4月から閉鎖になると聞き、別れの一泊を予約して出かけた3月の末のその日、箱根が雪に埋まった。湯本でマイカーを放棄、タクシーで宮城野まで。そこから歩いて40分。お陰で随分と印象に残る最後の一夜となった。
いつも迎えてくれる正面も雪が一杯、駐車している車は2台だけ。
20センチの積雪の中を、雪で重たい傘をすぼめたり広げたり、バッグを抱え汗だく、辿り着いた時には、大げさでなく、命拾いをした思い。
取り敢えず風呂に飛び込む。もう別世界。生き返るとはこのこと。
宿泊予定の客が、途中の御殿場や湯本から到着断念を伝えてきたとかで、食事処は、時間が来てもガラガラ。
「腹が減っては戦さはできぬ。明日は明日だ。とにかく食おう」 生ビール2杯と日本酒「箱根山」。
翌日はウソのような晴天。懐かしいつららが陽光に輝き、キラキラ綺麗なこと。
R&S系列の施設としてはこれが見納め。スタッフの皆さんは、一部が辞め、殆どは二の平の系列施設に移るという。
路上放置の車両がここかしこに点在。翌日は雪が消えた一号線でも午後2時過ぎまで渋滞が続いた。