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Genuine Savile Row(本物の背広)のブログ

スーツの解釈は様々です。

このブログではオーダー(カスタムメイド)スーツの話題を中心に私なりの見解を述べていきたいと思っています。

袖先フレアが印象的なテーラー&カッターの袖を検証してみました。
 
袖先フレアにするには肘を絞って袖先を広げるだけでは?
 
いえいえ、そんな簡単なことではありません。
肘を極端に絞ると着心地が損なわれますし、中のシャツが圧迫されて皺だらけになる恐れもあります。
 
ですから肘幅は体に合わせておいて、袖回りを何とかする、と考えるのが良いと思います。
 

手持ちのスーツで一番フレアに振ったサイジングはマーティンソンのベージ生地のもの。しかしフレア感はあまりないです。サイズを計ると、
袖幅15.5cm、肘幅(袖先から25cm)16.5cm
通常だと袖幅は14cm程度ですので、これでも大分広げたのですが、まだ袖幅よりも肘幅が広いようです。
 

では、見た目からかなりフレア感を感じるテーラー&カッターはというと、
袖幅17cm、肘幅(袖先から25cm)16.5cm

 
ちゃんと袖幅が肘幅よりも広くなっています。しかしその差はわずか。
ここまでフレア感を感じるのは、実は通常は指定できない袖と肘の中間地点のサイジングにありました。
 
袖先から15cmの位置の筒幅を計ると、テーラー&カッターは15cm、マーティンソンは16cm。
 
つまり、マーティンソンが肘から袖にかけて徐々に狭まっているテーパード(フレアにしたつもりでも)であるのに対して、テーラー&カッターは一旦狭まってから反対に広がっているんですね。
 
改めて数値を書くと、
マーティンソン:袖から15.5cm、16cm、16.5cm
テーラー&カッター:袖から17cm、15cm、16.5cm

 
テーラー&カッターの袖は、通常のスーツとはパターンが大きく異なるのがお分かりいただけるかと思います。
テーラー&カッターの袖フレアはやはり只者ではありませんでした。

ユニバーサルランゲージメジャーズと言えば、コストパフォーマンスが高いスーツのイメージですので、カノニコの49000円~、ロロピアーナの89000円~、辺りの価格帯が売れ筋です。
 
そんな中、顧客の要望に応えてか最近はテーラーロッジ(120000円)やスキャバル(138000円)のような高額の生地を扱うようになりました。
まだ割高感は否めませんが、選択肢を増やす努力には感心させられます。
 

グレンチェックも上品。
 
 

最近マイブームのブルーグレーのグレンチェック。
 
個人的には、これらがゼニアの価格帯(99000円~)くらいになれば検討したいと思いました。
 
ちなみに、後回しにされていたブリティッシュモデルの本台場化がようやく10/1のオーダーから実現するようです。

イギリス生地のベストセラーとは?

 

イタリア生地が人気の中心である日本において、スーツが好きな人でも答えられる人は少ないかもしれません。

 

私見ですが、ハリソンズのフロンティア、がそうなんだと思います。

 

イタリア生地とは異なり艶感が極めて少ないので、

バンチブックでイタリア生地と比べられると不利なような気がします。

しかし、この生地の良さは、ハリ、コシ、皺になりにくさ、のような着た人にしか分からない部分にあるそうです。

 

価格帯で言えば、

 

イタリアのゼニアのエレクタ、

ロロピアーナのSuper130's、

カノニコだとリベンジ、

 

と高級生地の部類です。車で例えるとトヨタのクラウン辺りでしょうか。

このような生地ですと、組み合わせる裏地は・・・

 

表が控えめだから裏地も合わせる、という方には、同系色で。

 

表に合わせていたら地味になってしまう、と心配される方にはペーンの色を拾ってこんな感じに。私はこちらですね。

 

あ、そうそう、私が今一番気になっているブルーグレーのグレンチェックでした。

1年以上前に購入したDAKSのスーツ、袖が開き見せだったものを、やっとのことで本切羽化しました。

 

開き見せではどうしても安価な感じが否めず、購入時より本切羽化は決めていましたが、時間がかかったのは、ボタンの数と並べ方を検討していたからでした。

 

私は最近は袖ボタンは5つの重ねにしています。DAKSのスーツは標準ではこの写真のとおり、4つの平行ですが、これを5つの重ねにして良いかどうか、悩んでいたのです。

 

安価な既製服ならコスト面で4つの平行にすることもあるでしょう。しかしこのスーツはコストダウンを目的としていないはずです。(本切羽でなく開き見せなのは袖丈調整を容易にするためだと思われます)それならばブランドの意思を尊重することが最善、との結論に達しました。

 

 

その結果がこれ。4つの平行、と全く同じ仕様にしました。

結果は、純粋にクオリティアップが感じられて以前にも増してこのスーツに愛着が湧くようになりました。


一般的な柄のスーツが揃った後には、中間的な色が気になるものです。
 
例えばこれ(ウェブ上で見つけた写真です)。
 
グレーやネイビーは濃淡各種持っている。グレンチェックも持っている。
ではこのような、ブルーグレーのグレンチェックは?
 
持っていないですね。
 
中途半端になりがちなブルーグレーが、グレンチェックとブルーのウインドーペーンというスパイスによってファッショナブルになっています。
 
 

次はこれ。一見普通のグレンチェックですが、ウインドーペーンがピンクです。

これを3ピーススーツにしたら爽やかな感じになるでしょう。

その他、チャコールグレーのグレンチェックで赤のウィンドウペーンもいいですね。

私がグレンチェック好きなので偏りがありますが、ネクタイ同様にスーツも好きな柄は徐々に決まってくるような気がします。

スーツの裏地は通常、他人の目には触れないものです。
ただし、ふとした瞬間に見えてしまうことがあります。
以下のような場合です。
 

これ、わざと裏地を見せているのではありません。動いた後静止した状態です。
 
ですから、スーツをオーダーする場合、裏地のデザインや色味は多少見えてしまっても良いレベルに抑える必要があるということです。
 
冠婚葬祭や大切な商談時に着用するスーツには、特に注意を払った方が良さそうですね。


いつもどおりの特注鋭角ピークドラペル。ラペル幅は8.5cm。これくらいがバランス的には良いと思います。
 
 

チェンジポケット付きスラントポケット。高低差は固定の3cm。
袖は5つボタン重ねの本切羽仕様。今では私の中での定番です。
 
 

裏地はパープル寄りのサックス。旭化成AK1800、キュプラ100%です。
継台場仕様です。
 
 

ここぞという時に活躍してもらうベストです。
 
 

背面はモノトーンのグレーにしてコーディネートの幅を広げておきました。
 
モヘア混の生地はストレッチ性が乏しいので、サイジングは同じでもタイトな感じになります。実用性を重視される方は要注意ですね。

 

 


実例紹介第21弾です。
前回ドーメルのアマデウス365を仕立てたお店(ミューズスタイルラボ)での春夏物です。と言ってもこちらは生地を別のテーラーから入手し持ち込みで仕立ててもらったもの(先地)です。

 

テーラー&ロッジと言えば、超が付く高級生地を作ることで有名なブランド。今回は、春夏、特に盛夏に向くサマーキッドモヘア60%、スーパー120'Sウール40%の生地です。

 

サマーキッドモヘアとは、生後6カ月以内の山羊から初めて刈り取るもので、希少性が高い素材。サラサラとした肌触りで、独特の艶があります。

 

生地の色は、グレー無地でありながら角度によって藤色にも見えるもので、合わせるシャツやネクタイの自由度が高いです。

 

生地の尺があったので、春夏物ですが3ピースでお願いしました。

パーティでもない限りベストを着ることはなさそうですが、あまりにも生地が長かったので。

 

サイジングは前回のドーメル アマデウス365と同様ですが、肩の部分を盛り上げるコンケーブショルダーの程度を強めにしてもらいました。結果は上々。今後もこの仕様でお願いしたいものです。

 

 

詳細は次のページで。

テーラー&カッターで仕立てたカノニコのスーツの着用写真を追加しました。こちらです。

 

ジェントリーで仕立てたマーティンソンのスーツの着用写真も追加しました。こちらです。

 

一度記事をご覧になった方も再度見ていただければ幸いです。

ラペルはピーク。形状は指定できませんが、幅は流行に左右されない8.5cmに指定しました。
 
 
スラントポケットの角度は1パターンのみ。高低差は6cm、と少し強めの角度。

 

店内にあった、他のお客さんの仕上がりスーツにチェンジポケット付があったため尋ねてみたところ、すんなり付けてもらえました。特殊な仕様ではない、ということでしょう。

 

 
フレアな袖口。肘から徐々に広がるのではなく、袖付近のみ広がっています。通常の型紙では再現できないデザインです。
 
 
内ポケット周辺。フラップは三角の一般的なものですが、本水牛ボタンとチケットポケットが付いています。汗止めやD閂はありません。
イギリスの本場と同じ台場なしの仕様です。
 

シンプルなラベル。生地ブランドのラベルは付いていませんでした。

裏地はリアブラウンダンスフォード。派手な柄が多い中、シンプルでありながらきっちりと主張するソラーロ(玉虫色)の無地。

ブルー(メイン)×ピンクで、上品な光沢を放っています。ちなみにこの裏地、裏面を使うとピンク(メイン)×ブルーとなります。

 

 

拝みボタンのフロント。通常の留め方もできます。
 
 
袖は本切羽。
ボタンホールは袖口のカーブに合わせて45°の傾斜がついています。
 
 
フロントカットがシャープなベスト。
胸ポケットと腰ポケットが両方にあります。
標準は襟付きですが、ここはシンプルに襟なしで。
 
 
背面はオーダーらしくベルトなしです。背面と裏面の生地は同一になっているので、背面の色味が派手にならないようにジャケットとは異なる濃紺無地としました。
 
 
ボタンフライ。
お客さんの5割はこの仕様にされるそうです。
 
 
パンツのポケットのみD閂が付きます。
 
 
サスペンダーが付けられるボタン。
要否を尋ねられたので付けておきました。
 
 
パンツの裾仕上げの部分。
ジャケットの裏に付いていなかった代わりに、明らかに生地ブランドが読めるように生地耳を使ってあります。
このような見えない部分への気遣いはさすがだと思います。
 
 
フォーマルユースに備えてオリジナルのポケットチーフも入手しました。
 
遠方であるためなかなかお店に行けませんが、何とか機会を作って2着目を作りたい、と思うスーツです。