最近の安倍総理の言動を見ていて思い出すのは、就任直後のオバマ大統領のことです。
5年ほど前のことでしょうか、オバマという政治家が忽然と米国大統領選挙に登場したのは。話を聞いていると何か大きな希望を抱かせる候補者のように見えました。しかしながら、多くの米国民は裏切られたと感じているはずです。
米国で最も高名な歴史家の1人にハワード・ジンという人がいますが、彼は、2008年11月4日の大統領選挙の数日後に、ニューヨーク北部のビンガムトン大学で「戦争と社会正義」という講演をしています。彼もオバマ大統領に期待した人の一人だったようですが、オバマにはがっかりさせられたようです。
その講演の内容を聴くと彼が有能な話し手であることがわかります。オバマを支持している人が大勢いる中で上手に批判しています。
安倍総理もアベノミクスとやらで多くの日本国民に期待をもたせていますが、やり方はオバマと同じようなものとしか見えないので裏切られたと感じることになりそうです。
ハワード・ジンが講演の中で、”7000億ドルを頂上に注いで、おこぼれで下々が潤うのを待つより、じかに底辺層を救うべきです。・・改革を唱えながら古い政策にしがみつくのは改革ではありません。”と語っているように、選挙のときの約束はすぐ忘れ、国民とは全く異なる別の「権力者」の意向に左右されるのです。先ずはハワード・ジンの講演に耳を傾けてください。