられていた。
彼女がプロ入り2年目にして全英女子オープンで優勝するなど、昨シーズンは目覚ましい活躍ができた理由を、コーチの方が解説しておられた。
それとともに、作家で精神科医の樺沢紫苑氏が「学びは『アウトプット』してこそ活きる」というタイトルで述べておられた。この樺沢氏の話に興味を持った。
まず樺沢氏は「質問は、どこまでわかっているか、わかっていないかを明確にする行為」だと言われる。「質問はありますか」と聞いても質問が出ない。だから「私が言ったことを反復してください」と言っても反復できない。
それは、インプットがされていないからだと言われる。質問する=アウトプットするためには、キチンとインプットされていないといけない。だが、反復できないのはインプットもされていないということだ。
そこで大事なポイントは、「人間は忘れる生き物」だから「メモを取る。言われた直後に書く」ことで、「インプットの精度」が高められるとも。
メモを取っているからこそ、それを見返して質問すべきことも、確認すべきこともわかる。新入社員に向けた話だから、学校時代の「勉強」とは違って、仕事をして行く上での「勉強」は誰も教えてくれない、と言われているのだ。
自分で方法を探し出して行かないといけない。いわゆる「報告・連絡・相談」であっても、それには方法なりルールもあるだろう。
そうした社会人の基本を身に着ける場合でも、まずはビジネスの入門書なり、先輩や上司に聞いた本を読めばいいと言っておられる。
ただし、「本を読むときには、必ずアンダーラインを引きながら読む」ことを勧めておられた。さらに大事なことは、「読み終わったら、必ず『アウトプット』する」ことだそうだ。
「アウトプットをしなければ身に付かない」のだ。この場合のアウトプットとは、アンダーラインを引いた部分から、特に重要だと思うことを〝3つ〟選んで書き出すのだそうだ。
また人に何かを説明する場合にも、「きちんと理解して」いなければ説明ができない。「人に説明することは、ビジネス・パーソンにとってとても大事なスキル」であるから。
そのためにも、「書くことでアウトプットしてみる」のが早道だと言われる。書く場合には「簡潔にわかりやすく書く」ことが必要だし、「時間をかけずに書けるようになる」ことが必要だとも。
結果として、アウトプットを行うことで「記憶に残る。行動が変わる。現実が変わる。自己成長できる」と述べられる。
「勉強や学びという言葉にアレルギーを持っている人が多いのは、イコールつらいという刷り込みがあるから」だと締めくくっておられた。
わかるなあ。「勉強」は強制されたら楽しくないに違いない。だけど、メモ書きやアンダーライン程度ならできないことではない。
私自身は〝メモ魔〟の要素があり、どんな場合でも、とにかくノートを開いて乱雑にでも書きまくる。若い頃は、それを読み返して自分なりに整理したものを作っていた。
これらを〝つらい作業〟だとは思わなかった。いや、そうするものだと思っていた。習慣化されると大したことではなくなる。今も、大昔に整理したメモ類を読み返すことがある。
これがけっこう新しい発見につながることもある。整理した時点ではわかっていなかったことが、読み返した時には違う何かを新たに知っていたりするので、分かってくることもある。
本を読むときには、私はこれはと思ったところにはとりあえずマークを入れる。次に整理する段階で、取捨選択のために付箋(ポストイット)を貼って行く。
最後は付箋が付けられた部分だけを、アウトプットとして整理すればいい。これだけでも、1冊の本を3回読み返したのと変わらないと思う。
樺沢氏が言われていることと、私自身が仕事を進める上で行ってきたことが、奇しくも大きな相違がなかったことになる。
結局は、勉強だとか学びだとかいうことでなく、自分が仕事として何かを行ったり、考えたりする場合に必要な方法とは、インプットー整理ーアウトプットの繰り返しだろう。
昨日届いた「理念と経営」誌を読んでいて、こんな気持ちになった。いつもながら、この雑誌はそれほど分厚い月刊誌ではないが、有用なことが書かれていることが多い。
一般的な書店では販売していない雑誌で、見本誌を送付してくれるので、興味をもたれたら下記へご連絡をお願いしたい。
〒103-8790 東京都中央区日本橋浜町2-42-9 浜町中央ビル5階
株式会社 コスモ教育出版 「理念と経営」見本誌係
FAX 0120-122-754
ステルス・マーケティングのようで申し訳ないが、良い雑誌だと思うので紹介したかった。