穴場なら 見ごろ迎える 青紅葉 | がいちのぶろぐ

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昨日配信されてきたインターネット情報誌「TRIP EDITOR」で、来週から始まるゴールデンウィークの「穴場」が紹介されていた。

 

その記事によれば、東京・京都・大阪・福岡と並んで、函館が穴場として紹介されていた、これはちょっと意外な感じを受けた。

 

東京や大阪は、そこから他の場所へ向かって旅行に出掛ける人が多いから、東京の都心などは、例年、ゴールデンウィークで道路がガラ空きになっている光景も、テレビのニュースなどで取り上げられたりする。

 

むしろ、東京から他の場所へ向かう高速道路の「混雑予想」が発表されるくらいだし、都心部にある企業や官公庁が休暇だから、それらと関係する自動車交通量も大幅に減少する。

 

 

 

いくら外国人観光客が増えたといっても、さすがにこの時期は、日本国内での大移動が起こるから、バランス的に東京や大阪といった大都市部が空いてくるのは当然かもしれない。

 

それにしても函館は、ゴールデンウィークには桜が見頃かも知れない。「五稜郭」の桜が咲き誇っているだろうと思うのだが、意外と空いているという情報だった。

 

 

 

その点、京都が穴場だというのはわかる気がする。京都がどれほど大観光地だと言っても、やはり桜と紅葉の季節が観光のピークであり、ゴールデンウィークにあえて京都観光とはならないだろう。

 

それに今年のように休日が長くなると、23日もあれば十分に観光ができる京都などより、ふだんは行きにくい北海道や沖縄など、移動時間の面でも、滞在日数でも多くを要する遠くの観光地に出掛けたくなるのが、人の気持ちだと思う。

 

 

(首里城「守礼之門」/那覇市)

 

同じことは、福岡にも言えると思う。東京や大阪から、福岡だけを目指して行くというよりも、それならいっそ九州をグルッと回ってみたい、といった考え方になるだろう。

 

だから、12泊で行く観光地は、今年などの場合は大体穴場になると思う。海外へ出かけるのでなければ、むしろ周遊が可能な瀬戸内海を巡る旅とか、東北一周の旅といったコースがメインだろうと思う。

 

 

(奥入瀬渓谷/青森県)

 

こんなに長いゴールデンウィークになるケースは滅多にないだろうけど、それでも45泊できる機会があれば、国内旅行でも北海道や沖縄が人気になると思う。

 

バブル景気に沸いた時のように、お金をたっぷりとかけるような旅行は、もう考えにくいとしても、若い人たちはリーズナブルに宿泊しながら、見たい場所や、やりたいことを満喫できる旅を考えるだろう。

 

ということで、むしろ私たちのように、わざわざ混んでいる上に値段も高い時期に出掛けなくても良い世代は、こんな時こそ、空いた都心部の観光地(?)で、のんびりと過ごそうと思うだろう。

 

遠出をするとしても、宿泊費が高いこの時期には、泊まりがけで出掛けることは避けると思う。日帰りで行ける範囲での遠出なら、あまり暑くなければ行っても良いかな、という程度の発想になる。

 

それにしてもこの季節の京都は、さすがに〝冬枯れ″や〝夏枯れ″の時期ほどではないけれど、観光客も多くないし、紅葉の名所と言われる寺院などは、「青紅葉」が美しい季節である。

 

 

 

まだ浅い緑色に覆い尽くされた、東福寺の「通天橋」などはとても見応えがあるし、菖蒲の花などで知られる観光スポットも少なくない。ゴールデンウィークの前半なら、藤の花やツツジ・サツキも綺麗だろう。

 

 

(東福寺「通天橋」の青紅葉)

(平等院の藤/京都府宇治市)

 

長谷寺の牡丹や室生寺の石楠花など、奈良方面にも、この時期は花の名所が数多い。この辺りまでなら、京都からでも十分に日帰りができる距離だ。

 

 

(室生寺/奈良県)

 

暑くなるといっても、この季節ならちょっとしたハイキング気分を味わうことも、まだまだ可能だろう。

 

一度行ってみたいと思っているのが、奈良県と大阪府の境にある「葛城山」の山頂付近に広がるツツジの群落だ。この時期は、葛城高原が一面に赤く染まって見えるという。これは一度見てみたい景色だ。

 

 

(葛城高原のつつじ/奈良県)

 

私の子どもたちがまだ小さかった頃は、この時期、三重県の伊勢・志摩方面や、淡路島などに泊まりがけで出掛けたこともあった。今は、その子どもたちが孫を連れて旅行に出掛けている。

 

世代が変わったから、私たちは私たちなりに、のんびりと見物できる場所を探せばいい。ゴールデンウィークに、泊まりがけで出掛ける世代にとっては、穴場として紹介されている場所は、きっと行きたい場所ではないのだろう。

 

だからこその穴場なのだと思った。