「やさしい日本語」で接客するワークショップ | がいちのぶろぐ

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今日は午後から、今年度の「となりの外国人とのお付き合い~おしごと編」のワークショップ第1回目となる「小売業・飲食店向け」があった。

 

 

 

このイベントは、私が関わっている「定住外国人支援」のNPO団体が力を入れている。京都市上京区役所の助成金を受けているので、上京区内の主な商店街には、直接足を運んでチラシを渡してPRを行った。

 

 

 

しかし、なかなか思うように参加者が集まらず、それぞれが知り合いに声掛けをするなどして、参加者集めに苦労した。また先週の土曜日には地元紙の京都新聞でも告知の記事を書いていただけた。

 

こうして今日はどうにか12人が参加いただいて、開催にこぎつけることができた。どうしてこんなに集客が悪かったのだろうと、昨日の団体の定例会議でも議論になった。

 

もちろん、チラシを配布する対象の範囲を、上京区内の商店街に絞り込んだという問題もある。もっと広く告知するという手もあったと思うが、そうするにはどんな手立てがあるのだろう。

 

 

 

こうしたイベントを開催するときにいつも感じるのだが、情報発信というものは難しい。よく〝必要な人に届くように″と言われる。それでピンポイントに地元の商店街にチラシを配布したが反応が薄かった。

 

これはきっと、「外国人のお客への対応」にあまり問題を抱えていない、ということだろうか。飲食店なら、多言語でのメニューの準備や、写真入りのメニューを置く店も増えている。

 

表の看板に英語や中国語表記をしている、という店も現れてきている。さらに中国のスマホ支払いや、銀聯カードという中国のカードでの支払いができる店も増えた。

 

 

 

小売店なら、よほどのことがない限り、お客が商品を手に取って確かめて買うことも多いし、値札も付いているから、あまり会話をする必要性がないのだろうか。

 

だkら、私たちが進めている「やさしい日本語」での応対ということが、あまり切実感を持たれないのだろうかと、この間は悩ましい限りだった。

 

 

 

日本政府も東京オリンピック・パラリンピックを控えて、この3月末を目途に「やさしい日本語」のガイドラインを作るということだ。だから決して無意味なことだとは思えない。

 

 

 

そうした中で、今日のワークショップを迎えた。参加された12名の方々は、日本語を習い始めてまだ半年余りという3人の外国人ゲストを相手に、自分たちが伝えたいことを、「やさしい日本語」で伝えようとされていた。

 

それが上手く外国人のゲストに伝わったのかどうか。皆さん、けっこう苦労して伝える努力をされていたが。

 

 

 

私がご一緒したテーブルでは、外国人の方に風呂敷の使い方を説明することができず、ついにあきらめた。次に京都土産で有名な「生八ッ橋」も、お菓子だとは伝えられたけれど、材料や味はどうしても伝わらなかった。

 

最後は、〝味は、店では試食してもらうからわかるよね″というところに落ち着いてしまった。だから「やさしい日本語」で説明すると言っても、実はそう簡単なことではない。

 

 

 

こうして実際に相手に伝えようとしても、最後はあきらめてしまうことになる。ここから一歩積み出せれば、新しい顧客開拓につながると思うけれど、そこであきらめてしまう。

 

 

 笑顔の接客も大事だけれど、肝心なことは伝えるための努力をする。そのための一つの武器が「やさしい日本語」なのだが、やはりそこはあきらめてしまうというのが現実なのだろう。

 

私たちも。もう一歩踏み出してもらえるように、講習の中味をさらに工夫する必要を感じた。