斑目委員長の更迭を主張する亀井静香の正論
不可思議な言動をしている原子力安全委員会の斑目委員長について、国民新党の亀井静香が菅首相に対し解任を求めた。
内容はほぼ同じであるが、毎日は
「内閣不信任決議案の提出を視野に入れる自民党については「この期に及んで、ばかげた党利党略ばかり考えている党に明日はない」とけん制した。」
と終わるのに対し、読売はこの発言に触れず、毎日の記事には無かった
「菅政権の見通しについて、「今のところは、よたよたしながら続いていくが、そんなことでは震災対策でろくな政治ができない。小沢(一郎民主党)元代表を座敷
と与党側について批判した件を記事にしている。両社の編集方針の違いがはっきり出ている。なお、NHKは毎日とほぼ同内容であった。
亀井代表 班目委員長は交代を(NHK)
本来、この両方の発言が記事になるべきだと思う。現在の政治の病的な状況が端的に現されているからである。菅首相は、震災後も小沢系の冷遇を続けた結果、民主党内の結束に失敗し、自民党がそれにつけこみ、この非常事態下において不信任案を提出しようなどと妄想する隙を与えた。これは明らかに菅の失敗である。
しかし、その失敗を直視しつつも、亀井は現政権を支えようとしている。亀井は菅が財務大臣に就任した後から、財政政策について痛烈に批判することが多く、参議院選挙前にも消費税増税案について強く批判していた。結局郵政法案に関する扱いについて民主党の裏切りを批判し、閣外に去るという結末となったが、現在の亀井はその菅を、というよりは現政権を必死に支えようとしている。
ほとんど記事になっていないので、国民新党の会見録から引用する。亀井の言っていることについては、ぜひ以下リンク先で全文を読んでいただきたい。
(以下引用)
国会延長:開闢以来の事態、国会が毎日開かれて当然。
亀井代表 今は国会を延長しないでいいんじゃないかというみたいな空気が、政府や民主党の中にあるということで私は、政府と民主党に対して昨日、強く言語道断(であると申し上げ)、被災民の方々から、このまま中途半端な状況の中で、国会を閉じるということは、「なんだ、私たちを見捨てるのか」という感覚に直結すると思います。第二次補正をいつ出すか出さないかということを、こういう開闢以来の事態において、国会が開かれていることは当たり前のこと、当然のことです。それを閉じていくみたいな空気があること自体が、緊張感に欠けている。私はこの震災に対する緊張感が欠けていると言われても仕方ないと、このように思います。連立を組んでいる国民新党としては、そういう対応は絶対に政府としてしないという方向で行きたいと思っております。皆さん方、もし異存があれば、言っていただきたいと思います。
(中略)
東電の責任:資本主義経済における自己責任を果たさせる。
亀井代表:また、統一会派を組んでいる新党日本の田中代表、この間予算委員会でも非常に適切な問題の指摘をされたと思います。結局、東電任せに全てしておいてだめだということは、誰が見たって明らかな話であって、やはり国家が、この事態においてどうするかということに前面に出ていくべきであって、民間会社だから民間会社の実勢に従ってという、それでいいんだったら、それで国家全体国民全体に大変な影響を及ぼすわけです。そういう時はやはり国が表に出て、松下副大臣の責任も非常に重くて苦労して頂いておりますけども、その中で私は、田中代表が、この間の予算委員会の中で指摘された中で、一つは、東電が私企業であるということ、それだけにかまけて、東電自体がもっとこういう事態を招来したことを、基本的には国の責任でありますけども、東電もその事業を国から認可を受けてやっておる責任において、きちっとやるべきことをやっていなかったという責任があることをどんなに弁解したって、これは明らかなことです。そういう意味では資本主義経済における自己責任という立場において、やはり果たすべきことをきちんと果たさせる。
銀行の責任:国と共に、東電に対して金融機関の責任を果たすべき。
亀井代表:また、東電に今まで資金繰りを支えておった銀行等も、それまでの間、ご案内の通り、融資等の関係の中で、大変な果実を得ていたことも事実。東電の業務の中で大変な利益を得ておったことは事実です。しかも今期、膨大な利益を計上しているでしょう。そういう銀行がこういう事態に入って、今日の新聞を見たら、債務免除をしちゃったら、もう融資しなくなるからという、そんなんで融資しないんだったら、免許を取り消しをしたらいいんですよ。それは、今まで、自分たちが、果実を得ていた融資先事業体が、こういう事態になった場合には、やはり金融機関という立場において、全て債権放棄するという話じゃなくても、国民が理解してくれる何らかの金融機関としての責任を、やはり果たすべきだと私は思います。それを、ただ金を貸しているだけの話だということではね。そういう得手勝手なことを言うべきでない。ここに自見大臣もおられますけどね。金融機関というものは自分たちだけで成り立っているのではない、借り手があるから成り立っている。借り手においてこういう事態が起きた場合には、その借り手に対して貸し手という立場で、きちっとその借り手が成り立っていくために最大限の協力をするというのは、貸し手として当たり前の話です。だから、それは国家に任せる、国民に任せりゃいいんだと、自分たちは知りませんと、またうまい話があったら融資しましょう、儲けさせてもらいますというようなわけには、金融機関はいかない。きつい言葉を私は言いましたが、三菱の永易頭取が新聞で言っているのを見まして、勘違いしている。金融機関は自分たちだけで自己完結型で生きている機関ではありません。借り手があって国民があっての商売をやっている立場であって、そうであれば、東電のこういう事態に対して、それなりの対応を、国とあわせて、国民も一時的には税金で現実面倒をみることになるわけですね。話が長くなりましたけど、そういう意味では、田中代表がこの間質問されましたことに、私も全く同感であります。
(中略)
不信任案:その後、総理を誰にするかがないのは無責任。
記者:今、原発の対応の中で、野党側に内閣不信任案を出す動きがありますけど、民主党の中にもこれに同調する動きがあります。不信任提案の可能性についてはどのように考えますか。
亀井代表:そんな、うろちょろうろちょろ野党がしていたら、将来、歴史家から笑われるよ。森なんかも、その最たるものだ。可哀想だけどもね。彼も老いたね。俺よりも年が一つ下だけどもね。今、そんなことを言っている場合なのかね。不信任案を出して、その後、誰にするんだということもないままに無責任ですよ。菅がいかんと、それに代わってこの人物がいい、菅を辞めさせて、これにしようというのだったらいいけども。 後はどうにでもなる、西岡議長はそう言っているだろう。参議院議長が、ああいうこと言っちゃいかんよ。船縁を叩いて、皆で「辞めろ、辞めろ」と言ったらと。
不信任案:新たな政権を作る見通しが明確でなければ。
記者:三権の長が発していることについては。
亀井代表:言われるんだったらいいよ。もっと明確なデザイン・見通しを加えればいい。それを言われればいい。ただ、倒せばいい、後は適当にどうにかなるだろうということではやっぱりお控えになった方がいいだろうと私は思います。自民党だってそうだ。自民党だって120名おるか、今、衆議院は119ぐらいだろう。あれでどうやって政権を作るんだ。作れっこないじゃないか。それまで明確にしなければいけない。不信任案を出す、その後どうするかという責任があることを言わなければいけないですよ。自民党は、今119名、(必要な数は)240~250、自分たちの数の倍以上要る。それをどうする、じゃあ民主党のこういう人たちと一緒にやる、あるいは共産党と、それがあって初めて言えることであって、倒せばいいんだ、後はその時に考えればいいんだという、まだ平時ならいいですよ。どんちゃかどんちゃかやって、何十日抗争なんかも俺なんかもやってね、党本部にバリケードで築いた。浜幸が、俺がせっかく築いたやつを取っ払いやがって、(笑い)。平時ならまだいいけども、そんなことをやっていて、こんな震災で乗るかそるか、原発の問題、こういう問題について、政治がちゃんとやらなければいけない時に、ただ倒せばいい、後はみんなで相談しましょうと。 どうやって相談するだ、自民党だけでやれるわけがない。119名の後、120~130名要るでしょう。自分の党以上の人間、そんな夢幻みたいなことを言って、「不信任だ、不信任だ」とわめいたって、国民が笑っていますよ、そんなことは。
(引用終わり)
長くなるので上では会見の一部のみ引用したが、他に亀井の姉の原爆投下直後の広島入市被爆の話も語られている。
(引用始め)
亀井代表:俺の友達なんか、原爆で爆心地におったけど、助かって何ともないんだ。そういう人もいるんだよ。そういう人もいるし、そうじゃない人も。だいたい二次被爆で、その後入ってきて、それで私の姉が、一番上の姉が三次(みよし)の学校に行ったんだけども、(原爆)後の処理の動員にかけられて、直後に入ったんです。その時に一緒に入ったのが、原爆訴訟をずーっとやっていた人ですよ。だから、姉の名前なんかも訴訟に出てくるんだけどもね。だから、その時は別に、今のように放射能が危険だとかいうことは、全然知識もなかった。アメリカはせこいよ。直ちに・・の上に作った。そしてそのデータをずうっと集めた。あそこはなかなか現在でも放射能についてどのくらい解明できているかわからんけども。俺なんか、だから三年後、当時、人間の骨が沢山あって、建物にも人間の影が、放射線でばあっと映っているものが、もう焼け野原でひどい状況だった。俺の兄なんて一年後から、そこに、中学時代、生活をし始めた。でも、別になんてことはない。それは難しいよね。個人差もあるし、しかも放射能と言って、万全なあれを取らない。私の姉は、白血球が上がったり下がったりしながら死んじゃったけども、俳句を作っていったんだけども。「夏の日の 白血球の変わる 晩夏かな。」
田中代表:亀井静香先生はシャイだから、お姉さんが確か三好の高等女学校に行って、広島の方々の救援に行こうと、友達と一週間くらいお入りになって、その後、下血をされたり、毛が抜けたり、その中で自分はそういう人のために薬学を学ぶということで、神戸の薬科大学に行かれて、俳句としてもまた、いろんな俳句の本に名前が載っている方で、その方が最後白血病でお亡くなりになった時に、白血球を測る晩夏かな、夏の遅い渇きという。
(引用終わり)
亀井が「アメリカはせこいよ。直ちに・・の上に作った。そしてそのデータをずうっと集めた」と書いているのは、間違いなく比治山の上にアメリカが作った原爆傷害調査委員会のことである。Atomic Bomb Casualty Commission、略してABCCと言われたこの組織は、被爆者の調査のみ行ない、決して治療をしなかったことで悪名高き組織である。
亀井は外国人の地方参政権に明確に反対する保守的立場である一方、親米ではない。どころかアメリカへの敵意を隠していない。そして平和を希求している。単細胞な右翼、左翼と大きく異なる亀井の思考の背景が窺えるエピソードである。
そのような亀井だからこそ見えているものがある。彼は見た目や語り口のため損をしているが、もっと多くのマスコミや国民が、真面目に亀井の意見を聞くべきと思う。