脚本家/小説家・太田愛のブログ -4ページ目

新作のお知らせです。

10月12日に光文社より刊行予定の『Jミステリー2022 FALL』に書き下ろし短編ミステリーを寄稿しました。同書は、4月に刊行された『Jミステリー SPRING』に続く文庫書き下ろしのミステリーアンソロジーの第2弾で、今回も6名の作家の新作が掲載されます。執筆者は、光文社文庫のTwitterアカウントで、昨日8月29日より毎日カウントダウン形式でひとりずつ発表中です。光文社文庫のTwitterは→こちら

 

目下、編集作業が進行中ですが、Amazonなどのネット書店では、すでに予約も始まっています。Amazonは→こちら

秋の夜長、ミステリー好きの方は、ぜひご予約くださいませ。

 

 

『幻夏』に続いて、『犯罪者』上下巻もアマゾンでオーディオブックになりました。6月3日発売です。ナレーターは声優の青木崇さん。鑓水たちのシリーズ第1作を、ぜひ「聴いて」みてください。

Amazonのページは上巻は→こちら、下巻は→こちらです

 

また、6月8日に徳間文庫から発売される山田正紀氏の『囮捜査官北見志穂4 芝公園連続放火』に、解説を書いています。読み始めればページを捲る手が止まらなくなるノンストップストーリーでありながら、同時に、戦後日本の病巣を鮮やかに描いてみせる傑作ミステリです。せひお手にとってみてください。→Amazonではこちら

 

さて、新聞連載の『未明の砦』執筆もラストスパートに入り、手元の原稿の残り話数もひとケタになりました。主要キャラクターの何人かについてはすでに最後の登場シーンを書き終えました。それぞれの登場人物にふさわしい退場になるよう紙数の中であれこれ考えながら、一場面一場面、筆を進めています。最後まで楽しんで読んでいただければ嬉しいです。

 

近況のお知らせです。

現在、新聞5紙で連載中の小説『未明の砦』、第394話より遂に最終章となる第4章に入ります。最初に連載が始まった「陸奥新報」では今月中旬になります。

 

『未明の砦』は、現代日本で起こったひとつの事件を中心に、非正規労働者の若者たちから所轄の警察官、エリート警察官僚、トップメーカーの企業人までさまざまな人物によって繰り広げられる群像劇です。

物語の幕開けはクリスマスシーズンの吉祥寺駅前。華やかに街が賑わう休日の午後、突然、四人の非正規労働者の若者たちが共謀罪の容疑者として追われる場面から始まります。2017年の国会で強行採決によって成立した「共謀罪」は、組織的に犯罪が計画されていると当局が見なせばそれだけで逮捕が可能となる法律で、その危うさから「現代の治安維持法」とも呼ばれています。なぜ若い四人がそんな罪状で、警察に追われる身となったのか。小説では、彼らが初めて共に過ごした真夏の房総半島の海辺で起きた出来事にさかのぼり、彼らを取り巻く多種多様な人物を描きながら、四人の若者たちの物語を追いかけていきます。

 

連載開始から一年余り。彼らのことを書ける紙数も残りわずかです。最終章で果たして彼らはどこに行き着くのか。どうぞお楽しみに。

 

右京さんと亘さん、そして豪華なゲストの皆様の顔合わせで、お正月らしい、華やかなSPとなりました。脚本が撮影現場でかわっていくことはよるあることで、今回も楽しいアドリブ満載でした。

ただ、それとは全く別に一点だけ脚本家の立場から申し上げておきたいことがございます。

右京さんと亘さんが、鉄道会社の子会社であるデイリーハピネス本社で、プラカードを掲げた人々に取り囲まれるというシーンは脚本では存在しませんでした。

あの場面は、デイリーハピネス本社の男性平社員二名が、駅売店の店員さんたちが裁判に訴えた経緯を、思いを込めて語るシーンでした。現実にもよくあることですが、デイリーハピネスは親会社の鉄道会社の天下り先で、幹部職員は役員として五十代で入社し、三、四年で再び退職金を得て辞めていく。その一方で、ワンオペで水分を取るのもひかえて働き、それでもいつも笑顔で「いってらっしゃい」と言ってくれる駅売店のおばさんたちは、非正規社員というだけで、正社員と同じ仕事をしても基本給は低いまま、退職金もゼロ。しかも店員の大半が非正規社員という状況の中、子会社の平社員達も、裁判に踏み切った店舗のおばさんたちに肩入れし、大いに応援しているという場面でした。

同一労働をする被雇用者の間に不合理なほどの待遇の格差があってはならないという法律が出来ても、会社に勤めながら声を上げるのは大変に勇気がいることです。また、一日中働いてくたくたな上に裁判となると、さらに大きな時間と労力を割かれます。ですが、自分たちと次の世代の非正規雇用者のために、なんとか、か細いながらも声をあげようとしている人々がおり、それを支えようとしている人々がいます。そのような現実を数々のルポルタージュを読み、当事者の方々のお話を伺いながら執筆しましたので、訴訟を起こした当事者である非正規の店舗のおばさんたちが、あのようにいきり立ったヒステリックな人々として描かれるとは思ってもいませんでした。同時に、今、苦しい立場で闘っておられる方々を傷つけたのではないかと思うと、とても申し訳なく思います。どのような場においても、社会の中で声を上げていく人々に冷笑や揶揄の目が向けられないようにと願います。

 

 

 

 

 

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

さて、今日夜9時からは、脚本を担当した「相棒20」元日スペシャル『二人』が放映されます。今回のお話は、凶悪な犯罪が芯を貫いているミステリでもあり、サブタイトルどおり、さまざまな組み合わせの“ふたり”をめぐる物語です。また、初めて亘さんのお姉さんが登場し、遠い過去も少しだけ描かれています。さらに、事件解決に向けて右京さん、亘さん、捜査一課の皆さん、青木さんらが、刑事部長室に結集するという稀に観る場面もございます。

右京さん、亘さんをはじめとした盤石のレギュラーキャストのみなさんと、豪華なゲストの方々による相棒ワールドをお楽しみください。

なお、プラカードを持った人たちは、脚本では登場しません。

 

一方、小説の方では、現在、「陸奥新報」など5紙に連載中の『未明の砦』がこれから佳境に入っていきます。若者4人を中心とした、久しぶりの大がかりな群像劇。〆切に追われながらも、楽しく執筆しています。また、おかげさまで昨年『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』の鑓水たちのシリーズが累計50万部を超えました。いろいろな場所で推してくださった皆さま、応援してくださった書店員の皆さま、口コミで広げて下さった読者の皆さま、どうもありがとうございます。

昨年からさまざまな方面よりお声をかけていただき、ありがたく、ありがたく、嬉しい悲鳴をあげています。時機が来ましたら、当ブログやホームページにてお知らせいたします。こちらもご期待ください。

 

本年が皆様にとって幸多き年になりますようお祈り申し上げます。

2022年元日

 

 

 

 

ジュンク堂書店松坂屋高槻店の書店員の方が、太田の文庫本用に、なんと手作りで「登場人物しおり」を準備してくださっています!

 

 

実を申しますと、単行本刊行の折より「このようなしおりがあれば良いなあ……」と、夢みていた逸品。千人力です。文庫担当の方、ありがとうございます! 

朝日新聞で相棒20周年の特集が組まれ、紙版は、明日の元日に掲載されます。デジタル版では一足先に29日よりインターネット上で公開されています。水谷さん、反町さん、輿水さんと一緒に、太田のインタビューもちょこっと掲載されています(…緊張しました)。インタビュー記事は、紙版では一部、デジタル版では全文が読めるそうです。

デジタル版のインタビューのリンクは

 ↓

こちらです。 

 

みなさま、よい御年をお迎えください。

 

2022年1月1日夜9時より放映の相棒20元日スペシャル『二人』の脚本を担当しました。捜査の依頼が、亘さんの姉から舞い込んでくるという、ちょっと変わった始まりの物語です。ゲストにはイッセー尾形さん、片岡孝太郎さん、飯島直子さんをはじめとして、とても豪華な俳優さんが集まってくださいました。右京さん、亘さんたち最強のレギュラー陣とともに描く相棒ワールド。実は太田も今日、予告編で初めて映像を見たばかりです。

 

予告編は→こちらのページです。

 

新年最初の夜、ぜひ相棒20元日スペシャルでお迎えくださいませ。

 

 

 

 

 

 

久しぶりの更新になります。

 

本日、未明に映画評論家の町山智浩さんが、ご自身のnoteで、

『太田愛、『ウルトラマンダイナ』から『相棒』、そして『天上の葦』へと貫かれるもの』という評論を掲載してくださっています。長年の友人がすぐに連絡をくれて知りました。→リンクをこちらにも貼っておきます。

 

この文章は『天上の葦』が文庫化された折に、町山さんが解説として書いてくださったものです。最初に読ませていただいた時、『天上の葦』だけでなく、デビュー時の脚本から振り返ってくださっている内容に驚き、とても嬉しかったのを覚えています。

町山さん、あらためてありがとうございます。

 

この評論を読んで、太田の作品に興味をもってくださった方がいらっしゃいましたら、どの作品からでもぜひ手に取ってみてください。

 

ところで、今年は4月より小説『未明の砦』の新聞連載を続けていますが、8月より上越タイムスでも掲載が始まっていますので、現在、陸奥新報、千葉日報、三陸新報、苫小牧民報、上越タイムスの5紙で連載中です。久しぶりの大がかりな群像劇を、楽しみながら、書かせていただいています。

 

実は、小説執筆に並行して、この秋、1本、映像のシナリオを書きました。今はまだ情報をオープンにできないのですが、もうまもなく詳細をお知らせできる機会がやってくる予定です。その時は、このブログとホームページでお伝えしますので、どうぞお楽しみに。

 

 

 

 

 

新作小説『未明の砦』、6月16日(水)より、「苫小牧民報」でも連載が始まりました。「陸奥新報」、「千葉日報」、「三陸新報」に続いて四紙になりました。「千葉日報」「三陸新報」「苫小牧民報」は、電子版でも購読できます。ぜひ、ご一読ください。

       

また、6月15日(火)より角川文庫の夏のフェア・カドフェス2021キャンペーンが始まりました。拙著『幻夏』が「手に汗にぎる!」作品として、夏のおすすめ本のひとつに選ばれています。KADOKAWA本社ビルの玄関にも、こんなふうに飾られています(↓)。

『幻夏』から、鑓水シリーズを読み始めたという読者の方も大勢いらっしゃるようです。25刷になり、帯も新しい装いになりました。書店でお見かけの際には、ぜひお手にとってみてください。