イタリアの暴力装置、愛するとは奪う事。いいえ、与える事です。その(73) | kyon2のブログ

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孫達「ねぇ、ブレッドお爺様ぁ、隠れんぼしましょう」

ブレッド「ああ、良いよ ^ ^

「僕が鬼になる!みんな隠れて~!」「わーーいっ!」


孫達は一斉に走り出し、物陰に隠れました。


ブレッドも、何時もの様にソファの陰に隠れたのですが


何故かその日は、あの部屋が頭に浮かんだのです。


ʕ̫͡ʕ̫͡ʔ̫͡ʔ̫͡


ブレッドは、何かに吸い寄せられるかの様に階段を昇り、部屋の前まで来ました。


カタリーナが亡くなって以来、この部屋には何度も足を運びました。


ドアを開けたら、カタリーナが立っている、そんな気がしたのです。


でも何度開けても、そこにカタリーナの姿はありませんでした。


「カタリーナ」と声を出しても、音が虚しく響くだけです。


冷え切った無機質な空間は、ブレッドの温もりや吐息まで、冷たく拒絶する様でした。


でも、その日は違っていたのです。


ドアの向こうに、温かい何かが待っている気がしたのです。


ブレッドは、ドアノブに手を掛け、開きました。


*・゜゚・*:....:*..:*・゜゚・*


「カ、カタリーナ⁉️」


そこには、認知症になる前のカタリーナが立っていたのです。


首に赤いマフラーを巻いて


(もしかして、死んでいなかったのか⁉️)

ブレッドは、思考回路がショートし、目の前の映像が理解出来なくなりました。


そして、次の瞬間!


「ああああ、う、うううぅぅぅ:(;゙゚'):


ブレッドは、身体をくの字に折り曲げ悲鳴を上げました。

心臓を鷲掴みにされた様な激痛が走ったのです。


床に倒れ込むブレッドを、カタリーナが優しく包み込みました。


カタリーナは、無言のままブレッドの瞼にキスをしました。


ああ、カタリーナの柔らかい口唇、この感触

ブレッドに懐かしい記憶が蘇ります。


気が付くと、さっきまでの激痛は嘘の様に消え、ブレッドの身体はカタリーナと共に天井近くまで浮いていたのです。


見下ろすと、横たわった自分の肉体があるのです。


それを俯瞰で見ている、もう1人の自分、いえ、意識の様なモノになっていたのです。


肉体と魂が分離したのです。


カタリーナは、自分のマフラーとブレッドのマフラーを一つに結びました。


そして、微笑むと天を仰いだのです。ブレッドも同じ様に天を仰いぎました。


そこには、一点の強い光が現れていました。


その光を見た瞬間!


光に向かって、物凄いスピードで昇天し始めたのです。


見下ろすと


マッタリアの居間で自分を探している孫達の姿、マッタリア家の屋根瓦、住み慣れたニューヨークの街並み


次第に雲に遮られ、地上の景色は見えなくなりました。


二人は更に上昇を続けます。


ブレッドとカタリーナは、比翼の鳥の如く一体化し、永遠の光の中に吸い込まれ、消えて行きました。


つづく。