ブレッドは、何時もの様に夜中に目を覚ましました。
カタリーナのベッドに目をやると、やはり空になってます。
ブレッド(ああ、また屋敷内を徘徊している…、連れ戻さなきゃ…)
でも、その日、ブレッドは直ぐには起き上がれませんでした。
毎夜繰り返されるカタリーナの徘徊に、慢性的な睡眠不足と疲労が重なり、彼自身も心身共に限界に達していたのです。
それでも、何とか鉛の様な身体を起こした時です。
カタリーナのベッドの上に、キチンと畳まれて置かれているマフラーに気付きました。
ブレッド(うん?これは?完成している…)
その時です。
嫌な予感と同時に、身体中の骨や筋肉を砕く様な激痛が走ったのです。
Σ(゚д゚lll)カタリーナの身に何かが起こってる…。
ブレッドは裸足のまま、いつもの部屋に急ぎました。
が、カタリーナの姿は、何処にもありません。
「カタリーナ⁈ カタリーナ⁈ カタリーナ⁉️カタリーナ⁉️」
尋常では無いブレッドの大声に、家族も飛び起きました。
家族「どうしたの?カタリーナが居ないの⁉️」
家族全員で屋敷内を探しましたが、何処にもカタリーナの姿がありません。
その時です。
クリス「玄関のドアの鍵が開いてる❗️」
カタリーナは、外に出て行ってしまったのでしょうか?
家族がカタリーナを探しに、外に出ようとした…、
その時です。
漆黒の闇を切り裂く様に、けたたましい救急車のサイレン音が鳴り響きました。
そして…、
その音は、意外な程近くで止まったのです。
ブレッド、そして、家族一同に戦慄が走ります。
もしかして…、
表情をこわばらせ、一斉に走り出しました。
そこには…、
横転した車と、呆然と立ち尽くすドライバー…、
そして…、
点滅する赤いライトに照らし出され、横たわっているカタリーナの無残な姿がありました。
「カタリーナ❗️」家族全員が駆け寄ります。
医師であるラファエロが近付き、脈を見ましたが…、もう脈はありません。
緊急搬送中、カタリーナに心肺蘇生術が繰り返し施されました。
ブレッドは半狂乱になり叫び続けます。
「カタリーナ❗️カタリーナ❗️カタリーナ❗️カタリーナ❗️
お願いだ、目を覚ましておくれ、僕を一人にしないでおくれ、僕は君が居ないと生きていけない…、戻って来ておくれ❗️」
しかし、ブレッドの願いは叶わず、息を吹き返す事はありませんでした。
即死だったのです。
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それは、カタリーナの自死だったのか、徘徊中の事故だったのか、誰にも分かりませんでした。
もしかしたら、カタリーナ自身も分からなかったのかも知れません。
加害者となった深夜ドライバーの証言では「道の真ん中に立っていた」そうです。
その道は急激な登り坂で、深夜になると加速するドライバーが多い事で有名な場所だったのです。
その事は、カタリーナも知っていました。
もしかしたら…、
編み上がったマフラーだけが、カタリーナの気持ちを知っていたのかも知れません。
*・゜゚・*:.。..。.:**:..。.:*・゜゚・*
この後、カタリーナを突然喪ったブレッドは、精神を病んで行くのです。
つづく。
