早起きして列車で2時間ほどの唐山へ。新幹線車両で行ったが、これは高速新線を走るわけではないので、後発の客車快速と所用時間は変わらない。料金は300円ほど違うので、20分後の列車に乗ればよかった。列車は満員。寝ている間に着いた。
この町には、水素電池で走る路面電車があるというので来てみたが、駅前にはそんなものはない。道行く人や駅の公安でも「メイヨ―(没有)」といつもの返事。ネットの記事に出ていたのでそんなことはないだろうと、駅前にたむろしているタクシーの運転手に聞いたところ、50キロほど離れた港湾地区にあるようだった。中国は「市」の中に「県」がある国、○○市と言ってもとてつもなく広い。タクシーの運ちゃんは「乗っていけ」というが、いくら取られるかわからない。とりあえず、バスターミナルへ行って、バスのチケットを買ったが、2時間くらいかかるとのこと、往復するだけで、帰りの列車に間に合わないので、結局諦めた。
仕方なく、駅前の市内地図で見つけた郊外の公園へバスで向かう。どうも博覧会が行われた跡のようだ。しかし、これも出口はわかったが、入り口がわからない。こんな不親切なところに入るのに入場券を買うのももったいないので外から眺めただけで済ませた。入り口がわからないのは現地人も同じなのか、公園内は閑散としていた。
ちなみに公園前の行政センター。なかなか立派だ。向かいには巨大なホテルもあった。
町へ戻って、行きのバスから見つけた按摩へ。1時間70元也。
手加減なく1時間痛さで絶叫。お金を支払ってどうしてこんな目にあうんだと思ったが、終わったあとは長年悩まされてきた腰痛が一発で軽くなっていた。日本なんかではお客が痛がると手を緩めるが、それでは奥底のコリは取れないようだ。さすが中国4000年の手業。
このバス停の前です。
夕方には北京に戻り前門大街へ。昔の北京を再現した商店街だが、少々取ってつけた印象もある。しかし、歩行者天国となった1キロほどの通りを蓄電式の路面電車が走る様子は風情がある。
せっかくなので、20元也の運賃を支払って乗ったが、観光客の多くは乗らずに沿道から写真を撮っていた。
夕食はここで北京ダック。ひとりなのでハーフを注文したが、これを2人で分けてもいいくらいだ。ついでにスープも頼んで、メニューを見ながら、麺も注文しようかと悩んでいたが、店の従業員は「これで十分だからやめておきなさい」とのこと。その通りで、例の北京ダックの皮を包むクレープもついていて、その上、たった10元のスープは大きなどんぶりで出てきた。
北京ダックは骨などがない部分だけ出され、残りの「へた」はスープに回される。なので、スープにも鴨肉がたっぷり入っていて、正直これだけでおなかがいっぱいになる。実際地元民の中には、麺類とこのスープだけ食べていた人もいた。鴨からダシを取ったスープは絶品。ビール1本をつけて計147元也。
ちなみに中国ではちょっとしたレストランでは、ビニールでパックされた食器がテーブルに並んでいるが、これは有料。1.5~2元ほど取られる。払いたくない人は、出された器のみを使い、ビールなどは瓶ならラッパのみということになるので、頭に入れておこう。
それにしても中国人のマナーにはホント辟易する。3列シートの通路側で隣2人は赤ん坊連れの若夫婦だったが、赤ん坊がこちらに靴を履いた足を放り出してもお構いなし。おまけに窓側の父親はスマホで音声付きで動画を見ている。こちらではこれが普通のようで、地下鉄でも音を立てて動画を見ている輩が多いが、まったくこの人たちは道徳をどこかに置いてきてしまっているようだ。
夜の移動の夜行列車でもそうだった。僕の席は下段だったが、席に向かうとすでに先客が座っている。僕が席について横になっても、厚かましくも端に座ったまま通路側の簡易席に陣取った仲間と大声で話している。深夜初の列車だったので、本当に迷惑だ。出発まで待ってまだ居座っているので、もう寝るから席を離れてくれと言って追い出したが、このグループはそもそもこのブロックの上段席の乗客でもなく、とにかく空いたスペースを見つけては座り込んで話していたようだった。
こういう輩が多いからだろうか。この国の夜行寝台車は、時間に関わらず、始発駅を出るとすぐに消灯となる。