昨日、原田監督の納骨のことを書いたので、今日は以前、「つづきはまた今度」と書いたままになっていた原田組の内トラのお話。
たくさんある原田監督の作品の中でも、内トラ的・オールスターキャストという雰囲気なのが、「ウルトラマンガイア」の『遠い町・ウクバール』だ。
まず〈らくだ便〉ドライバーとして登場するのが清水一哉さんと関貴之進さんのお二人。今やアクション俳優として活躍されている清水さん(当時、清水一彦さん)も関さんも俳優さんなので、内トラとはちょっと違い、ちゃんとクレジットもされている。ただ、原田監督こそが、当時、ガイア、アグルなどに変身して怪獣をなぎ倒していたお二人を、変身スーツを脱いでガイアのシリーズに登場させた仕掛け人だった。
実は、ガイアシリーズにまだ〈らくだ便〉が存在しなかった第12話の頃。川上英幸さんの書かれたこのエピソードでウルフガスに襲われて死んだ……かに見えていたのが清水さんだ。もちろん、そちらの演出も原田監督。『ウクバール』で〈らくだ便〉ドライバーとして再登場した時には、しっかり顔に傷を残している。以来、ウルトラワールドにおいて、清水さんは〈らくだ便〉の顔となり、劇場映画版も含めてあちこち登場している。
さらに、『ウクバール』のこれこそ正真正銘の内トラが、〈らくだ便〉営業所で事務員を演じていらっしゃるスクリプターのKさんだ。所長役のベテラン俳優・町田正則さんと堂々と、しかもアドリブで台詞をやりとりするKさんは、存在感あふれており、実に配役の妙という感じだった。
ちなみに、原田監督からうかがったお話では、Kさんが町田営業所長にボソッとつぶやく「だから言ったじゃないですか……」は、普段からKさんの口癖だったとか。さて、真偽のほどはいかに。
ウルトラマンダイナの『少年宇宙人』に、さりげなく内トラ出演されているのが、名キャメラマンの倉持さん。主人公の悟の家に飾られている亡父の遺影こそ、実は倉持さんである。倉持さんには、ウルトラシリーズで本当に素敵な映像(シャシン)をたくさん撮っていただいたのだが、その倉持さんが『少年宇宙人』では、写真で出演して下さった。もちろん『少年宇宙人』本編のキャメラも倉持さんで、素晴らしい撮影をして下さっている。
他にも大勢の方が内トラ出演して下さっているが、最後にもうお一人だけ、どうしても御紹介しておきたい。北浦監督とご一緒したウルトラマンティガ『ゼルダポイントの攻防』では、特撮の大先生・高野宏一さんが、ワンシーン登場して下さっている。(学会のシーンで退出する教授役です)幼い頃、ウルトラマンやウルトラセブンのクレジットでお名前を拝見していた高野さんの姿を自分が書いた作品の中で見た時は、ほんとうに夢のようだった。