高校の総合学習も大詰めに | がいちのぶろぐ

がいちのぶろぐ

環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

昨日は、お手伝いをしている高校の「総合学習」で出掛けていた。この授業も、残すところあとわずかになった。それぞれのグループが、最後の仕上げに入っている。

 

それでも高校生らしくというか、ワイワイ、キャッキャと楽しそうに話し合っているグループもあれば、何だか全員が眉をしかめてパソコンとにらめっこをしているグループもある。

 

 

 

ここまで来れば、もう敢えて口出しなどしなくても、それぞれがやるべきことはわかっている。だから静観していればいい。それでも3週間後に迫った校内発表会では、当然だが質問も受けることになる。

 

そんな時に、きちんと答えたり、切り返しができたりするための準備も必要になる。それに対して、どこまで準備ができるかが最後の詰めになる。

 

5つのグループが1学期に掲げたテーマに沿って、「あるべき姿」を模索していく中で、テーマ自体の絞り込みも随分とできた。漠然としていたテーマから、具体的なビジョンが描けるようになった。

 

そして、年が明けてからは最後の仕上げ段階に入った。もう大きな変更はできないから、論理に矛盾や飛躍がないように、細かいところを考えて行く作業になった。

 

 

(昨年度の校内発表会の様子)

 

1年間というのは長いようで、過ぎてみればあっという間のような気もする。1年前には雲をつかむような話だったけれど、それぞれが色々な人の話を聞き、現地に出向いて実情を見てきた。

 

今までは、全く見たことも聞いたこともなかったことを、一つずつ自分で体験してきた。観光をしている外国人にヒアリングをしたグル^プもあった。

 

こうして、1年の間に彼ら彼女らは随分と成長したと思う。この年代は、乾いた砂が水を吸い込むように、一つずつのことを身体に覚え込ませて行ける時代だから。

 

 

 

そんな中で、最初は「日本庭園」というテーマからスタートしたグループがある。そこで京都でも有名な造園業の会社にお邪魔をして、その会社の若い社長に話を聞いた。

 

その時に社長の話として出てきたのが、後継者不足という課題だったらしい。京都には有名な庭園が数多く存在し、貴重な観光資源となっている。そして、それらを維持・管理しているのは、造園業の方々である。

 

生徒たちは、この当たり前の事実に気付いた。それからは、テーマを後継者問題に絞り込んだ。もうそれからは、口出しなど無用になった。この後は、どうすればいいかを彼らが考える番だから。

 

 

(生徒たちが見学した「無鄰菴」/7代目小川冶兵衛の作庭)

 

少しだけアドバイスをしたのは、京都にはデザイン系の大学・学部がかなり多くあるという事実と、京都大学など農学系の学部があるところでも、「環境デザイン学」という切り口で庭園を考えている、ということだけだった。

 

(京都大学構内/旧・演習林事務室)

 

さて、どんな発表をしてくれるのか楽しみだ。庭園をデザインすることから、環境をデザインすることまで話が伸び、それを支える技術者・技能者の後継者問題という困難な問題があることを知った。

 

これに対して、どんな課題解決策を提案してくれるだろう。そう考えるとワクワクする。若い感性に期待したいと思う。