何処だった 行って良かった 観光地 | がいちのぶろぐ

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このブログで時折り紹介している、インターネット情報誌「TRIP EDITOR」で、実際に観光に行ってみて、満足度が高かった都道府県のランキングBEST10に関する記事が掲載されていた。

 

毎年、別の調査会社から、都道府県魅力度ランキングなども発表されているから、このランキングも、大筋では〝おそらくそうだろう″という結果だった。

 

ただ、〝満足した″という理由も上げられていたので、少し興味を持って内容を読んでみた。

 

まずトップ10の順位を上げておくと。以下のようになっていた。1位から順に並べておく。

 

北海道・京都府・沖縄県・東京都・長野県・長崎県・鹿児島県・広島県・奈良県・静岡県

 

上位の3つ、北海道・京都府・沖縄県はとりあえず「大観光地」であることは間違いない。こういったランキングでは、必ずこの3つが上位に並ぶ。

 

(小樽運河/北海道)

 

北海道は「自然・グルメ」ということだし、京都府は「歴史・文化財・名勝」、沖縄県は「海・リゾート」ということになっている。ガチガチの定番である、

 

4位になった東京都は、ここも比較的上位になることが多い。満足した理由も「刺激的・鍼灸の対比」ということだったからわかる気がする。アンケートに回答する年代によって、「刺激的」と感じる年代と、「新旧の対比」を良いとする年代に分れるかもしれないが。

 

 

 

5位の長野県は、「山・高原の景観、温泉」などが理由として挙げられていた。確かに県域が広く、それぞれに異なった特色を持っているけれど、基本的には山や高原の美しさが、観光地としてのベースになっているだろう。

 

 

 

6位の長崎県は離島の数が全国で最も多く、海の幸にも恵まれているが、何よりも歴史的に外国との窓口だったことから、和・洋・中華がミックスされた「グルメ」に対する満足度が高かったのが面白いと思った。

 

 

(長崎・中華街の有名な店)

 

7位の鹿児島県は、やはり離島、特に屋久島の人気が高かったようだ。それとともに、有名な観光地も多い点も取り上げられていた。

 

 

(桜島と錦江湾/鹿児島県)

 

8位の広島県は、やはり「厳島神社」と「原爆」というキーワードが強く影響していた。原爆については、一度は必ず行っておくべき場所、という捉え方をされていた。さらに「尾道」という固有名詞も上げられていた。

 

 

 

8位の奈良県は、「歴史・国宝」ということになる。中でも国宝の数は、京都府を抑えて全国で最も多く存在している。さらに「法隆寺」という固有名詞もキーワードとして挙げられていた。

 

 

(興福寺五重塔/奈良県)

 

10位になった静岡県は、何よりもまず「富士山」という回答が多かったようだ。その他に、こちらも県域が広いために、それぞれの場所ごとに見どころがある、ということも上げられていた。

 

 

 

静岡県で特に面白いと思ったのは、観光地としては「穴場」だという回答だった。確かに富士山なら山梨県もあるし、他の観光スポットと言っても、似たような場所は他にもあるだろう。だが、観光地として「穴場」だという見方は、なるほどという気がした。

 

こうした結果だったのだが、よく見ると、東北6県と四国4県が全くランキングに顔を出していない。同じように、新潟県から島根県に至る日本海側の各県も、まったく現れていなかった。

 

東北には多くの観光地があり、有名なお祭りも数多くある。例えば青森県は、大観光スポットとして、十和田湖や奥入瀬渓谷などを抱えている。また岩手県の「中尊寺金色堂」だってそうだ。

 

四国なら、最近脚光を浴びている徳島県の秘境「祖谷」地域や「阿波踊り」、高知県の「足摺岬や室戸岬」と、「ホエール・ウォッチング」などもある。瀬戸内海に浮かぶ島々も美しい。

 

 

 

日本海側で言えば、石川県は金沢市の歴史と能登半島の景観、島根県は松江市や出雲大社の歴史というように、大きな観光ポイントがあるにもかかわらず、である。

 

それからすれば、静岡県の「穴場」という理由も面白いと思う。もちろん、伊豆半島など、東京圏からも近くて、温泉や景観が楽しめる場所も多くある。

 

こうして結果を眺めて見ると、北海道と鹿児島県・沖縄県という南・北の観光地、首都であり世界の大都市である東京都、古都の京都府・奈良県という地域は、なんとなく理解ができる。

 

また、山岳地帯特有の景観が楽しめる長野県もわかる気がする。その長野県に隠れて、損をしているのが、周辺の群馬県・山梨県・岐阜県だということも言えるかもしれない。

 

グルメということなら、長崎県が、同じ九州にあってグルメの町・博多の福岡県を抑えて上位になっていたのも面白いし、「富士山」ということなら、山梨県の富士五湖だってあるのに静岡県の方が意識されていた。

 

 

)博多と言えばラーメン)

 

これはひょっとすると、東海道新幹線から見える「富士山」が、多くの人の意識の中に投影されているのかも知れない。

 

 

 

そして何よりも、唯一の被爆国として、私たちの意識の中に〝ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ″の祈りが、強く根付いていることも現れていると思いたい。

 

最後に、町のレベルで言うなら「港町」の横浜市・神戸市が上がって来るとしても、県単位で見た場合には、神奈川県・兵庫県という意識のされ方は低くなっていることも、面白い傾向だと思う。

 

でもニッポンって、やはり世界に向かって、もっと観光のPRをすべきだと思う。こうして考えただけでも、ものすごく素敵な観光資源がいっぱいあるのだから。