この十五年ほどお世話になっている日本バーテンダー協会、元・渋谷支部長のKさんのお誘いで、
先日、取材をかねて『全国バーテンダー技能競技関東統括本部大会』を観戦に行った。
関東ブロックで予選を勝ち抜いた34名のバーテンダーさんがエントリーされており、午前中に学科試験とフルーツカッティング、午後には課題カクテル(今年はアドニス)と創作カクテルの製作を競う。
競技観戦は午後の部から。
バンケットルームに詰めかけた500名を超える関係者、観戦者が見守る中、
選手たちは四名ずつ演壇に登壇し、「スタート」の合図で一斉にカクテルを作り始める。
ツワモノそろいのバーテンダーの方々はあくまで優美にシェイカーを振られるが、
そこは一年に一度の関東大会、見ているこちらにまでヒリヒリとした緊張感が伝わってくる。
ここで入賞した七名が全国大会に進み、全国で優勝した一名が世界大会に挑む。
審査の結果、今年の総合優勝は銀座支部、バー・フォーシーズンズの吉本武史さんと決まる。
吉本さんの創作カクテルのタイトルは「シャーロック」。
このタイトルに心を惹かれるのは私だけではないはず。
レシピはオールドトムジンにマスカットリキュール、マラスキーノリキュール、グリーン・バナナ・シロップ、フレッシュ・ライム・ジュースというもの。
詳しい審査結果はこちら 。
私は普段はシングルモルト一辺倒でカクテルはマティーニかダイキリくらいなのだが、
その日一日、美しい色と名前を持つカクテルを眺めるうち、
改めてカクテルを開拓してみたい気持ちになる。
なんといっても、世界大会でここ二年続けて日本代表のバーテンダーさんが優勝している。
実は、日本は知る人ぞ知るカクテル王国なのだ。