新型肺炎ウィルスは日本経済に打撃となるようだ | がいちのぶろぐ

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新型肺炎ウィルスの世界的な拡散が止まらない。中国の対策が後手に回ってしまったから、潜伏期間中に世界へ旅立った観光客が次々に発症を始めている。

 

「春節」という中国最大の休暇の直前に感染が始まっただけに、タイミングも最悪だったとも言える。〝この期に及んで″という言い方がぴったりかも知れないが、中国からの移動の制限が強化されている。

 

 

 

昨年の夏以来、韓国からの訪日客が半減しているために、昨年は中国からの訪日客が国別のトップになった。940万人近くが訪日していたが、その3割ほどが団体客だったらしい。

 

その団体での海外旅行が全面的に禁止されたから、これからは中国からの訪日客が急減することも予想されている。

 

韓国では、東京オリンピッをクボイコットしよう、などという意見まで出ているそうだから、訪日客の急な回復は見込めそうにない。

 

そこへ中国の大幅な渡航制限が重なったから、今年の政府目標だった海外からの訪日客4千万人という数字は、ほぼ絶望的になったと言っても良いだろう。

 

 

昨年も、一昨年からの伸び率はわずか2%にとどまっていた。そこへ今回の騒動だから、オリンピック・パラリンピックの効果を見込んでも、下手をすると昨年並みか減少ということにもなりかねない。

 

これは、日本経済にとって大打撃であることは間違いない・競技場や関連施設などのオリンピック特需もピークを越える上に、訪日客が伸び悩むことになれば、今年の下半期の経済が急速に悪化することも有り得るだろう。

 

今や日本経済の「稼ぎ手」は、利益率の高い最終製品ではなく部品産業になって来ている。その上に観光関連産業が急速に冷え込めば、経済が好転することは考えにくい。

 

観光関連産業の外需は、常に中国や韓国の国内での政治状況や、今回のような社会情勢に左右されるという不確定要素を持っている。それが露呈したのが、今回の新型肺炎ウィルス騒ぎだろう。

 

今年は4半期ごとの経済の動きが、かなり神経質なものになって来ると思われる。オリンピック・パラリンピックを夏に控えて、6月下旬の会期末に近い頃に衆議院の解散ということも困難になるだろう。

 

そうなれば、予算成立後の4月に解散風が吹くかもしれない。ただ経済状況が不安定な要素を抱えたままでは、自民党にとっても選挙は大変だろう。

 

この新型肺炎ウィルス騒動の行方は、日本では経済だけでなく、政治情勢にまで微妙な影響を与えることになるかもしれない。

 

いや、ひょっとするとパラリンピックも終わった秋ごろに、経済へのテコ入れのために臨時国会を開き、補正予算の審議を終えた跡で解散、ということになるのかも知れない。

 

どのタイミングかはともかくとして、「新型ウィルス解散」という状況は逃れられないと思う。それくらい深刻に、この騒ぎを捉える必要が出てきていると思う。

 

それにしても、昨日、買物のために京都の中心部の繁華街に出掛けていた家人の話では、ドラッグストアの前にマスクが山積みされて売られていたが、売れ行きは悪そうだということだった。

 

 

 

中国からドッと観光客が京都に来て、みんながきっとマスクを大量に買い求めるだろうという読みから、マスクを大量に仕入れたものの、〝当て″が外れた格好かも知れない。

 

今日の新聞の社会面にも、「シュン節」という皮肉な見出しが掲載されていた。こうしたところに経済的な打撃が現れ始めているのだろうか。