2冊目。
「小さき日々」/吉屋信子/河出文庫。
未だ「花物語」に手を伸ばせず。これは今月の文庫新刊。
短編が上手い人は本当に文才が有るというが、これはまたまた。
「少女の友」掲載のイメージ的に、ふんわりお花とお菓子と詩の世界と思いきや、けっしてそんなことはありません。
幼さ、無知、高慢さがもたらす気恥ずかしさが書かれているから、ただのいい話ではなく、誰でもが共感できるだろう。
人は成長するものだよね、と美しきことばを噛みしめながら思う。
少女(まれに少年)の成長を描く作品が多いが、パッと何年も飛ぶ、この時間感覚が無駄が無くて好きだ。