「筒井康隆漫画瀆本」(実業之日本社文庫)は、筒井康隆の作品を17名の漫画家がコミカライズした作品。
SF御三家のうち、小松左京は長編SF、星新一はショートショートSF、と言い表せられるのですが、筒井康隆の場合、一言では言い表せられず、その作品には他の二人とは違う「毒」を持っていて、魅了されました。
初めて読んだのはショートショート集「にぎやかな未来」。衝撃的でした。今回収録されている「池猫」が含まれています。作品のタイトルまで畳みかけてくる構成は秀逸。たちまちファンになりました。
以降、本屋で文庫本の新刊を見かけると即座に買ってその日に読破したのが懐かしいです(40年以上前の話w)。
今回コミカライズされた作品も一度は読んだ作品なので、当時読んだときのイメージと漫画家のイメージを比べてみるという楽しみも。
どの組み合わせもいいのですが、蛭子能収と「傷ついたのは誰の心」が一番合っているかも。
収録作品は次のとおり。
・相原コージ「死にかた」
・吾妻ひでお「池猫」
・いしいひさいち「大富豪刑事」
・内田春菊「ムロジェクに感謝」
・蛭子能収「傷ついたのは誰の心」
・加藤礼次朗「TROUBLE」
・喜国雅彦「鏡と薬と正義と女」
・けらえいこ「妻四態」
・三条友美「亭主調理法」
・清水ミチコ「傾斜」
・しりあがり寿「樹木 法廷に立つ」
・とり・みき「我が良き狼」
・ふくやまけいこ「かいじゅうゴミイ」
・まつざきあけみ「イチゴの日」
・南伸坊「禁花」
・矢萩貴子「セクション」
・山浦章「星は生きている」
・筒井康隆「アフリカの血」〈ボーナストラック、特別収録〉
今気づきました。表紙にひっそり「壱」の字が。シリーズ化されるということですね。続編「弐」が待ち遠しい^^。