同期生という存在とは | がいちのぶろぐ

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昨夜見たテレビの深夜のバラエティ番組で、吉本興業の養成所の同期生の集まりの番組があった。「#同期とつながりたい~仲良くない芸人の1泊旅行」という番組の再放送だった。

 

吉本興業には、東京と大阪に「NSC」という養成所があることは、ご存知の方も多いと思う。昨夜見た番組は、大阪のNSCの22期生10人ほどが集まるというものだった。

 

NSCの同期というのは、養成所時代にコンビを組んで漫才を始めるものも多い。またコンビでなくても仲の良い友人もできれば、仕事上のライバル関係だったり、人間だから時には『あいつは好きになれない』という関係もあるだろう。

 

こうした関係は、何もタレントの養成所でなくても、中学・高校や大学などの同期生でも普通に有り得ることだ。

 

中学・高校の同期生の場合なら普通は同年齢になるが、大学では浪人をして入学したり、回り道をしたりする者もいるから、同期生と言っても同じ年齢ばかりとは限らない。

 

これがタレント養成所となれば、それこそ学歴や経歴もバラバラになるから、時にはかなり年齢の離れた同期生ということも起こり得る。

 

そんな中で大阪のNSCの22期生というのは、今から21年前に養成所に入ったクラスになるそうだ。だから、年齢的にはだいたいは〝アラフォー〟という世代になる。

 

この22期生というのは、大阪NSCでも「当たり年」と言われていて、現在テレビなどで大活躍している芸人を多数送り出した年だといわれている。

 

それというのも、漫才コンビ「キングコング(西野亮廣・梶原雄太)」がNSC在籍中の2000年に、異例のことながら「NHK上方漫才コンテスト最優秀賞」を受賞するという快挙を成し遂げた。

 

 

(キングコング/左・西野亮廣さん、右・梶原雄太さん)

 

これが刺激となって同期生の中で強い競争心が起こったから、同期が一挙に活躍するようになったと言われている。

 

その結果、山里亮太さん(南海キャンディーズ)、NONSTYLE、ダイアン、なかやまきんに君、村本大輔さん(ウーマンラッシュアワー)、ミサイルマンなど、テレビで毎日のように同期の誰かを見るほどの年になったという。

 

 

(南海キャンディーズ山里亮太さん)

 

そんな中でも〝仲の良し悪し〟ということは当然あって、これが番組のサブタイトルの「仲良くない芸人」ということになる。

 

昨夜の番組で集まっていたメンバーでも、キングコングの梶原雄太さんとミサイルマンの岩部彰さんの二人は、NSC時代から犬猿の仲で、現在に至っても相当のわだかまりを抱えたままということだった。

 

 

(キングコング梶原雄太さん)

 

それが番組の中では、夕食の宴会で隣同士に座ってその頃の経緯を話すことになった。まあ20歳前後の頃の話だから、ささいなことからいがみ合ってしまったらしい。

 

 

(ミサイルマン岩部彰さん)

 

そんな話を〝肴〟にしながら、番組は進んで行った。見ている方は裏話としての面白さはあるが、テレビのバラエティ番組だから、それだけの話と言えばそれで済むことである。

 

ただ面白いのは、同期生というのは年齢に差があっても、先輩後輩という上下関係にはならない。あくまで〝俺・お前の仲〟である。

 

昨夜の番組も、売れっ子のNONSTYLE石田明さんとキングコング西野亮廣さんが進行役となって、番組を取り仕切っていたけれど、その場にいない同期のメンバーも遠慮なく〝肴〟にしていた。

 

 

(ノンスタイル石田明さん)

 

同じ時期に〝体験を共有〟したということは、仲の良し悪しを抜きにして、何かを語り合うことが可能な関係だということだ。

 

 

(キングコング西野亮廣さん)

 

その時期に起こった強い葛藤であっても、20年の歳月が経てば〝しこり〟も風化が進む。だから〝きっかけ〟さえあれば、時には話ができる関係にもなるだろう。

 

番組中にも、お互いの連絡先を知らないと言って、決して仲が良くなかった者同士でも電話番号を教え合っていた。そんなものだと思う。

 

小学校から大学まで、それぞれの段階での同級生と言っても、20年も経てば連絡が全く途絶えてしまうことだって普通に起こり得る。

 

一方で彼らは、仕事としてタレントを選択し、そのため現在も同じ道を歩んでいる者同士である。ということはこの20年間、浮き沈みの激しい芸能界という仕事で生き残ってきたエリート同士なのだ。

 

だからこそ同時代に共有した出来事を、体験談として笑って話し合えるのだろう。彼らとは養成所仲間だったけれど、すでに芸能界を去って行った同期生の場合は、そういうわけにはいかない。

 

そう考えると、昨夜の番組に出演者として集まっていること自体が、芸能界という仕事で成功した〝証し〟だということも言える。

 

しかしテレビ番組の収録ではありながら、時として無邪気な表情になって話をしている姿は、やはりある意味で〝昔に返った〟気分になっていたと思われる。

 

昨夜は、なんということもなくそんなテレビのバラエティ番組の、それも再放送を偶然に見たのだけど、なかなか面白いものになった。

 

昨夜のケースはタレント養成所の同期生ということだから、年齢的には大学時代の同級生の集まりと同じくらいの集団が集まったという感じになるだろう。

 

私の大学の場合を考えると、今年の3月で卒業後50年となった。だから昨年のクラス会では、離れた場所に住んでいる同級生もクラス会にフル動員しようという話をしていた。

 

 

(昨年の私の大学時代のクラス会)

 

それが現状では、ウィルス騒動で予定の立てようもない。とはいえ、遅かれ早かれ今年中には卒業50周年記念のクラス会も開催できるだろう。

 

私にとって、アラフォーの頃の大学のクラス会はどんな様子だったかと振り返ってみたけれど、残念ながらあまり記憶には残っていない。

 

その年代は働き盛りの時代だったから、それなりにギラギラしていたのかも知れない。年齢を重ねたことで、今はそうした部分は随分と感じられなくなったように思う。今となっては全員がご隠居さん同士だから。

 

このウィルス騒動が終わって、クラス会で顔を合わせた時には、きっと50年前に戻って無邪気に昔話をするのだろう。