エメラルドの都の魔法使い 1.魔法の国のエーリ 2/3と3/3 | Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く

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大好きなロシアのロックを毎日せっせと訳しています。リクエストも受け付けますので歌詞を知りたいロシア語曲がありましたらお気軽に!

この「エメラルドの都の魔法使い」を日本で紹介するのっておそらく私が初めてっぽいんですよね。
することなすこと何もかもがマニアックすぎて同好の士にほとんど巡り会えずたいそう生きづらい人生を歩んできた私だが、行き着くとこまで行っちまった気がしてなりません。
や! 案外人のお役に立てているのかも知れないし楽しくお勉強できているんだからいいじゃないか! 


キャラが増えると歌詞も増えるテーマソングの「友達の歌」ですが、基本パートにきこりとかかしパートを加えて一曲にまとめたのをクララさんが歌ってる動画もあります。
(3月23日付「友達の歌」)
なななななんて恰好してるのクララさん!?と度肝を抜かれなくもなかったが、かかしコスがえらく愛らしいと思います。コスって言うな。



1. Элли в Волшебной стране 2 часть/1.魔法の国のエーリ パート2


00:28
- 叩くんじゃない! 間違った、つつくんじゃない! 僕は怖いやつなんだぞ!

00:41
- こんばんは。
- 何ですって? こんにちはって言いたかったんでしょ?
- まさしく。こんにちは。
- こんにちは。ね、あなた、切実な願いってない?
- もちろんあるさ! 竿の上に乗せてほしいんだ。
- ふふっ、あなたもう竿の上にいるじゃない!
- そのとおりだ。じゃあこうか、下ろしてほしいんだ。

01:18
- いち、に!

01:40
- 起きて!

01:44
- ストラシーラ。
(注:Страшила。形容詞страшный(怖い、恐ろしい)から発生した名詞で「怖いもの、お化け、化け物のように醜い人。」といった意味。)
- えっ? あなた、人を馬鹿にしたりして恥ずかしくないの?
- いや! 君のことじゃないよ! 僕の名前さ。ストラシーラ。
- ああ! 私はエーリよ。
- 僕はトトーシカ。
- 嬉しいわ、ストラシーラ。あなたの一番切実な願いを叶えてあげられて!
- いや! 僕ったらまたまたがった・・・・・・
- ふふふ!
- や、正しくは間違った、だ。僕の一番切実な願いはね、知恵を手に入れることなんだ。
- で、どこにあるの? あんたの知恵ってのは。
- ああ! 僕の頭には知恵の代わりに藁が詰まっているんだよ。

02:30
- エメラルドの都の魔法使いグドゥヴィンならあなたを助けてあげられるかも知れないわ。私達、ちょうど彼を訪ねていくところなの! よかったら一緒に行かない?
- そりゃあいい! 行こう!

02:47
- ほら、立って立って!
- 立つんだ!
- 立って歩くの!
- これからどうするの?
- これから? えっとね。
- 後ろ足で歩くんだよ。
- そうよ。
- できないよ。
- いーち、今度は、に!
- 僕、洗えてる! 間違えた、歩けてる!
- すごいわ! 行きましょう。
- 行こう!

03:16
(友達の歌:かかしパート)
藁の詰まったこの頭じゃ
何も考えられないよ
ほんのちょっぴりでもいい
僕は知恵が欲しいんだ

04:01
- あら、あれは何?

04:12
- あなたがうなったの?
- 私、です。助けて、ください。
- どうすればいいの?
- 油を、差して、ください。私は、完全に、錆びて、しまった。油入れを、探して、ください。

04:46
- こっち来て。
- 今行くよ。

04:49
- よし。

どうぞ。

- こう、こう、こうやって。

- いい調子だ。

- こう!

05:19
- 何があったんだい?
- ある時、悪い魔女ギムゲーマが雨雲を差し向けたのです。雨が降りました。なんせ私は鉄でできていますからね。錆つくというのがどういうことだかおわかりでしたら……ありがとうございました。あなた方は私を救ってくださった。ところであなた方はどういった方なのですか?
- 私はエーリ。こっちは私の友達よ。
- 僕はストラシーラ。
- 僕はトトーシカ。
- 私は鉄の木こりです。
- 鉄の木こりさん、あなたには一番切実な願いってある?
- あります。秘密を打ち明けましょう。私には心臓がないのです。心臓を持つこと、それこそが私の一番切実な願いです。
- なら僕達と一緒に行かないかい? 行こうよ! 魔法使いグドゥヴィンは君に心臓を与えてくれるよ!
- 行きましょう!
- 行こう!
- 私はきっとみなさんのお役に立ちます!

06:27
(友達の歌:木こりパート)
私は鉄でできている
人の役には立てるだろう
だけど足りないものがある
それは人の心のあたたかさ

07:50
- 助けて! 助けて!

08:03
- 何があったんだ?
- エーリがさらわれた!
- どこに!? 案内してくれ、助けなければ!
- 探すんだよ、わんちゃん。探しておくれ。こうやって。
- 教えるなよ! 自分でわかる!

08:44
- ああ、水に入ったら私はまた錆びてしまう!
- もし僕に知恵が足りていたらこういうところなんだけど。木を切り倒せって。
- そのとおり! 実に正しいぞ!

09:24
- ちょっと待って、今……ほら!

09:53
(リュダエードの歌)
リュダエードの暮らしは厳しい
おいしい食事が待ち遠しい

強いやつ 太ったやつ 痩せぎすなやつ
大好物はちっちゃな女の子なのさ



1. Элли в Волшебной стране 3 часть/1.魔法の国のエーリ パート3


00:51
- くそっ、薪が湿ってやがる。

01:01
- よし、いい火加減だ。さて、どこかなお嬢ちゃん?

01:07
- 俺の指が! 放せ! 待ちやがれ! 待て娘っこ!

01:42
- 待て! 娘っこ!

01:50
- 出してくれ! 助けて! 許してくれ!

02:08
- 痛むのかい?
- ねえ、君はみんなを大事にしてくれているね。エーリも、僕のことも。君には本当に心がないのかい?
- 何言ってるんだ。私はただ、君達のことがとても好きなだけだよ。君こそよく木の使い道を思いついてくれた。リュダエードを転ばせたのも君だ。君には知恵があるんだろう?
- まさか! 僕はただみんなを助けたかっただけだよ。
- みんな素敵よ、すっごく!

02:52
(友達の歌)
エメラルドの都を目指して
困難な道を行こう
困難な道を行こう
曲がりくねった道を
秘められた三つの願いを
偉大なグドヴィンは叶えてくれる
そしてエーリは故郷に帰るの
トトーシカと一緒にね


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子供の頃からボームさんのオズに慣れ親しんでる日本のみなさんはさぞかし混乱していることでしょう。
しかしこれこそがロシアのオズの魔法使い、いやエメラルドの都の魔法使いなのである。
とりあえず第一話までをおさらいしてみると。

ドロシー:エーリ。おじさんおばさんとではなく実の両親とカンサスで暮らしていた。
トト:トトーシカ(トトちゃんとかそんな感じ)。オズでは喋らないのにエメラルド~ではしっかり口を利く。
かかし:オズでは名前がないがエメラルド~ではストラシーラという名前をゲット。
(アニメだと説明はないが、原作では「Я страшный!(僕は怖いやつなんだぞ!)」と喚いてカラスを追い払おうとしていたところから転じて「Страшила(ストラシーラ、怖いやつの意」という名前になった。)
ブリキの木こり:エメラルド~では何故か鉄製にマイナーチェンジ。

オズの魔法使い:グドゥヴィン。従って国名自体も「オズ」ではなくただ「魔法の国」と。
北の魔女:オズでは名前がないがエメラルド~ではビリーナ。それってボームさんのオズシリーズの黄色い雌鳥の名前やん。
東の魔女:オズでは名前がないがエメラルド~ではギムゲーマ。エーリを魔法の国に連れてくる嵐(オズでは竜巻)を引き起こした張本人になっている。
リュダエード:むろんオリキャラ。余談だがこいつ、エメラルド~原作では鉄の木こりに一刀両断されて往生しています。

他にもマンチキンの国がただ「青い国」になっていたり何なり、細かい違いを挙げていったらきりがないです。
なのに何故カンサス出身という点だけはそのままなのか。逆に解せん。

青と白のギンガムチェックのドレスを着ておらずおまけにポニーテールのドロシー、いやエーリのスカート丈がたいへん気になるものの、個人的にはかかし、いやストラシーラの造形がとってもお気に入りです。杭から下ろした時に中身の藁をぶちまけちゃうとことか。
長いアニメだし夏休み終わっちゃうしですぐには無理でしょうが少しずつ対訳つきで紹介したいです。
ユーリャさんの当面のライフワークとします。気長にお付き合いいただけたら是、幸い至極。