エジプト考古学博物館について書こう。

この博物館にはエジプトが長い歴史の中で紡いだ至高の美術品が山ほど収蔵されている。


ちなみに現在新しい博物館:大エジプト博物館が絶賛建設中である。こちらの方に主だった美術品は移してしまうらしい。本来なら私が行った頃には完成しているはずだったのだが…現在も未完のようだ。



この博物館の目玉はやはりツタンカーメンの黄金のマスクである。

あのマスクは人智を超越した存在の顔つきそのものであるように思えてならない。

あまりに美しく整っていて、人間臭さが全くない。どこまでも澄んだ、何者も寄せ付けない神々しさを湛えている。

血の通う生臭い人間がどうやってここまで洗練されたものを作り出せたのか不思議だ。

古代の物であるのに、全く古びていない。

老いること、崩れていくこと、衰えること。

そういったものの一切を超越している。

肉体の脆弱さを脱ぎ捨てて、ファラオは神そのものであったのだと納得させる力がある。


残念ながら撮影禁止なので写真は無い。

(張り付いている係員の隙をついて隠し撮りする人は後を絶たない)



黄金のマスク以外にもツタンカーメンの棺や副葬品は必見だ。私はこのアヌビスの乗った厨子に一目惚れした。翌日に模型を求めてハン・ハリーリの市場を探し回った。

ぼったくりに遭いながらも模型を手にできて本当に満足している。


黄金の玉座も見逃せない。アクエンアテンの時代を経て、従来の伝統と革新的な画法が溶け合ったデザインが飾る輝く玉座である。


ツタンカーメンに関する副葬品を眺めているだけでも、エジプトに来た甲斐があったと思える。

どうか本物を目にしてほしいと思ってやまない。