6月30日、ドイツの現代舞踏家で振付家だったピナ・バウシュさんが亡くなった。
訃報を知ったのは、昨日の朝刊。6月21日が最後の舞台となったそうだ。
数年前、国立劇場で観た『カフェ・ミュラー』が忘れられない。
跳躍も回転もないダンス。もちろん、言葉もない。
だが、あれほど静かで深い痛ましさに満ちた舞台を観たことはかつてなかった。
ヘンリー・パーセルの哀切なアリアの流れる中、白い衣装をまとって踊っていた痩身のピナ・バウシュさんの姿は、今でも鮮やかによみがえってくる。
謹んでご冥福をお祈りいたします。