高校の「総合学習」は最後の追い込みに | がいちのぶろぐ

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観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

昨日は、お手伝いをしている高校の「総合学習」に出掛けていた。校内発表会まで、残すところ1カ月を切って、まとめの作業も最終盤に差し掛かってきた。

 

5つのグループは、それぞれに校内発表資で貼り出す資料の作成や、その時に説明するための原稿作りに余念がなかった。

 

 

 

ただ心配なのは、ここまで来ても出口となる結論部分が詰め切れなくて、安易な一般論に持って行って御わらせようとするグループが出てきたことだ。

 

お手伝いを始めて4年になるが、必ず1つ2つのグループは、結論の部分で腰が砕けてしまって、安易なところへ逃げ込んでしまう。

 

あるテーマに対して、自分たちで「あるべき姿」を思い描いて、そのことの現状を調べ、そこからどうすれば「あるべき姿」に近付くことができるかを考える。

 

そうして、近付くための「具体的な方策」を提案する、という道筋を追っかけてきた。だが、この「具体的な方策」が見出せなくなってしまう。これが結論に当たるのだが。

 

確かに、掲げているテーマが難しければ、または「あるべき姿」をあまりにも高いところに置けば、そこに至る道筋の「具体策」は見えなかったり、無理なことになったりもする。

 

だから議論の中で、最初のテーマから少しずつ修正をして、自分たちの理解が及ぶ範囲のテーマへ絞り込んだり、「あるべき姿」を少し現実味のあるものに変えたりしてきた、

 

 

 

それでも、今年も意欲的なテーマと取り組んでいるグループもある。毎年1グループは、オッと思わせる内容になる。

 

一昨年度は「AR(拡張現実)」の手法を用いて、観光スポットで眼前の景色が、異なった季節の景色として見ることができる、ということを考えたグループがあった。

 

紅葉の名所でスマホをかざせば、眼前の景色がいつでも紅葉の景色になる、という試みだった。そのころ、ARという手法が「ポケモンGO」によって注目されていたから。

 

昨年度は、災害時に外国人観光客を安全に避難・誘導する具体策を考えたグループがあった。北大阪地震や台風被害が相次いだ年だったから。

 

そして今年は、先日このブログでも紹介したが、観光スポットの混雑緩和のために、「観光客の分散化」を考えているグループがある。

 

 

 

こうしてみると、その時点で最もタイムリーなテーマを取り上げていることが分かる。高校生という世代は、そのくらい敏感に問題意識を持っている。

 

環境活動家として有名になった、あのスェーデン人のグレタ・トゥーンベリさんとちょうど同世代の生徒たちなのだから。

 

そこで昨日は、それぞれのグループにとっての結論となる、具体的な「課題解決策」がどのようなものになったかを聞き取っていた。

 

 

 

この「総合学習」は、点数で評価される授業ではない。。何よりも、自分たちが「考えるための道筋」を身に着けるための学習過程である。だから「プロセス」が大事なのだ。

 

相変わらず、ワイワイ、キャッキャと楽しそうにしているグループもあれば、眉をしかめながらパソコンに向かって、せっせと原稿を打ち込んでいるグル^プもあった。

 

それぞれが、それぞれのやり方であっても構わない。だけど、論旨に一貫性がなければ、校内発表会の時に、来賓の他校の先生方も含めた、聴衆から質問攻めに会うことになる。

 

結論が安易であったとしても、論理の流れだけはきちんと整理しておいてほしい。さて残された時間で、より良い成果に仕上げてほしいと思う。