九州には地元民が常用するための共同浴場がある。
嘉例川沿いの温泉郷からすこし西に入ったところにある犬飼集落。バスが1日2本という、車がなければ完全に陸の孤島のようなところにある共同浴場。
今回のドライブ旅行の最後に訪問。
入浴料200円を払えば誰でもウェルカム。
午前中に立ちよった時には空いていたが湯は入ってなかった。
この浴槽を見ただけで成分の濃さがわかる。
一応断り書きが。
今時だから何かあれば喚くやつがいるからな。
これが料金箱、基本的に番人はいない。
ちゃんと払いましょう。
午後4時前、帰路に立ち寄ると、湯が入れられていた。
湯が8分目まで入るのにここから40分ほど。
真ん中くらいまで入るとのぼせてきたので一旦ゴムホースで水を浴びる。
そのうち湯守らしきおじいちゃんがやってきた。
東京から奥さんの実家近くに移住したらしい。
「空港近いし、温泉あるし、ゴルフ場もある。天国みたいなもんよ」
ひと月3000円なりの会費を払っているのは、現在2人だけだという。
「まあ、家の風呂みたいなもんよ。50年になるけど、俺が死んで婆さんも死んだらここも終わりだな」
とのこと。
脱衣所には、数個の洗面器やシャンプーが置いてあったので、会費は払わないものの、頻繁に利用する常連さんも数人いるようだ。
じいさんに和気湯に行ってきたことを告げると、今はもう掃除する人もいなくて荒れ放題になっているのだという。
そんなこんなで湯船が8分目くらいになったが、のぼせてきた。
「満タンになるころには、地元の人以外は熱くて入れなくなるよ」と言われたので、退散することに。
外で上半身裸になって涼んでいると、じいさんも裸で出てきた。えらい早いですね、と声をかけると、「家でもシャワー浴びるから。温泉入らないと酒がうまくないでしょ」と粋なセリフを残して去っていった。