Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く -30ページ目

Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く

大好きなロシアのロックを毎日せっせと訳しています。リクエストも受け付けますので歌詞を知りたいロシア語曲がありましたらお気軽に!

iPhoneユーザーさんいらっしゃいます?
Деткие песни(子供の歌)ってロシア語アプリおすすめです!
ロシアの古いアニメや児童向け映画の歌が無料でたくさん聴けますよー。
ピェローくんソロがはしょられたのは残念だがブラチーノからも数曲。
ブラチーノのサントラはロシアでは定番の有名曲ぞろいだそうです。
なのにどうして日本では無名なんでしょうね……せめてDVD化しようよ。

ピェローくんソロの素敵なカバー見つけたよー! 



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ピェローくんの格好で踊ってるのはНепоседыという児童音楽アンサンブル?の子で、
歌手はтамара Гвердцители(タマーラ・グヴェルツィチェーリ)さん。
このカバーで初めて知ったけど大御所っぽい?


前回の2/11その二にちょっと訂正。
パパ・カルロと抱き合いながらブラチーノが言う最後の科白は、
「コオロギ、ねえコオロギ。決めたよ。明日から僕は人間になるんだ。」でした。

では続きを。6:46からです。



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「ブラチーノは読み書きの本を売って人形劇場のチケットを買います」

パパ・カルロに見送られて学校に向かうブラチーノ。
原作だとパパ・カルロの住む部屋は「階段の下」でしたが、
絵面の関係か階段の上に変更されています。

猫のバジリオと狐のアリーサが早速登場、物乞いしています。
photo:01

ちなみにロシア語で狐はлиса(リーサ)です。だから名前がАлиса(アリーサ)。
人形以外はおっさんばかりのこの映画では貴重な美女要員です。

学校に行くはずが人形劇場に行ってしまう展開はピノッキオオリジナルと同じ。
映画では華々しいパレードのシーンも加わります。
1939年のプトゥシコ版も豪華でした。

人形劇場の座長で人形博士のカラバス・バラバス登場。
photo:02


劇にみなさんを招待しましょう
見どころが盛りだくさん
私の愛しい人形たち
実の息子や娘のよう

みなさんに劇をお見せしましょう
ああ なんて素晴らしく
ええ とても楽しくて
おお 実に素敵です

(人形達)
万歳 勇ましい我らがカラバス
その髭の下は居心地がいい
決して僕らを苦しませない
僕らの優しい先生

老いも若きもお聞きなさい
私によくしてほしければ
あなたの金(きん)を寄越しなさい
それと銀もお忘れなく

みなさんに劇をお見せしましょう
ああ なんて素晴らしく
ええ とても楽しくて
おお 実に素敵です

(人形達)
万歳 勇ましい我らがカラバス
その髭の下は居心地がいい
決して僕らを苦しませない
僕らの優しい先生


Я на спектакль вас приглашаю
Там будет множество затей
Я этих кукол обожаю
Как будто собственных детей

Мы вам покажем представленье
Ах это просто загляденье
Эх это просто наслажденье
Ух это просто объеденье

Да здравствует наш Карабас удалой
Уютно нам жить под его бородой
И он никакой не мучитель
А просто наш добрый учитель

Эй старики и молодые
За то что я творю добро
Гоните ваши золотые
И не забудьте серебро

Мы вам покажем представленье
Ах это просто загляденье
Эх это просто наслажденье
Ух это просто объеденье

Да здравствует наш Карабас удалой
Уютно нам жить под его бородой
И он никакой не мучитель
А просто наш добрый учитель

こんな歌詞を歌わせながら、
カラバス・バラバスは人形達を紐でつなぎ、
檻を思わせる荷台の人形達はみな陰気な顔で操られているというこの演出!
photo:03


パレードの車にはピェローくん(ピエロをあえて露語風に)と、
青い髪の少女マリヴィーナと忠犬アルテモン(黒服の少年)も乗っています。
photo:04


人形ではないのでつながれていなかった犬のアルテモンが、
こっそりとマリヴィーナの紐をハサミで切ると、
息を吹き返したかのようにマリヴィーナは顔を上げ、
興味津々で見守っていたブラチーノに「黙ってて!」と指で示す。可愛い。
ウインクを返すブラチーノ。可愛い。

学校から始業の鐘が鳴り響くが、
「見に行っちゃいけないものなの?
 ちょっと覗いてから学校に行こう。
 学校はどこにも行かないさ。」と、
ブラチーノは自分に言い聞かせて見せ物小屋に向かう。

「急いで! 急いで! カウンターでチケットを買ってください!」

カウンターにて。
「一番前の席のチケットをください!」
「4ソリダよ。」
「4ソリダ……どこからその4ソリダを手に入れたらいいんですか? 教えてください!」
「どこからだって? 分厚い財布からよ、賢い子!」

カウンターのおばさんにからかわれても諦めないブラチーノ、
こっそり潜り込もうとするけど見つかってつまみ出されます。
今度は分厚い財布を腰に下げた男の子に、
「4ソリダちょうだい! 財布を家に忘れちゃったんだ。」
「馬鹿を探せよ。」
「じゃあ僕の上着と交換して! 悪くないでしょ?」
「紙の上着が4ソリダだ? 馬鹿を探せよ。」
「ならこの素敵な帽子でどう?」
「そんな帽子じゃおたまじゃくしを捕まえるのがやっとだろ、馬鹿を探せよ。」

とうとうブラチーノは読み書きの本を広げて見せます。

「何だそれ?」
「たったの4ソリダだよ!」

貴様、パパ・カルロが上着を売ってまで買ってくれたのにそんないい笑顔で……。
photo:05



2/11はここまで。
次回、「喜劇の途中でブラチーノはステージに乱入します。」
「ブラチーノの冒険 1/11」の初っ端で、
「ショタはもちろんロリもおじさまもそしてコケティッシュな美女まで登場! 
 あらゆるニーズに応えてくれるとっても素敵な映画です!」と書きましたが、
そういえば若手のイケメン男優出てこねーわあらゆるニーズに応えてないじゃん!と
今頃気付いたサーシャです。オイヨイヨイヨイ。
(ロシア語で「やれやれ」の「Ой-ой-ой-ой」が可愛いとかねがね思ってるんですが、
 カタカナにすると可愛くなくって実に残念である、オイヨイヨイヨイ。)


2/11の続きの前にブラチーノ発生動画をご紹介。
1/11で歌詞の日本語対訳を載せた主題歌のロックアレンジです。
但し二番と三番の歌詞が入れ替わってます。



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メンバー総出でコスプレまでするとは……いいぞもっとやれ。
日本でもこんくらい本気でおバカなPV作ってくれたらいいのにー。


さて2/11の続きを。1:34からです。



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「喋るコオロギはブラチーノに賢い忠告をします」

パパのいぬ間に手回しオルガンで遊ぶブラチーノ。
ジョゼッペさんに「手回しオルガンが壊れちまった」と言ったわりには
壊れてなさそうよパパ・カルロ?

それにしてもブラチーノ可愛い。
photo:01



喋るコオロギがブラチーノをたしなめます。
photo:03

「何度も言ってるだろう、ブラチーノ。
 手回しオルガンに触っちゃいけないよ。古いものだし壊れてるんだ。」
「どこも壊れてないよ。」
「年老いた父親のことを考えなさい。今やお前はカルロにとって唯一の希望なんだよ。
 手回しオルガンがないと物乞いして回らなければいけなくなるんだ。
 飢えと寒さで死んでしまうよ。」

「死にっこないよ!」

「ああ、哀れなカルロ。どんなにか助手をほしがっていたことか!
 一緒に家々を回って歩くんだね。」

「家々だって!」
大笑いしたはずみでブラチーノは壁に後頭部をぶつける。

「年上に逆らうんじゃないよ。」

ブラチーノは手回しオルガンから離れる。
「うんざりだ!」

「パパ・カルロはどこ? おなか空いた!」

布に描かれた暖炉と鍋の絵を本物だと思って駆け寄るブラチーノ。
尖った鼻で布に穴を開けてしまう。
ここまではピノッキオオリジナルと同じですが、
ブラチーノが穴から覗いてみると布の後ろに何やら扉が見えます。

「綺麗だなあ!」

「ブラチーノ、言葉遣いには気を付けなさい。ろくなことにならないから。」
ブラチーノは何か言い返しますがヒアリングできず。オイヨイ。
「わしはこの部屋にもう100年も住んでいるのだ。」
「100年!? もう十分だろ? 今は僕が住んでるんだから!」
「聞きなさい、ブラチーノ。いたずらはやめて学校に行くんだ。」
「まだ言う気? 放っておいて!」
「そうかい、なら好きにしなさい。お前がどうなろうとわしには関係ないしね。」
「どうして?」
「何故かって? お前には木でできた愚かな頭しかないからさ。」
「また馬鹿にしたな!」
怒ったブラチーノは槌をコオロギに投げつける。
「老いぼれの虫けらめ!」

ピノッキオオリジナルだとこの槌が直撃しコオロギは死んでしまいますが、
ぎりぎり外れてなんとか無事だったコオロギさん、
割ってしまったつぼを片づけようとするブラチーノを笑います。
「恐ろしい冒険がお前を待っているだろう、ブラチーノ。」
「まだいたの!」
「哀れな子だね、ブラチーノ。お前は泣く羽目に陥るだろうよ。」
「行っちまえ!」

コオロギ退場。入れ替わりにシルエットと声のみですがネズミ登場。
前半はいまいちヒアリングできませんでしたが、
100歳の何とかがどうとか言ってて、
ブラチーノが「この家の主人は僕だ。」と返したり、
「この家のパン屑は全部私のものだ! 食ってやるぞコオロギ!」とか言ってますので、
おそらく食糧を取り合っていたコオロギの後釜がブラチーノなのだと勘違いしたのかと。

襲われてネズミの穴に引きずり込まれそうになるブラチーノ。
「助けてパパ・カルロ!」

間一髪のところでパパ帰宅。ブラチーノを救出します。

「まったくお前は……馬鹿な子だね。」

原作どおり、パパ・カルロは生のタマネギを買ってきてブラチーノに食べさせます。
他に何かなかったのか?

新しいぽんぽんつきの三角帽をかぶって喜ぶブラチーノ。なんて可愛いんだ!
photo:02

「それは何?」
「読み書きの本だよ。これを持って学校に行きなさい。」
読み書きの本も可愛かー。ほんと細部までこだわってるなあ。

「パパ・カルロ、コオロギにも学校に行けって言われたよ」
「そのとおりだ。ぼうや、コオロギはとても賢いんだ。言われたとおりにしなさい。」

「パパ・カルロ、ジャケットはどうしたの?」
「気にするな。しっかり勉強するんだよ。」
ブラチーノはパパ・カルロを抱きしめる。
「売っちゃったんだね。
 大丈夫だよ。ちゃんと勉強して大きくなったら、新しいジャケットを千着買ってあげるから。」
息子を抱きしめ返すパパ・カルロ。
「コオロギ、ねえコオロギ。僕は人間になってみせるよ!」
(ここの科白も全部はヒアリングできず……でもだいたいこんな感じのはず。)

このシーンのパパ・カルロの表情が絶妙すぎてね、もうね。
抱いてくれ!って言いたくなりますね。但し性的な意味ではなく。

ブラチーノも一体この子どんだけの数の子役の中から選び出されたのか。
当時9歳の映画初出演なのに何この安定感?
くるくる変わる表情に引き込まれます。
そりゃパパ・カルロも即座に親馬鹿と化すわ―。


まだちょっと残ってますが今回はここまで。
次回、「ブラチーノは読み書きの本を売って人形劇場のチケットを買います」
ここで売らなきゃ話が進まないとはいえブラチーノめ……。
タルコフスキー監督作品「惑星ソラリス」を見返したんですが、
ソラリスのクリスパパとブラチーノのパパ・カルロが同じ人だとは
とても信じられませんサーシャです。俳優ばすごかー。
余談ですがソラリスのクリス役の俳優さんとニコライさんは
親子設定なのに実年齢が4歳しか違いませんでした。
そしてさらに余談ですがクリスもブラチーノも声は別の俳優さんの吹き替えです、
ロシア映画ではよくあることよくあること。
この俳優を使いたいけど声だけイメージ違うの!ってことなのか?


クリスパパでパパ・カルロのニコライさんについて比較画像つきで語ろうかと思ってましたが、
比較画像キャプるのめんどいんでやっぱりブラチーノをもう少し進めときましょう。


「パパ・カルロはブラチーノに歩き方を教え、学校に通わせるべく教科書を買ってきます」



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長い鼻がくるくる巻き上がっているブラチーノをしげしげと眺めて、
「鼻が長すぎるかな?」とパパ・カルロはのみをかざすが、
ブラチーノはいやがって顔を背け、手で鼻をまっすぐに伸ばします。

ピノッキオオリジナルでは嘘をつくと鼻が伸びましたが、
ブラチーノの冒険ではその設定が取っ払われてます。
むしろ長い鼻はブラチーノのお気に入り、チャームポイントです。

「さて、お前に何ができるか見てみようか」とパパ・カルロ。
ブラチーノが自分で作業机から椅子に飛び降りてみせると感嘆し、
「もう一回!」と床を示す。
ちゃんと床に降りられたブラチーノに、
「こうするんだ。いち、に」と自ら実演しながら歩き方を教える。
「うまいぞぼうや!」
そのまま走り始めようとするブラチーノの頭を押さえて「ストップ!」
床に膝をついてブラチーノと目線の高さを揃えてから、
「お前は学校に行かなきゃいけないよ?」
パパ・カルロの仕草がいちいち優しいのがとてもいい。
「学校に行くなら読み書きの本がいるな……読み書きの本か……」と呟きながら部屋を見回して、
ドア近くにかかっていた自分のジャケットを取り上げる。
「家にいなさい。すぐに帰ってくるからね。」
従順に頷くブラチーノ。パパ・カルロいったん退場。

ピノッキオオリジナルだとジェッペット父さんはかなり怒りっぽく書かれていて、
制作中に人形の目が動いて自分を見ていると知ると、
「しゃくにさわったらしく、おこった口調でいいました。
『この木のくされ目玉め、なぜわしをじろじろ見るんだ?』」(岩波少年文庫)
しかしブラチーノ原作の同じシーンでは、
「カルロは驚いた様子も見せず、ただ優しく訊ねました。
『木の目玉よ、何だってそう変な目つきでわしを見るんだい?』」
ずいぶん柔和ですね。
プトゥシコでもアニメでもこの1975年版でも、
パパ・カルロは息子に甘くて体罰など絶対にしなさそうな優しい老人です。

ピノッキオオリジナルでもブラチーノ原作でも、
歩き方を覚えるなり人形は外に逃げ出してしまい、
捕まえようとしたパパが逆に警察にとっ捕まりますが、
上記の映像化三本すべてでそのシーンがはしょられます。
ブラチーノは家にとどまり、
パパ・カルロは息子のために食べ物と教科書を買うべく外出する。

1939年のプトゥシコ版パパ・カルロ。
photo:01


1959年のイワン・イワノフ=ワノ版パパ・カルロ。
photo:02


製作過程が楽しいのはプトゥシコ版がダントツかと。
いろいろ試行錯誤中なのですが画像サイズはこれくらいがちょうどいいかな?


保存し忘れて書きかけの記事を消去してしまい心折れたのでいったんここまで。
次回、2/11の続きです。
「喋るコオロギはブラチーノに賢い忠告をします」
ロシア版ピノッキオ「ブラチーノの冒険」の1975年版実写映画を、
日本人用におおまかな解説付きで紹介させていただきます!
ショタはもちろんロリにもおじさま趣味にも対応、
コケティッシュな美女まで登場しありとあらゆるニーズを満たしてくれる、
とっても素敵な映画です! ひどい説明だね!

オリジナルである「ピノッキオの冒険」(岩波少年文庫)も買ってきましたよー。
うわぁ……そうだ私、小学生の頃に読んでトラウマ化してたんだっけ……そ、それはさておき!
A・トルストイの原作小説やピノッキオオリジナル、
日本語字幕付きで視聴可能なイワン・イワノフ=ワノ監督のアニメ(1959年)、
プトゥシコ監督の半パペット映画(1939年:英語字幕でならつべで見れます)と比較しつつ、
私に可能な限り詳しくかつ愛を込めて紹介していけたらと思います。
と言っても残念ながら私はヒアリングがいまいち苦手なので、
科白に関しては「このシーンではだいたいこんなこと言ってます。」程度のざっくりさです。
あらかじめご了承ください。


YouTubeに高画質でUPしてくださった方本当にありがとう!



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公式がまとめてUPしたバージョンもあるんですが、
当ブログでは全11パートに細かく分割されているほうをあえて使わせていただきます。


一度聴いたら耳から離れなくなるブラチーノのテーマソングとともに、
子供が描いたとおぼしき各シーンの絵が次々と流れてくるオープニング。
絵はもしかしたら公募だったのかな? いいねいいね否応もなくテンションが上がるね。


ブラチーノの歌

おとぎ話のように家を訪ねてくるのは誰?
子供の頃からみんなのお馴染みなのは?
学者じゃない 詩人でもない
なのに世界中を魅了する
そこかしこで有名至極
さあ 彼の名前は?

ブ! ラ! チ! ノ!
ブラチーノ!

お洒落な帽子をかぶってて
敵がいようが何のその
悪者たちの鼻を明かして
友達を笑い転げさせる
すぐに会えるよ
さあ 彼の名前は?

ブ! ラ! チ! ノ!
ブラチーノ!

彼の噂で持ちきりだ
おもちゃじゃないよ 彼は生きてる!
手には幸福の鍵
なんてついてる子だろう
誰もが彼の歌を歌うんだ
さあ 彼の名前は?

ブ! ラ! チ! ノ!
ブラチーノ!

Песня Буратино

Кто доброй сказкой входит в дом?
Кто с детства каждому знаком?
Кто не учёный, не поэт,
А покорил весь белый свет,
Кого повсюду узнают,
Скажите, как его зовут?

Бу! Ра! Ти! Но!
Буратино!

На голове его колпак,
Но околпачен будет враг,
Злодеям он покажет нос
И рассмешит друзей до слез,
Он очень скоро будет тут,
Скажите, как его зовут?
Бу! Ра! Ти! Но!
Буратино!

Он окружён людской молвой,
Он не игрушка - он живой!
В его руках от счастья ключ,
И потому он так везуч,
Все песенки о нём поют,
Скажите, как его зовут!

Бу! Ра! Ти! Но!
Буратино!


……ロシア以外じゃ無名じゃねブラチーノ?と突っ込み入れるのは野暮というものだろう。


「人間の声で喋る丸太を手に入れた家具職人のジョゼッペは、
 その丸太を友人の辻音楽師カルロにプレゼントします。」

導入部はピノッキオオリジナルとほぼ同じ、
但し主要な人物名と職業が変わります。
オリジナルではピノッキオパパの名前だった「ジョゼッペ」が、
魔法の丸太を友人に押しつけ……や、プレゼントする家具職人の名前になり、
ブラチーノのパパはオリジナルの作者名から「カルロ」と名付けられました。
オリジナルでは職業不明だったパパが手回しオルガン弾きの辻音楽師になったのは、
ロシア版ラストに向けての伏線あるいは単に作者の趣味でしょう。

丸太を検分する家具職人ジョゼッペさん。
あだ名がСизый Нос(赤鼻)なのはオリジナルのままだが、
酒飲み設定が加わってるあたりまさにロシアである。

Эта музыка будет вечной-ジョゼッペ

「悪くないな、机の脚かなんか作れるだろ。」と
ひとりごとを言いながらジョゼッペは丸太に斧を突き立てるが、
「痛い!」と悲鳴が上がったもので驚いて腰を抜かす。
そこに騒ぎを聞きつけた辻音楽師のカルロさん登場。

Эта музыка будет вечной-カルロ

「何座り込んでんだ?」
「ね、ねじを落としちまったのさ。」
「こっちは手回しオルガンが壊れちまってな、どうやって稼いでいけばいいのか。」
「じゃ、じゃあこの丸太をやるよ。」
「丸太なんかどうすればいいんだい?」
「人形を作って芸を仕込めばいい。」

「頭いいな!」と丸太は躍り上がる。

「丸太が喋ったぞ。」とカルロさんは何故か動じず、「その丸太をもらおうか。」
しかしいざジョゼッペさんが丸太を渡そうとしたら、
手を滑らせたのか落下した丸太がカルロさんの足を直撃。
怒るカルロさんにジョゼッペさんは必死で弁明する。
「俺じゃない!」
「気でも狂ったのか!」
「俺のせいじゃない!」
「じゃあわしが自分でやったっていうのか?」
「あいつだ、丸太がやったんだ!」
「この赤っ鼻が。おまけに嘘つきと来たもんだ!」
「何だと? 馬鹿にしやがって! こっちに来い!」
「お前が来い、その鼻引っこ抜いてやる!」
おじさん達は妙に楽しそうに喧嘩し始める。
丸太も興奮し「右だ! 左だ!」とはやし立てながらとうとう自ら乱入。
喧嘩両成敗と言わんばかりにふたりともぶっ倒れる。

「ジョゼッペ、生きてるか?」
「なんとか」

「仲直りしようか」っつって握手しようとしさらに抱き合うまではまあいいんだけども、
なるほど原作にも「老人たちは(仲直りして)キスし合いました」ってあるんだけれども、
50半ばのおじさんたちが額にキスして口にもしちゃうって何なのさ一体!?

それはさておき7:24から点灯夫達によるミュージカルナンバースタート。
意外と知られてない気がしますが、
ロシアのアニメや児童向け映画は登場人物がやたら歌ったり踊ったり半ミュージカル化してる作品が多いようです。
アニメソングに名曲も多し。チェブラーシカだけじゃないぞー。


点灯夫の歌

僕らは悪い人じゃない
夜ともなれば道を行く
颯爽たる点灯夫達
まるで魔法使い

前へ進もう 前へ 前へ
影に向かって 影へ 影へ
灯をともそう 灯を 灯を
昼間のように 昼間のように

かくれんぼはしない
真夜中の闇とは
あらゆる秘密よ 謎よ
光のもとに出ておいで


Песня фонарщиков

Мы люди неплохие.
Чуть вечер, мы в пути.
Фонарщики лихие,
Волшебники почти.

Припев:
Шагаем вслед, вслед, вслед,
Туда, где тень, тень, тень.
Да будет свет, свет, свет.
Как будто день, день, день.

Мы не играем в прятки.
С полночной тьмой, о нет.
Все тайны и загадки
Пожалуйте на свет.

Припев.
Шагаем вслед, вслед, вслед,
Туда, где тень, тень, тень.
Да будет свет, свет, свет.
Как будто день, день, день.


おそろしあなんて言わせない!


そしてこの映画で唯一中に人がいないコオロギが奏でるバイオリンの音色に合わせて、
カルロさんのソロも始まります。
アニメではちゃんと描かれていたブラチーノ制作シーンは巧みにごまかされますが、
実写なのでそこはまあ致し方あるまい。


パパ・カルロの歌

匂い立つ巻き毛 かんな ナットから
年老いた私の助手 あなた方にとってはお楽しみ
木の人形がもうすぐ生まれる
私の奏でる手回しオルガンで彼は踊るだろう

ほぼ完成だ きれいな人形
私の希望 服を与えよう
悲しみから救いたまえ 飢えを癒したまえ


Песня Папы Карло

Из пахучих завитушек, стружек и колечек,
Мне помощником под старость и на радость вам
Скоро-скоро деревянный выйдет человечек,
Будет с кем мне под шарманку топать по дворам.

Вот уже почти готов он - добрый человечек,
Я вложу в него надежду и одежду дам,
Он спасёт нас от печали, от нужды излечит,
Будет с кем мне под шарманку топать по дворам.


おそろしあなんて言わせないぞ!


そして鈴のような笑い声と共にブラチーノ誕生!
夜明けの日射しを一身に浴びながら生まれるこの演出いいね!!!!

Эта музыка будет вечной-ブラチーノ1

惜しげなく腹チラしてくれる衣装と言いトレードマークである鼻の形と言い
かんなで削った木っ端をイメージした髪型と言い、
このブラチーノのキャラデザ非の打ちどころがありませんな!

それにしても。

ビフォ―
Эта музыка будет вечной-丸太

アフター
Эта музыка будет вечной-ブラチーノ2

辻音楽師なのに器用すぎるだろパパ・カルロ!!


1/11はここまで。おつきあいくださりありがとうございます!
次回は2/11です、といいたいところですが、
その前にパパ・カルロ役の俳優さんについてちょっと語らせていただく予定です。
見覚えのある方もいらっしゃるでしょう、
彼はタルコフスキー常連俳優のニコライ・グリニコさんです。
ストーカーの教授でソラリスのクリスパパじゃんパパ・カルロ!
やーブラチーノではあまりにも優しい目をしていたからしばらく気付かんかったわー……
(このブログでは「ユーリャ」と名乗ろうと思ってましたが
 どうしても「サーシャ」のほうがしっくり来るので改名っつか元に戻します。)


1975年版のブラチーノ好き好き大好きピェローくんかっわいー!と
つべのリンク貼りまくりつつツイッターで呟き続けてるサーシャさんですこんばんは。
ごく数人とはいえフォロワーさんに興味持っていただけたよУраааа!!!!


前回の記事で「次回からブラチーノの冒険を紹介させていただきます!」と書いたものの、
ミュージカルナンバーっつの? とにかく歌の歌詞の翻訳にてこずっているため、
とりあえず字幕つけてニコニコにうpり済みだったСлот(スロート)のPV貼っときます。
そういえばブログでは紹介してなかった。









ブログ上だとサイズが小さめなので
ダブルクリックでニコニコに行っていただければ。

メンバー構成については「レゴ」の動画説明文を参考にしていただければ。
主に男女ボーカルのおふたりが殺し合ったり何なりと、
メンバー総出でぶっとんだPV作ってくれるとっても素敵なバンドです。
日本のバンドもこれくらい本気で遊び倒してくれればいいのにー。


あと今気になってるバンド、ロシアのヴィジュ系AKADO。字幕はまだつけてませんが。



唄うたいの性別どっちよ!?と二日くらい悩みとおしたものである。
とある動画の説明文にも英語で「ニキータ(ボーカル)は男です」とわざわざ注釈あったわ―……。

……バンド名のAKADOね、ロシア読みすると「アカーダ」なんだけどね、
これ元は漢字なんよ。この人たち(特にボーカル)超親日派で日本のサブカル大好きらしくって。
「赤い道」の意なんだってさ。
違う、それは「あかどう」ではなく「せきどう」と読むんだ……。
なんて残念なイケメンなのニキータ君、そういうの嫌いじゃないぜ?

次こそブラチーノ!