週末は猫を見に(映画アリス編) | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

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さて「Alice in DreamLand」の感想ですが。

■ストーリー
「不思議の国~」と「鏡の国~」の後日
本編は割合とアリスにしては健全な流れだったなと思います。“いかれ”が少なく、敵がはっきりしていたので。

ストーリーの軸を一般的な言葉で表せば、思春期の自己確立のための戦いだったり、大人になるためのイニシエーションだったり、英雄譚(の一部)だったり、僕と契約して女王になってよ! だったりするのかも知れませんが、
色々と細かい解釈(妄想)ができそうで、ちょっと落ち着いたら考えてみたいです。次回観るまでに。

自分の中では未消化なのは、このあたり↓。
作中アリスにとっての、ではなく観てる自分の解釈が。
「闇」とは何か?
「女王」とはどういったものなのか?
「白/黒の騎士」の存在の意味は?
「物語」とは何か?


■ビジュアル
人形、美し過ぎてたまりませんね。顔も衣装も好みを抜きにしても素晴らしかったです。

頬の色や掌の赤み、左右非対称の瞳、アリスの困り眉、ユニコーン(人型)の完璧なフォルム。ベッチンの上着、ディードルディー&ディードルダムの線対象な
靴下、レエスとリボンと時計(勿論アリスにも)。健康的な耽美。

硲の中で文楽はアニメーションなのですが、それに近い範疇の、あきらか不自然な固体なのに、より以上の魅力を持ち自然な生命体である、あれです。

作中の動きは、自然なところとシュールなところが相俟ってます。人によって好みが分かれるかと。
でも白兎の耳とチェシャ猫の尾は萌ポインツ。
動きの激しかったドラゴン(?)も観察したかったです。

■声
プレスコという声先な製作手法だそうです。(普通のアニメは絵先なはず)
役者さんの特徴が更に出るってことでしょうか。

アリス役の内田彩氏の声がやはり可愛い。単純な感想で申し訳ない。一声目はアリスに対してちとアニメ声過ぎないかと思ったのですが、作品進むにつれてそんなこともなく。やはり好みだなぁと思いました。(何回やっぱりと言うのかw)

闇役の一条和矢氏。本当に誰おま状態。
高音一条も数作品聴いたことがあり硬質なタイプの印象だったのですが(声の輪郭の切断面がはっきり楕円形)、闇の声はちょっと違いました(輪郭が拡散してる系)。最後の叫び以外、判別は難しいかも。


■音楽
間違いない。


■劇場
新宿南口が最寄りかと。三丁目からでも地下通路で近くまで行けるのでアクセス良好。整理券待ちが建物内の階段だったので助かりました。
最前列でも少上向きでしたが首のつらさもなく、音響、椅子の座り心地も良くて快適鑑賞でした。


■その他
今日の午後の部、山種美術館にて「美しさを突き詰めると女性男性ではなく中性にならざるを得ない」的なことを村上華岳が書いていたと読みました。午前の部のこの作品では当に。


写真は闇、チェシャ猫、赤と白の女王