パワーソリッド(ソリッドの真実) | 裏 D-TALK 紀伊半島ソルト&バスフィッシング

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和歌山県田辺市に生息中のインディーズアングラー&ルアーデザイナー 那須“D”大士朗のBlogです。

紀伊半島リザーバーでのバスフィッシングから豊かな海でのソルトフィッシングまで、釣りの事、ルアーの事サクッと書いてきます。

さてさてちょっと前から書いてるホーネットスティンガープラスのとあるモデル達について。

実はこのモデルはかなーーり実験機的な意味合いが強い。
あまり僕自身も触れて来なかったんやけど、今年のホーネットスティンガープラスのニューモデルにも【HSPC-6101MMHS】【 MGSHSPC-661MS MGS】と言うモデルでラインアップされております。

っでまぁ何も触れなかったのにも関わらず目の越えたアングラーの皆さんにはどうも気になるロッドらしくエライ良く質問されたり、また問い合わせも多いらしいのでこの際書いてみようかなと(コレ書くとグラスロッドについても聞かれそうな予感(笑))

確かもう去年くらいからテストしてんだけど、いわゆる【ソリッドティップ】を採用している。

けれども少し今までのソリッドとは違う所がある。
それはベイトのしかもけっこうパワーロッドにソリッドを使ってるって所。



この上から4番ガイドまでがソリッド・・・太っ!!


ソリッドティップと言えば繊細なロッド・・・スピニングやライトなベイトフィネスロッドなどに採用され、その操作感と食い込みの良さ?からライト系カリカリプロ仕様の最終兵器みたいなイメージがあると思う。

実際僕もそう思ってた。


テストで送ってきたロッドはパワー系のロッドで正直「何の意味あんの?」っとハナから否定的だったワケ。

けどね・・・違った。


パワーのあるソリッドティップの意味がちゃんとそこにあったんよね。
僕も根本的にあった固定概念を崩すと言うのは認めたくないモンやったんやけどけっこう反省しました(笑)

ここでソリッドのメリットって皆さん何と思います?

先に書いた繊細な操作性?それとも食い込みの良さ?
それは確かに間違いない。

けれどももっと違う意味がもっと根本的な所に隠されている。

一言で言えばソリッドティップって【強い】って事。
へ?っと思った人・・・考え方を変えて見よう(笑)

実はソリッドティップってのはその細さに隠れて勘違いされとる部分がある。
それは本来同径のチューブラーよりも遥かに破断し難いって事。

無垢素材のソリッドはその特性を生かされチューブラーでは出来なかった、“より細く出来る”って事を実現する為に使われ始めた。



パワーロッドなのにこの曲がり・・・



ところが本来凄く強いのに極限までに細くされた為に破断もしばしば(かく言うワタクシも何本折った事やら)悲しいかなソリッドティップ=弱いイメージが定着してしまった。

意味わかりますかね?
強い素材はより細く出来るってのはどんな素材でも同じ。
鉄ならアルミよりステンの方が細く出来る。
ステンよりさらに細くしたければチタンがある(あくまでも軽さなど抜きにした破断特性の極端な話よ)

本来ソリッドティップってのはめっちゃくちゃ強いのよ。
強いから細くするのに使われ始めた。

実際僕は昔・・・ホーネットキラービーシリーズの時にワンオフでフルソリッドロッドを作ってもらった事がある。
このロッド・・・ベイトフィネス用に作ったのだが一時期海のタイラバやイカメタルなんかに大活躍(笑)
まぁホンマに色んな重量範囲の釣りが出来た(ピュアフィッシングさんごめんなさい(笑))

っで何が言いたいかと言うとこのソリッドティップ・・・限界まで細くしなくても“適度に強い場所”でソリッドを採用するとどうなるのか?
一言で言えばめっっちゃくちゃルアーの適合範囲が広くなる。

例えば8gのルアー。
これに合わせてソリッドを組んでやる。
そして極端に言えば40gのルアー。
これに合わせてベリーからバットまで組んでやる。

するとなんともまぁこのロッドでそのまま8~40gまで投げれるロッドが完成する(極端に言えばよ。。)

小さな8gのルアーを使うならばソリッド部分で投げてる感じ。
逆に40gとなったら継ぎ目から下のチューブラー部分使って投げてる感じ。



現在僕はディープクランクに良く使うかな(ブリッツMAX-DRとの組合せは神)


通常のチューブラーならばこの8g対応のティップを採用すると極端なファストテーパーのロッドが出来上がり、40gのビッグベイト投げると間違いなく折れる。
けどソリッドだと同じファストテーパーでも折れない。

HP表記には繊細な食い込みとか書いてるけど、そりゃ同じような竿と比べりゃティップが入るのは間違いないがあのクラスのロッドになると正直食い込みの特性はそんな関係ない。
食い込み謳うのであればそれはライトロッドになる(っと僕は思う)

このロッドはね。
究極のバーサタイルロッドとして認識すべきやと思う。

実は上に書いた8g~40g・・・ これは参考的な重量やなくて実際僕がテストで行っていたルアーの実際のウエイト。
現在テストしているのは6101の少しショートバージョンの681MMHS。
まぁこれはあくまでテストの極端な使い方で、絶対に真似しないで欲しいのだがそれくらいに強い。(カタログ表記以上のルアー使って折れても対応しませんので悪しからず)

そしてどんなルアーに向いてるかって言われれば僕は巻物かなっと思う。

あくまでもソリッドティップのメリットが出る使い方と考えたらのハナシですよ。。
先に食い込みの良さってのはあんまり関係ないって書いたが止まってるルアーに対してバスがルアーを離し難いってのはもうこのクラスのロッドにはあんまり違いは無いと思う。ソリッドの意味はそんなにない。

しかし巻物になるとやはりソリッドの特性は出てくる。

チューブラーの場合曲がりに限界と言うものが出てくる。
竿がある程度引き抵抗によりトップが入り込んだ状態でそこからバイトによってもう一段階曲がり込む際にソリッドはチューブラーより入り込もうとする“余力”が存在する。

またグラス程では無いが反発力が低い為に、チューブラーよりもシャキッとしたフィーリングの中にストラクチャーへの絡みが良い。





そして制止状態で使うワーム、ラバージグなどにも全く問題なく使う事が出来る。
先に書いたようにこの使い方はソリッドのメリットは少ない。
けれども別にソリッドを採用していても問題は無い。

先に書いたけどキャストに関しては投げれるルアーの範囲は確実に広いのでそれをプラスアルファと考えたらどちらの使い方も結局アリとなりますわね。

コレがパワーソリッドの真実。

まさにピュアフィッシング開発陣が世に問うた実験機やけど、こんな面白いモンから色んなモノが見えてきたりするんよね。

しっかしまぁこんなの良く市場に出そうとしたモンやね。
釣具屋で触っても違いがワカラン典型的なロッドやもん(笑)


ちなみに上に書いたバーサタイルな要素を考えれば特にオカッパリなんかはめちゃくちゃ使えると思いますよ!!!