
こんにちは、gpmの佐々木です。
大企業からの制作案件で最近多いのが、「iPad使ったツール開発してよ」というもの。要はタブレット端末向けの営業用ツールやその中のコンテンツ企画/開発ですね。
ぶっちゃけ言うと、だいたい、げんなりします(笑)。
ある大手企業に、「考えてくださいよタブレット型端末でのツール。ペーパーレス化になるし、営業マンのスキル均質化にもなるでしょ、顧客接点上のデータベースの直接利用だってできるし、即断即決を後押しできるしね、ほらあと業界初的冠欲しいじゃない」という動機などで企画を依頼されたりします。
夢多い。それはいいです。私は質問します。
「開発/運用も含めて、予算はどのくらいなのですか?」
「200万円くらいで」
「DBと絡めた運用を前提に営業フローに落とし込んでコンバージョン率を上げて現場もストレスなく使える物を企画し開発する費用ということを考えると、予算ももっと大きく、大規模なプロジェクトで進行させないと、企画意図としてすごく薄っぺらなものになってしまいますが、、」
「まあ、そう言わずに叩きを作ってよ」
そんなわけで、企画書を上げてくださいということになるわけです。そもそのiOS対応のアプリにするのかAndroid対応にするのか、両方かをヒアリングしたら、汎用性を考えてhtmlベースが良いと言われる。
なんじゃそれと。コンサルもなにもあったものではありません。予算があって、それを使わないと来期の予算も減らされるかもだし、その予算で最大の効果を出さないといけないが、担当者はテンションが上がって「タブロイド型端末でスゲー感じ出したい」オーラが出ているだけだったり。
要は制作の依頼が私に来ていて、コンサルを受けようという意志はないわけです。制作する必要性があまりないものを最初から作ろうと決めていて、なぜかやる気満々。でも予算は全然ない。
声を大にして「止めた方がいいですよ!」と言いたい(笑)。

まあその限定的な要件をベースに企画するわけですが、そもそもタブレット型端末の特性を活かせない要件のなかで企画しても、無理矢理な感じが否めないですね。
それで巻末資料という形にして、私としては不毛な仕事は嫌だから何とか抵抗して本来的な開発の要件や運用スキームや予算を組み込んだものも用意して、2案出すと。で当然かなりザルな企画、つまり形骸化した企画が結局選ばれる。
それは本来必要な予算を取りに行く気概はない、担当者としては新しい取組みを他部署なり上席なりにアピールしたいだけだったり、部署間でのせめぎ合いがあったりして、でも旗振ったもんだから降ろすわけにもいかなくて、軟着地すると。
実際に進行すると、担当者も他部署も作ったことのないものだから「誰かがこれで行こう!」という承認をしたくない、責任は取りたくないという心情が働いてAの方向で進めていたら、やっぱりBにとなって、Bに修正して制作していたら、やっぱりAの感じに戻すとかコンセンサスが取りきれない中でふらふらして、何か「どうなの?」という物が生まれる。
すべての大企業が同じ感じだとは言いませんが、少なくとも私が感じるのは、「大企業病はマジ深刻」ということです。動きが遅い、決定力がない、社内事情に振り回される、責任逃れ等々。いま求められているビジネスの感覚にくらべると、とても鈍重。
先行投資として、タブレット型端末を活用した営業支援ツール開発は本来有効な施策だと思います。しかし、パンフレット等の紙媒体に変わる新しいツールとして、どこまで効果を発揮できるかは、プロセスを明確にする長期的なPDCAサイクルを廻して開発ブラッシュアップが必要なわけです。
例えばまず「実験的に低予算で主要商品のパンフレットのデジタル化など」⇒「営業現場からの声やお客様の反応をサンプリング」⇒「必要な機能やビジュアル構成、効果検証を数値化するスキームの洗い出し」⇒「本格開発」などですね。
正しくコンサルティングを受けて、要件を定義しての開発ではなく、タブレット型端末を使ったツールって、なんか未来的だし最先端っぽい感じだし、なんか良くね?というふわふわしたザックリ妄想は避けた方が無難というお話でした。




