八坂神社の楽しみ方が掲載されていた | がいちのぶろぐ

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夜中には、かなり激しい雨が降っていた。それが午後にはすっかり青空に戻った。いよいよ春の天候になっていると思う。

 

ところで、今日配信されていたインターネット情報誌「TRIP EDITOR」で、英学(はなぶさ がく)さんが、「祇園さんって誰なの?あの祭りで有名な京都『八坂神社』の魅力」という記事を寄稿されていた。

 

 

 

「祇園さん」という愛称で親しまれている、京都の観光スポットの一つ「八坂神社」の解説を書いておられたのだ。

 

「祇園社」だから「祇園さん」なのだけど、なぜ二つの名前があるの、ということになる。祇園神社ではなく、〝なぜ八坂神社なの〟ということだ。

 

これは福岡市の「お櫛田さん」として親しまれている櫛田神社の祭礼が、博多「祇園山笠」であることとも同じ〝根っこ〟の話なのだが。

 

 

 

祇園とは、あの「祇園精舎の鐘の声」で始まる平家物語にも出てくる言葉である。英さんはこれを、「八坂神社の主祭神として祀られている牛頭天王(=素戔嗚尊)は、釈迦の生誕地にちなむ祇園精舎の守護神」だと解説している。

 

ひと言で言えば、祇園精舎の守護神だった神様を祀っているから「祇園社」だということだ。その「祇園社」が、京都では「八坂神社」であり、博多であれば「櫛田神社」ということだ。

 

こんなことは「へぇ~」といううんちく話だが、この八坂神社は「祇園祭」という誰もが知っているようなお祭りを持っている。

 

昨年は、祇園祭がスタートして1150年目だったそうだ。平安京に疫病がはびこり、その疫病退散を願って、京の町衆が始めた祭りとされている。

 

 

 

それで7月17日の午前中に山鉾巡行が行われて、まずは八坂神社の神様に町衆が祈りを届ける。その日の夕方、3基の神輿が八坂神社を出発して、四条寺町にある御旅所に〝行幸〟される。

 

 

(御旅所に並んだ3基の神輿)

 

神輿とは、「神様の乗物=輿」である。しかも3基の神輿とは、八坂神社に祀られている「3柱」の神様が乗られるから3基。決してMKタクシーを1台だけ呼んだりせず、神輿に担がれて行かれる。

 

とまあ、この夕方から行われる〝神輿渡り〟の行事が本来の祭りということになる。そこで、御旅所に1週間お泊りになって、また24日の町衆が行う「後の祭り」を見届けてから、神様は八坂神社にお戻りになる。これを〝還幸祭〟という。

 

こうして、7月1日から始まる長い祇園祭は、全体が閉幕することになる。

 

この八坂神社は、「祇園造(ぎおんづくり)」と言われる、「本殿と拝殿が同じ屋根で覆われている」建て方の社殿に祀られている3柱の神様がメインだけれど、その他にも小さなお社が数多くある。

 

(祇園造なので拝殿と本殿をおおう屋根が大きい)

 

これらを英さんは、詳しく紹介されていた。その一つに、英さんの記事にも出てきた「美御前社(うつくしごぜんしゃ)」という末社がある。

 

 

英さんによれば、「多岐理毘売命(たぎりひめのみこと)、多岐津比売命(たぎつひめのみこと)、市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)という三柱の女神」が祀られているという。

 

これは、福岡県宗像市にある宗像大社のホームページに書かれている、「三女神のお名前は 田心姫神(たごりひめのかみ)、湍津姫神(たぎつひめのかみ)、 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)と申し上げ」と同じ神様なのだ。

 

宗像大社は、沖合60kmの玄界灘に浮かぶ沖ノ島の「沖津宮」、陸地の11km先にある大島の「中津宮」、そして九州本土にある「辺津宮」の三社が一体となる神社である。規模が壮大なのだ。

 

 

(宗像大社のホームページより)

 

「沖津宮」のある沖ノ島は〝海の正倉院〟と言われて、そこには古代からの様々のものがそのままの状態であることで知られているが、基本的には立ち入りが禁じられている。とまあ、そんな大変な神様が八坂神社にも招請されて祀られている。

 

なにせ「美御前社」なのだ。そこで英さんは、「美御前社の境内には『美容水』という水が湧き出ています。この水で手や顔を洗うと外見だけでなく、内面も美しくなるといわれています」と書いておられる。

 

 

 

これが中々に秀逸で、私が今年の元日に、初詣に八坂神社へ出かけた時にも、美御前社にお参りされているのはほぼ女性ばかりで、皆さんがお参りの後でこの「美容水」で〝顔をなでて〟おられた。

 

「うーん・・・(以下、無言)」と思ったけれど、私はお参りしなかった。当然だろう。〝しわ〟が伸びる神様ではないのだから。

 

 

 

ということで、本殿の東側にあるこの「美御前社」も是非、立ち寄られると良いと思う。神社へお参りするときに、こうした細かな話を知って行くのと、そうでないのとでは楽しみ方も変わって来ると思う。

 

英さんの記事は面白かった。八坂神社という場所は、英さんも言われるように京都盆地の東端で、この八坂神社の西楼門(四条通りの東端)の石段から東山が始まる。これはNHKの「ブラタモリ」でも話されていた話題だ。

 

 

 

京都という観光地なので、来られる観光客も様々だろうけれど、こうした〝こぼれ話〟を知っていると、けっこうそれだけでも楽しめると思う。どうぞお楽しみください。