ペルソナとプロデューサーの必要性 | がいちのぶろぐ

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環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

午前中から、10年余り前に私がまだ仕事をしていたころ作成し、パソコンの中に置いていた資料を、ちょっと思うことがあって引っ張り出していた。

 

サービス産業という業態のマーケティングに関するあれこれを、サービス関連業界の講習会で話すことになったため、それに関係する書物から引用してまとめたものの一部である。

 

そもそも「サービス産業」とはどういう業種・業態なのかということが一つ。それから「サービス・マーケティングとサービス・マネジメント」の関係が二つ目。

 

 

 

 

さらに、顧客は「受け取るサービス」の「品質」をどのようにして理解するのかについて、顧客が理解に至るまでの「段階的なプロセス」が三つ目だった。

 

 

 

どんな業種からの依頼で、講習を引き受けることになったかはさて置くとして、サービス産業を一括りにして考えるのは、あまりにも幅があり過ぎてわかりにくくなってしまう。

 

だから置いてあった講習会の資料も、その業界に絞って説明する内容となるように資料を作成していた。これは当然の話だが、そこでもう一度一般論に手直しした資料に変更した。

 

観光と関係するサービス業の話も、このブログによく書いてきた。宿泊施設を経営する場合や、観光スポットを運営する場合、さらに体験型観光として様々な客集めのための仕掛けを考える場合のことなど。

 

これまでのブログで言いたかったことは、大別して2つのポイントがあったと思う。一つは「ペルソナ」の問題であり、もう一つは「プロデューサー」の問題だった。

 

「ペルソナ」とは「顧客の具体的なイメージ」のことである。自分たちが考える顧客は、どんな地域に住み、どんな年齢層の、性別や職業などはどんな人を想定するのか、といったことである。

 

 

(ペルソナとサービスの関係)

 

これが明確にならないと、サービスを提供するにも、求めているサービスの内容や品質などが決まらない。むしろピントが外れたサービスを提供すれば、喜ばれないどころか、不満を抱かせる結果になるかもしれない。

 

だからサービス関連の業種・業態と言っても、その業種ごとに、また地域や提供するサービス内容によって、「想定する顧客」の像は一定にはならない。

 

だから自分たちの事業から考えて、どんな「顧客像」を描くことができるか、その顧客に対して「どのようなサービス」を提供できるか、を考える必要がある。

 

そこで初めて、それに必要な人材や設備、従事者の教育・訓練など、事業として行うべきことが見えてくる。

 

ただ何となく、できれば大勢の方にお客になってほしい、では十分な「顧客満足」は与えられない。これが一つ目の視点である。

 

二つ目として「プロデューサー」の存在である。プロデューサーとは、サービス産業において「サービスの種」を発掘し、その種を「育成」し、それを売り出してゆく存在である。

 

観光であれば、「観光資源」を発掘し、それを顧客が求める姿にまで育成し、顧客に売り込んでゆくための「マーケティング戦略」を立案するか、または立案者・実行者としての「マーケター」を引き込める人材である。

 

 

 

(プロデューサーの役割の例)

 

観光関連以外の他のサービス業であっても、メインの「売り物」を発掘するとともに、周辺に存在するべき様々な「サポート」も考え、この売り物を「商品」としてブラッシュ・アップし、PRして行くことが必要になる。

 

こうした能力を持った「プロデューサー」を適切に獲得し、プロデューサーと一緒になって、自分たちなりの「ペルソナ」を思い描くことができない限り、サービス産業は伸びて行かないと、繰り返し書いてきたつもりである。

 

このことを、以前に作成した資料を振り返って確認しようと思って、午前中からパソコンにあった資料を眺めていたということである。

 

資料を眺めた結果は、また徐々に考えを煮詰めて、ブログに書いて行きたいと思うが、今日は、あらためてその作業を開始したことを書いて、自分への宿題としておきたいと思う。