デザインで 変わる仕事の 出来栄えも | がいちのぶろぐ

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環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

今日、午前中に奥歯を一本抜いた。以前からかなり傷んでいた歯だったので、いよいよ処置なしとなって抜くことになった。

 

8020という言葉があるそうだ。80歳で自分の葉が20本残っているように心がけなさい、ということだと聞いた。

 

私の世代は、そんな言葉など聞いたことがなかったように思う。歯が抜け始めたのは、20年ほど前からだった。その頃は、インプラントなどという洒落たものは、ほとんど縁がなかった。

 

何よりも当時は、とても高額だった。健康保険など効かないし、1本のインプラントが100万円単位という話だった。そんなお金を払うことなど、とても考えられなかった。

 

小学校時代の友人が、歯並びがあまりにも綺麗などで、思い切って質問したところ、それまでの入れ歯をやめて、多くの歯をインプラントにしたということだった。

 

それでも随分と安くなっていて、総額で100万円余りだといっていた。昔なら1本分の価格でできるようになっていることに驚いた。

 

それでも、この歳になって今からインプラントにしたところで、それも仕方がないだろうと思って、ずっと部分入れ歯のお世話になっている。

 

いずれは総入れ歯にせざるを得ないだろうけれど、その日が来るのが先か、天国からお呼びが来るのが先か、という問題だと思っている。

 

そんなことで、午後2時過ぎまで麻酔が効いていて、口がボンヤリと膨らんだような感覚が続いていた。ようやく麻酔が切れてきたので、少し柔らかめに煮込んだ〝うどん″を食べることができた。

 

今夜はお酒を控えるようにという、鬼のような宣告を受けているが。幸いなことに(?)夕方から会合があって、食事も中途半端な時間になりそうだし、何より会合の前にはお酒も無理だ。

 

今夕の会合は、このブログでも何度か書いたことがあるが、私が関わっているNPO団体が区役所の委託を受けている、飲食店や販売店向けの、外国人観光客の「おもてなしヒント集」の完成原稿のチェックである。

 

この冊子のデザイン・ワークが完了し、使用するロゴの使用許可や、掲載するリンクの許可も出揃い、デザイン・ワークが完了すれば受託した仕事が完成の運びとなる。

 

つまり今日の夕方の会合は、デザインを担当いただいた方から説明を受ける場になっている。昨日のうちに、メールで中味が送られてきており、私もそれを見ているので、ある意味で儀式のような集まりになるだろう。

 

それにしても、各ページの内容と見合った写真やイラストが散りばめられた結果を見ると、これまで単に文章を見ていただけだったのが、嘘のように立派なものに見えてきた。

 

これがグラフィック・デザインの凄さだと思う。グラフィックに限ったことではないが、デザイン一つで、出来栄えが変わるというか、とてもいい仕上がりにもなるし、一つ間違えばダサいものにもなってしまう。

 

デザイナーの力というのは、最終的に仕事を良くもするし、つまらなくもしてしまう。だから怖い。

 

随分前に、プロダクト・デザインや工業デザインを手掛けておられる、有名なデザイナーの方と話をする機会があった時に、色々な苦労話を聞いたことがあった。

 

伝統工芸と関連した分野の製品について、公募に応じた若手デザイナーの作品を審査していただくことになって、私がその審査会のお世話係のようなことを引き受けた時のことだった。

 

応募作品の中で優秀だった作品は、伝統工芸の作家が実際に制作して、展示会に並べられることになっていた。若手デザイナーにとっては、世の中に名前が出る機会である。

 

 

 

審査をされていた有名なデザイナーの方は、作品の見栄えが良いものであることは当然のこととして、使う人の立場に立って考えられているかを、随分厳しく評価しておられた。

 

絵画や彫刻ではなく、生活の場で使われる商品となるのだから、当たり前のことかもしれないが、横で見ていても、やはりそこが評価のポイントとなっているように感じた。

 

奇抜に過ぎれば、生活の中で使われた場合には、〝飽きる″時が来るかもしれない。といって、今までに、どこかで見たことがあるようなものでもいけない。

 

その時に、デザインというものの厳しさを見るような気がした。オリジナリティに溢れるものでありつつも、使い勝手もよく、〝飽きのこないデザインということは、私ごときが言うのもおこがましいことだし、簡単に発想できるものでもない。

 

どのような製品も、それを開発する段階で、デザイナーが協働作業を行って開発するようになってきている。技術者や開発担当者が意図することが、現実性があるものかどうかは、デザイン次第といってもよいから。

 

特に現在のように生活を楽しむ時代になれば、買い手の側の選択基準が昔とは異なっているだろう。だからこそ、デザインが重要だということだと思う。

 

今日の夕方に、「おもてなしヒント集」のレイアウトとデザインを担当いただいた方から、説明を聞くと同時に、苦労話も是非聞いてみたいと思う、

 

昨日送られてきた完成原稿を見た限りでは、文章だけをやり取りしていた時とは、全く見違えるような冊子に仕上がっていたから。

 

何よりも、限られた日数で作業をお願いしたことも、感謝しないといけない。今夕の会合は楽しみなものになりそうだ。