春眠 | 脚本家/小説家・太田愛のブログ

子供の頃から夢をよく見る。


そして夢にも一年を通して満ち引きのサイクルがある。

類似体質の方も多いのではないかと思う。


脚本家・太田愛のブログ-鼓と笛

私の場合、毎年、春、とくに桃の節句から桜の季節あたりまでの一ヶ月が、夢の『high tide』の時期だ。

この時期になると、いつもの淡い断片的な夢から、輪郭の濃い強い質感のある夢に変わる。水彩画から油絵に変わるような感じだ。

夢を見ている状態も、いつもの浅瀬の水の中で眠っているような感覚から、水深の深い場所で眠っているような感覚になる。

だからこの時期は一度眠ると朝まであまり目を覚まさない。

深い眠りの底に、たくさんの鮮やかな夢が寄せてくる感じだ。


眠りと夢の質が変わると、毎年、ああ、もうそんな季節が来たんだな、と思う。

ところが、今年は立春を過ぎたあたりからゆっくりとこの夢の『high tide』が始まっている。

ちょっと早いんじゃないか? なぜだ?

と、考えているうち、そういえばニュースで、各地の早咲きの桜も暖冬のせいか開花が早いと言っていたのを思い出す。

夢のサイクルにも温暖化の影響が現れているのだろうか、と思ったりする。