京都のホテルがガラガラということで | がいちのぶろぐ

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とうとう来るところまで来たような気がする。新型コロナウィルスの騒動は、観光関連産業には大打撃となっている。先日は、熱海の老舗旅館の倒産が報じられていた。

 

この旅館はもともと経営状態が思わしくなかったところへ、今回の騒動で中国からのお客がなくなり、ついに手を挙げざるを得なかったらしい。

 

こんな報道を目にしている時期に、私のちょっとした知り合いで、京都のホテルでフロント係として働いている方が、急に4月から東京転勤になったということだった。

 

このホテルは清水寺と遠くない場所で、昨年に開業したところだった。スタート後は、順調にお客が来ていたという。

 

 

 

それが「春節」をはさんでの今回の騒動となった。以来、順調に埋まっていた客室が急にキャンセルが相次ぐことになったらしい。

 

そして現状では、客室が〝がらがら〟の状態が続いているという。仕方なく、この人は東京の本店(という表現でいいのかな?)へ配置転換されるということだ。

 

それにしても、京都という大観光地である。しかも有名観光スポットに近い立地にあるホテルが、現状では「閑古鳥」が鳴いている状態になった。

 

もう〝経済に打撃〟などと、悠長なことを言っている場合ではない。観光関連産業では死活問題になっている。そこまでに至っている。

 

すべてのコンサートやイベントは、中止や無観客ということになりつつある。この雰囲気では、オリンピックの中止や延期という事態も決して有り得ないことではない。

 

多くのイベントなどの中止による損失も、数百億円に上るのではないかという予測記事も見かけた。大相撲の春(大阪)場所も、どう対応するか決断を迫られているということだ。

 

無観客での開催となれば、ン十億円の収入が吹き飛んでしまうだろう。サッカーのJリーグも、バスケットボールのBリーグも開催日程の延期が決まった。

 

プロ野球もオープン戦はとりあえず無観客ということが決まり、1カ月後に迫った公式戦に向けての態度も、いずれ2週間ほどの間には決定することになるだろう。

 

日本国中が〝自粛ムード〟一色に染められている。東日本大震災が発生した時以来の、国全体が暗鬱な雰囲気に押し包まれる状態が再来している。

 

それもこれも、政府の発表が「大本営発表」の状態ではないか、という疑心暗鬼が強く働いているように思える。もはや政府の発表を、誰もが信用していないということだ。

 

こんな状態がいつまで続くのだろうか。もし東京オリンピックが中止になったとしたら、日本の経済はどこまで落ち込むのだろう。

 

世界経済は〝同時株安〟と言っているけれど、日本に限って言えば、リーマンショックの時とは比べものにならないくらいで、東日本大震災の時に匹敵するくらいの落ち込みになるのではないだろうか。

 

消費税の増税によって、昨年1012月期のGDPは年率換算で6%以上の落ち込みとなっていた。そこへ今回のウィルス騒動である。このままでは、1~3月期もそれ以上に落ち込むかもしれない。

 

この状態に追い打ちをかけるように、オリンピック・パラリンピックが中止となれば、もう日本経済は土壇場に追い込まれることになる。人手不足どころか、一気に非正規社員の解雇が相次ぐことになるのではないか。

 

そんな状態になれば、春闘だ、賃上げだなどと言っていられないとなって、働く人たちには収入減になるし、それが引き金となって、またデフレが襲い掛かって来るだろう。

 

今回のウィルス騒動がどのように終息するのか、私には全く分からないが、あと3カ月この状態が続けば、日本経済は立て直しが出来ないほど、深い傷を負うような気がしてならない。

 

暗澹とした思いになる。政府が(というより、政府の意を受けた専門家会議が)この1,2週間が山場だと言ったけれど、それを国民が信用していないことが、何よりも大きなことだろう。

 

 

 

なんとか早く終息し、人々に笑顔が戻って来て欲しい。例年よりも早まりそうだという桜の開花を、満面の笑顔で迎えたいと願うばかりだ。