懐かしくて、やさしい味のラーメン | 印南敦史の、おもに立ち食いそば

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立ち食いそばを中心とした食日記。

取材のため、相鉄線沿線の和田町という駅へ。
そもそも相鉄線に乗ること自体が初めてですし、アウェイ感がハンパないので、駅から外に出た瞬間からなかなか楽しめました。










ちなみに取材は13時からだったんだけど、先に食べておかないとお昼を食べ損なうだろうということで、12時少し前にどこかに入ろうということに。










でも基本的に、お店がありませんね。










人が住んでいる気配はなんとなくあるのだけど、商店街がほとんど閉まっている。
そうか、これがシャッター商店街ってやつか。










「こういうところに、謎の中華料理屋とかがあったら最高なのにねー」などと話しながら歩いていたら、商店街の終点のところに、










それ、ありました。




















違う角度から見てみよう。











もうこれ、理想的じゃないですか!

八操園……「はっそうえん」って読むの? それでいいの?









のれんをくぐると、5人分のカウンターのみ。
いい感じじゃないですか。





男4人だとわかった瞬間、チャキチャキな白髪のおばちゃんが「うちは昔ながらのラーメンだから、若い人にはもの足りないかもよ。いいの?」との先制攻撃(注:僕は決して若くないが、最初に入ったHS川くんが20代だったからだと思われるアルヨ)。





















聞くと昭和62年から、ひとりで切り盛りしているのだそうだ。
思ったほど古くはなかったけど、最高の雰囲気。










いろいろ味わい深いのですが、最大のポイントはここ。











この、手製の蓋がついた、発泡スチロールの箱。
内部は冷やされている様子。
つまり冷蔵庫とは別にあるこれに、よく使うものを入れているわけです。
生活の知恵ですな。










こういうところに来たら、やはり基本のラーメンでしょ。
というわけでラーメンを注文したら、










「うん、シンプル・イズ・ベスト!」と、なんか納得された。










で、出てきたのがこれだ。
















ナルトが素敵。
スープは感動的なほど透明で、薄味でありながらしっかりと存在感がある。
柔らかすぎず、硬すぎもしない麺も、すごくバランスがとれている感じ。





ラーメンオタクに、「化調がどうの」「麺の加水率がどうの」とか絶対に言わせたくない感じ。
なぜって、これはこれでとても完成されているからです。










おばちゃんがいうとおり、ギトギトで塩分過剰なラーメンに慣れた人にはもの足りないかもしれないけど、本来ラーメンってこういうものだったよなー。
そう思わせてくれる味でした。





















食べ終わろうかというころ、絶妙のタイミングでサービスのスイカが登場。
「悪くなる直前だったから」とか、言わなくてもいいことをあえて口に出しちゃうところもいい感じ。
そして、とてもおいしかったです。










途中で老人が入ってきて、ラーメンと餃子を注文。
食べ終えたころ、おばちゃんに話しかけていた。










「もう何十年も前に、娘と来てたんだ」
「うん、なんとなくおぼえてる」
「娘に、『また食べてきなよ』って言われてさ」










こういう店、ほんとにいいなー。
三益好きの僕の、まさにツボでした。
ちなみにラーメンは500円。




それでも安いけど、ちゃんと自分のところで製麺してダシもとり、それで350円の三益はやはり神だな。










結局そこに話が行くのかよ!