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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

ウナギみたいな雲が出てますねぇ。
また気温が乱高下でしょうか。

それでは
気分もアップダウンさせる1冊をご紹介です。
文庫落ちとはいえ久々の新刊紹介だよ!


★「パラドックス学園」開かれた密室/鯨統一郎/光文社文庫。
パラドックス学園―開かれた密室 (光文社文庫)/鯨 統一郎
¥580
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●導入部あらすじ

パラドックス学園大学に入学したミステリー好きの1年生、ワンダー・ランド。

ところが目当てのミステリー研がなかったためパラレル研究会――通称『パラパラ研』に入部することに。

その頃、ワンダは自分の記憶が曖昧であること、自分以外の何人かの記憶を持っていることに気付く。
記憶の謎を解明するため、また憧れの部員達と共にいるためにパラパラ研にてパラドックスを研究する活動に勤しむのであった。

そしてパラパラ研の新しい部室を巡って事件が……




●本書の特徴 2点。

1 登場人物の名前がミステリー作家と同じ。

パラパラ研には
イギリス人のコナン・ドイル、アガサ・クリスティや、
フランス人のモーリス・ルブランがいます。
同期入部はカー。
親玉の部長は必然的に○○○○・○○○・○○です。
学園長も凄ければ、事件発生後に駆けつける刑事の名前も凄い。「虎の首」読まなくちゃ。



2 パラパラ漫画

実物を手に取ったかたは百も承知ですが、
文庫の見開きページ左下にパラパラ漫画があります。
ちょっと可愛く毒々しいパラパラミステリー漫画です。


●まとめ

鯨統一郎のバカバカしさと論理(詭弁?)が上手く活きた1冊だったと思います。

事件はパラパラ研を軸に密室らしい密室で起きますが、序盤から解決に至るまでマニアックこの上無く、人によって評価が完全分かれるでしょう。遊びすぎ、とかね。

自分は大好きです。
実はメイントリックが発動しなかったのですがw、それでも心意気を讃えます。
読み途中に何度も壁に叩きつけかけた「鬼のすべて」を書いた人とは思えません。


新本格という古典派が好きな方にオススメです。