ノマド社長の横断日誌

ノマド社長の横断日誌

Webマーケティング、コンサルティング、デザインDTP、映像制作、編集、コピーライティングまで幅広く手掛け、そしてそれぞれの仕事に常にまめまめしく取り組むブレーンカンパニー。ノマドワークスタイルで横断的にビジネス中!

Amebaでブログを始めよう!
こんちは、gpmの佐々木です。

ども、ご無沙汰してます。今日はプランニングの話なんだけど、多分長期連載ものになる予感(笑)。

さて、僕は普段プランナーとして飯を食っています。皆さんプランナーって聞くとどんな仕事してんだろって思いません?

プランニング=企画立案といっても、もうほんと様々で一概にこれだとは言えない。今日はプランニング力というものについて書こうかと思いますが、広告代理店に勤めてるわけでもないとそうそう関係なくね?と思うかも。

普段生活してて「企画」って聞くと、合コン企画とかテレビ番組の企画とか、広告やセールスプロモーションの企画というのがイメージされるかも。でもそんなことないんですね。企業に勤務している人間だったら実はプランニング力って非常に重要。

例えば、営業の人でも身につけていて損はないし、個人事業主やベンチャー起業家だってそう。プランニングは単に「考え方」を出しゃいいってもんじゃない。僕がずっと何年もやってきて実感として思ってるのは、プランニングは3つの基礎的な動力を含んでいる。

ノマド社長の横断日誌

プランニングの3つの動力

プランニングにおける3つの動力ってのは、「情報把握(マーケ)」「洞察と発想」「論理思考と交渉」だと考えてる。

なんで洞察と発想とかをグルーピングしてるかっていうのはまた後ほど解説しますが、それらは絶対連動させないと力を発揮しないからです。

すばらしいプランニングは人・モノ・金を動かす。それがゴールなわけだから、単に「考え方を提案すればよい」ってのでは間違ってるわけ。

上記の3つの動力ってビジネスにおいて、まったくもって基礎的なものだと思いません?

だからプランニング力をつけるということは仕事力を上げることになるわけ。この順番も大切。人・モノ・金を動かすに資するプランニングってのは、要はそれ自体がとんでもないコニュニケーション力を持っていないといけないってこと。その上で、すばらしいプレゼンでそのプランを発露できればさらによいわけです。でもここではプレゼンについては触れません。それって最後の効果=エフェクトの部分だから。

んじゃ、1つずつ見てきましょうか。

1.情報把握(マーケ)

まずこれです。最初に発想ありきだと思うかも。でも違う。発想=ジャストアイデアであることがほとんど。それは「匂い」であって、揖保乃糸ばりの細い手綱なんです。こんなんおもしろくない?こうした方がよくない?っていう発想は重要だけど、本当にプランニングとして起動させていったら、素材として弱かったってことは多々あるわけ。

人は、自分が発想したというか着想したことにバイアスがかかって、それ自体に酔う。自分が産み落とした着想だから、固執する。そうするとプランニングの大前提がすべて「仮定命題の肥大化」を元に構成されていく。自分は天才じゃねー。その冷静な自覚を持つことからプランニングを始めてみよう。

考えてみて。そのプランを提案する相手も、天才なんかじゃない。仮にあなたが天才的な発想力の持ち主でも、相手に伝わらなかったら人・モノ・金は一切動かないんだから。

さて、情報把握(マーケ)についてだけど、難しく考える必要は一切ない工程です。提案する対象、会社とか人とか商品とかに関連する情報をひたすら集めるところからはじめる。

いまはネットの時代だから、これは楽勝に集まる。特に対会社とか商品だとかの情報はいくらでも落ちてるわけだから。それをどんどんブックマークしたりエバーノートでクリッピングしたりして集めていく。必要ならば国会図書館とかのでかい図書館に行って業界誌をサンプリングしたりもする。

そうして集めてきた情報をどうするかって言うと、ただ眺めていてもしょうがないので、大きい情報から積み下ろしていくわけです。

例えば、そうだな、大手企業に自社のサービスやソリューションを売り込みたいってことにしよう。だからうちのサービスがいかに御社にとってメリットがあることなのかをプランニングすることにしましょうか。

であれば、まずその対象企業をネットで片っ端から調べる。HPは当然で、ニュースリリース情報や企業理念、資本金、役員構成、中期計画、組織図、HPのデザイン、発行物etc..を見ていく。そうするとその会社の「色や風土や雰囲気」がだんだん見えてきます。

情報の積み下ろしのコツ

積み下ろしってのは、まず企業理念からはじめる。それが会社におけるもっとも大きな情報だから。

次に実際使えるのは中期計画やIR情報。上場企業なら間違いなく中期計画をPDFかなにかでHPにおいてる。中期計画ってのは3年単位の企業戦略が書かれているので、これも大きなソース。IR情報も、金持ってるか?業績良いか?とかがわかる。

次にHPに書かれているお客様向けのテキストの内容。これは顧客への企業姿勢がもろに見えていて、かつ顧客向けの文章だから社内審査を何度も経て掲載されているので、役に立つ。

そんな感じで、大きい情報から把握していってディティールへ下ろしていくと、大体その会社の「色や風土や雰囲気」というかアティチュードというかが理解できてくる。

その中で、その企業の問題点や課題点が見えてきたり、こっちのサービスを提案するときにどういうテイストが好ましいのかがわかるわけ。

他社動向や統計データも合わせて調査

対象企業のみの情報収集では、主観が立ちすぎるんで、当然同じ業種の他社の情報も仕入れておく。これは中期計画やIR情報を見れば社格がすぐわかるんで、売り込みたい対象企業のランクやライバルとの関係性が見えてくるわけ。

それがわかるとうちのサービスを導入して、ライバルに差をつけましょう的なロジックが入り込める余地があるかわかってくる。

また総務省の統計データなんかも非常に使える。これは強力な客観データになるので、これこれこういう市場になっている統計からもうちのサービスを、というロジックの隙間が香ってくる。

情報把握(マーケ)ってのは、こんな感じで情報を集めて整理していく工程ですね。

これだけやっただけでも、「売りポイント」「押しポイント」が見えてきます。営業マンなんかかなりの営業情報を握れることになって、ちょっとした得意先との話を横で聞いても、「ああ、あのことね」となるし、飲みにいっても「わかってる奴」となるね。

プランニングの味噌は、提案を通して「こりゃ導入するきゃない!」といかに思わせるかだから、「だから」の積み重ねが重要なの。でもそれが主観的な仮定に基づいてると引いちゃう、つまり「でもさ~」と言われる隙間を作っちゃうことになるわけ。客観的な情報に基づいてると、人は「なるほどね」ぐらいでかわすのが精一杯になるから。

かといって、よく陥りがちなのが、客観情報に基づけばそれでよいっていうマーケター的な発想でプランニングしちゃうこと。これは絶対いけない。

かっこつけて客観データ集めて、「だから」なんて言ったら、「わかってるよ!」と怒られちゃう可能性がありすぎる。重要なのはその対象企業に「どこまで寄り添ってるか」なんです。客観データはあくまで副次的なものであって、主軸は「御社のお役に立ちたい」という姿勢なんであって、役に立つに決まってるというテイストが入ったらダメなわけね。


今日はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回~。

こんちは、gpmの佐々木です。

今日は前回の日本で起業するにはスモールにね【その1】に続いて第2弾です。

その1では、起業するのは最高おもろいしいいんだけど、日本の「商習慣」や「お金の流れ」に足をすくわれないように注意ね、ってな話でした。

今回は日本市場でいかにリスクはあるにせよ、大ごけしないようなスモールテイクオフについて書いてみますね。

まず客観の視座を持つのが大切

マーケターの性というか戦略野郎の性というか、会社を起こしてビジネスするっていうのをなるべく客観視するために、基本的にゲーム理論系の用語で表現することが多いんですが、1企業体のことを「プレーヤー」って呼ぶんですね。まあ大体経済学や経営学の論文なんかでは必ずプレーヤーって表現されるわけ。

簡単な4つの定義はこう。

●ゲームを支配するルール
●ゲームにおける目的達成に向けた行動(戦略)の意思決定を行う主体(プレイヤー)
●プレイヤーの選択可能な行動(戦略)
●プレイヤーの意思決定を左右する情報


経済学上のゲーム理論っていうとまあ数理的で色々ややこしいんだけど、要はマーケットのルール(法律やら慣習やら)があって、その盤上で各プレーヤーがしのぎを削る戦いをやってると。一見すると市場でいう顧客のパイは人口変動があるとしても基本変わらない。でも戦略や潜在ニーズを掘り起こすと新しい市場(盤上)が出てきて、またそこでプレーヤーが乱立していく。

そのような観点でビジネスを捉える方法だと超ざっくり言っておきます。当然各プレーヤーに理念や信念(この商品やサービスこそ世界のみんなの役に立つ等)、社会的責任など倫理的側面もあります。しかし想いや感情論になると客観的に数値を分析したり、戦略を立案する妨げになる場合もある。だから、理念などが重要なのは百も承知で、いったんそれらをカッコにいれて、ロジカルな動きだけを抽出して素描してみる必要があるわけ。

でも心理学的な側面やらもでてきて、結局客観的に見ようとしてもカオスの世界に入り込んでいくこともあるんだけど、基本的に他にも活用できるロジックを抽出して素描することで、戦略のベースにしていく。

ノマド社長の横断日誌

例えば、ハーレーダビットソンは、ご存知ヤンキーなバイクだけど、ここのブランディングはすごいと言われる。彼らは徹底的にコアな自社ファンを作っていって、ユーザーコミュニティーと自社プロダクトへの偏愛がすべてのエンジンになっているほど強固なブランドエクティがある。

このような事例を単に「へ~、まあハーレーだからね」と独自性にフォーカスして終わらせるんじゃなくて、彼らをプレーヤーとして見て、ユーザーとのつながりやブランド価値の醸成、社員の意識などに着目してそのマーケット上での戦略性を分析する。なぜ彼らは強力プレーヤーがひしめき合うバイク業界(広範囲だと自家乗り物業界)で、何十年も生き残って活躍しているのか。ユーザーとの紐帯をブランディングに昇華することでしか生き残りようがなかったと言えばそれまでだけど、そのブランディングモデルは他業界で実践することで新しいコアコンピタンス(競合他社に真似できない核となる能力)を創造できるかも知れないんだから。

プレーヤーという認識がないとダメ

起業したら自分も個人じゃなしにプレーヤー。自分が船長をしている船が難破しようがあくまで船が潰れるんであって自分が死ぬわけじゃない。逆に自分が死んでしまうまで追い込まれるマネージメントはするべきじゃない。でも船には荷物も積んでるし、乗組員もいてるわけで、それぞれに人生があるわけだからその重責は半端ない。だからこそ目的地を明確にして当然海図や航海プラン=戦略が必要。海図や航海プランなしに海を渡ろうって「海なめてんのか」的なもん。

プレーヤーとして考えたときに他のプレーヤーはどういう動きや戦略で戦っているのか、これからプレーヤーとして参入するわけなので他社分析や業界分析、マーケット動向、マネタイズ、収益性なんかを考えていく。同時に自分のサービスや商品を他のプレーヤーと差別化してコアコンピタンスを確立していく。ベンチャーの場合、コアコンピタンスを1つ持つことができればアーリーまでは行けるだろう。逆にコアコンピタンスを確立できないようでは、まだ起業しない方がいいと思う。

でもコアコンピタンスをあんまり精緻な理論で考えない方がいいと思う。ジャパネットなんか持っている数あるコアコンピタンスの最も重要なのが、「高田社長のキャラクターと変な声」だから。そういう個性を全面にテレビで晒すことも「他社には真似できない」能力。

階層が関係付けられたマーケットはベンチャーで挑む場所じゃない

階層が関係付けられたマーケットとは、例えば製造や制作の下請け産業などで「クオリティ」「技術力」が決め手になるけど、差別化する戦略フラグが極めて少ないうえ、参入するのに特に製造業なんかは設備投資など資本がかかりすぎる。つまり下請けなどの受注産業では業界依存が強くなり、かつ上部構造のプレーヤーがいるので、開かれたプレーヤーとしての独立性が担保できない。まだ製造業より参入しやすい制作関連のクリエイト産業(HP、デザイン、映像制作)にせよ、業界の景気にもろに左右され「高いクオリティ=儲かる」にならないのでおすすめできない。

ただクライアントとの直接取引メインの戦略ならあり得るし、前にも触れた電子書籍市場みたいなこれからデカくなるマーケットなら下請けでもいけるだろうね。

スモールってどの位のスタンスか

ノマド社長の横断日誌

現実問題、公的な金融公庫からは起業支援投資は大体準備した資金の2倍ぐらいまで。銀行や信金からのスタートUP融資は事業計画書の精度や魅力もあるけど、いまはまず降りない。家族間融資は一般性低いし階級に依存するから除外。ベンチャーキャピタル融資は可能性ないことないけど統計的には融資確立2%くらい。個人投資家からの融資は人脈に依存するものの積極的アプローチはあり。

そんな資金調達の現状があって、「基本合計1億円の融資を取り付けないとテイクオフできない規模のビジネス」が有効だと思うかしら?いや、ほんとリアルな話。

そもそも起業前に経験(人生経験も含む)、人脈、スキル、人材、戦略がしっかりと準備できていて、超がんばって現実1000万円ぐらいじゃないかな。しかも1000万クラスになると、一人の場合無担保ってわけにはいかないから、個人つまり社長個人に保証人に立ってもらう必要がでてくるだろうね。失敗した場合に抱える負債額的にも10年は砂を噛むだろうレベル。さらにコア人材の助成金160万ぐらい起業後ゲットしても、業種によっては3か月ぐらいで消える資金。そこにがんばって貯めた300万円ぐらいの資本金を加えても赤字連続1年で沈没するぐらいしか「スタート時のお金はない」ってことを認識しないといけない。

持ち株比率を分け合って、起業時のメンバーで割り振って負担しあったとしても限度がある。VCが起業後1年以内に乗ってくれればいいけど、そんな簡単な話じゃない。運良くVCからやっほーな額の融資を受けても、持ち株割合2割3割もっていかれて社外取締役送り込まれるから、いちいち経営判断の承認を取る必要もあるし。

そんなわけで、日本の環境や資金と人材の問題から言っても、僕の言うスモールっていうのは、「無担保で1年は赤字でやりきれる範囲の金額」というイメージ。

具体的に試算してみる

例えばだけど、ITのサービスの会社をやるとしますね。んで、エンジニア含めて3人で起業するとしよう。持ち株比率CEO50%、残り25%ずつで持ち寄る資本金比率も一緒で、CEO300万、他150+150で資本金600万。金融公庫から400万集めて、1000万円。メンター的な人2人ぐらいに持ち株何%か売って100万。

合計資金調達1100万円。

最初の1年は3人とも役員報酬30万円に設定したとして、月役員報酬で90万円がなくなる。スタート時の法人登記に50万円。事務所(レンタルオフィスでもいい)や機材、事務用品で100万。記帳を気合いで自分たちでやって記帳会社分浮かしても、税理士安くても月1.5万。

初月で250万ぐらいなくなる。ワーオ。以降毎月家賃例えば10万、必要諸経費15万、役員報酬90万、税理士費1.5万で、117万ずつなくなる。すると8か月ですっからかんになる。1年生き残ることを考えると、最低月額利益ボーダー120万ぐらいなので、最初の8か月の営業利益で最低残り4か月は生き残れる計算にすると120×4=480万/8か月だから、最低毎月60万円ずつ赤字計上できると。全然広告費とか入れてないよ。

これが限界ですね。1年耐えて、1年後に月営業利益120万円つまり黒字確保できると2期目突入できるわけ。2期目で黒字が出て、ユーザー認知もされてきて将来性の高いサービスを提供できてる状態になると、途端に話が変わってくる。要はアーリーのタイミングになって、VCなり銀行なりが「投資対象」として見始めるから。2期目も売上ベースを上げて耐えて、3期目ぐらいでがっつり資金調達できれば、人材雇用して機材追加してサービス拡充に走れる。

このようなスタンスと戦略は例に挙げたIT業界だけでなく、小売り(例えばZOZOTOWN、ケンコーコム)や飲食、B2Bでのブランディング企業、マーケ・コンサル企業、ソリューションビジネス、リクルート企業など多様な業種でのチャンスがあると思う。

もっとスモールバージョンの難しさ

まず個人で動いてサービスなり営業なりを行う⇒SOHOになる⇒法人成りするという定石パターンもありますが、大抵個人事業的な感じで終わることが多い。理由はそれなりにフリー的に食えちゃうと、それ以上リスクとってチャレンジするイメージが失せる。またデザイナーとかプログラマーとかクリエーター系のフリーランスの場合はエンジニア気質なので、経営?ベンチャー?となる。

士業系やコンサルなんかはまた話が違って、法人格はステータスと信用の証として利用できたりするので、スモールだけど効く戦略だったりする。

それを除くと、Webサービスやアプリをリリースするようなエンジニアが個人で既にサービス提供を行ったりして、あれ、行けんじゃね?ってなって起業とか、B2Bの場合で今の仕事の人脈を活かして個人的に営業活動しながら感触を確かめて、ほとんど会社というより自分マターの受注になってるんじゃね?となって起業とか。

もっとスモールバージョン型のメリットは、手慣れている現在職業から派生的に発展させるイメージで、利益構造も理解しているし、売上見込や見込顧客を想定しやすいし、かつ既に少額商いになっているケースもあるのでリスクが低い。

逆にデメリットは、業界に長くいるため自由な発想をクリエイトしにくかったり、リスクをヘッジするスタートをそもそも狙っている心理があるので事業として拡大していこうとする意識が去勢され、自分の手の中で小さくまとまって心地いいという事業形態に陥りやすい。

こういう起業の場合こそ、しっかりとした戦略を立案しておかないとヤバいことになる可能性が高い。理由は慣性が働くから、「自分はわかってる」「こんな感じだろう」というひたすら主観に基づいた経営判断をしがちで、ピンチになったときに行き当たりばったりな経営になりやすい。また自らの培ったスキルと事業が分ちがたく結びつき過ぎて、「自分流」でやらないと気が済まない、隅から隅まで自分の目を通したい、という欲望に陥りやすく、客観性も何も無いボスシップに行き着くケースもあるだろうね。株式も100%保有のケースがほとんどだろうし。

この方法だと一般的な意味での「企業=カンパニー」という集合体を作り上げていく組織になりずらい。でも、そんなマイナス要素を全部理解して、そうならないように大局的に戦略的に経営して営業努力すれば、すごく個性的なよいカンパニーになるし、利益が出た時の起業家個人的な報酬益がハンパない感じになることも多いね。要はオーナー企業ってやつ。

その1の記事で書いたように日本の商習慣から言って、このタイプの起業家が「起業家」という呼称を得ることが多いね。オーナーが目立つから。

まとめ

長々なったけど、日本固有の環境を考慮しつつ、新技術や高度な知識を軸に、大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する中小企業を指す「ベンチャー企業」を興すのであれば、まずは自らを市場の中のプレーヤーとして客観する視線と意識を持ち、アメリカ式に一挙に拡大を狙う戦略でもなく、また自己の慣性や経験に基づくあまりにこじんまりした企業を狙うのでもなく、「最低1年生きられる資金調達」をしてステップ・バイ・ステップで拡大していく「スモールテイクオフ」がベターだと、僕は思う。

だいぶ乱暴な話だけど、参考になったら幸い。


最後までお読みいただきありがとうございました。See you!
どもー、戦略野郎の佐々木です。

今日は起業にまつわるお話で。今回は日本で起業するやっかいさという側面の記事にします。次回は、じゃあどういうスタンスがよいのかみたいな記事にする予定。

どうなんでしょ?ネット回遊してると「ベンチャー起業」「目指せ起業家」なんていうのがよく目に入ってくるし、大手本屋にいっても起業ノウハウ本とか結構平積みされてたりする。

僕は個人的な意見から言えば、みんなガンガン起業しちゃえばよくね?っていうのがあって、当然優秀なスタッフも重要な役割なんだけど、サラリーマンじゃなくてビジネスマンとして日々活動してるかが大切だと思ってる。あ、一応ホワイトカラー系のビジネスパーソン向けの話でね。

ぼーっとしてるサラリーマンは超リスク高い

一丁前にスーツ着込んでるのに成長志向のないサラリーマンなんて、めっちゃリスキーじゃんと。ぼーっとしてたらスパッと切られるし、年齢行ってると転職難しいし、人脈職場がらみしか醸成しにくいしね。唯一うれしい特典である福利厚生もカットされつつある状況だし。自分の労働価値を安値で会社に売ってやってる感覚を常にもって、いつでもやめてキャリアアップするなり起業するなりできるスキルを持ってないサラリーマンは、僕から見たらドMなんじゃないかと言えるぐらいリスキー。

職人さんとか、料理人とか、アーティストとか、製造系技術系エンジニアとか、農家や漁師さんの方のほうが全然尊敬できるし、社会的に必要だし。

でもUSから輸入されたベンチャー思想は日本ではなじみにくい

先日亡くなったApple社のスティーブ・ジョブスは、なんか素晴らしいイノベーターとして神状態になってますけど、当然超ソリッドで現代資本主義の権化であり、鬼の経営者であることを忘れてはならんね。

「絵に描いたような明るく楽しい青春? 間抜けのカラ騒ぎだ。 大企業での安定と充実? ロボットになりたいのか。 働くみんなで幸せになろう? 無能なヤツは無用だよ。」by スティーブ・ジョブス

有名な話で、「スティーブと一緒のエレベーターに乗るな」という格言がApple社にはあったそうな。ジョブスと間違えて一緒にエレベーターに2人きりで乗り合わせた社員が、目的の階に到着するまでに消えた。彼はどうしたの?途中の階で降ろされた。クビになってね。

まあウソだと思うけど、それぐらい能力がひたすら問われる。そんなソリッドな考えが協調と平和を愛する日本に合うわけない。ホリエモンまさに奇跡。さすが素晴らしいタレント(才能)ですね。

環境的に日本で起業することのやっかいさ

要はここは日本なんですね。

慶應ビジネススクールのOno Masato氏のスライドによると、日本はいま問題のギリシャより起業率が低い(笑)。

ノマド社長の横断日誌
【参考】http://www.slideshare.net/masaono777/vc-history-and-structure-keio201009

それが保守的だと一蹴するのは簡単だけれども、それでは「戦略的」だとは言えない。単にポリティカルチョイスになっちゃうだけ。

またアントレプレナー(=起業家)市場を形成したいのか、やたら煽るメディアや本やらネット。当然啓蒙も必要だけど、世界を照準にしながらもやはり日本の市場でどうやっていくべきなのかを戦略的に考えてるのって、やはりの大前研一ぐらいの気がする。

要は、「商習慣」というのがあるんです。例えばインドに進出する大企業も現地の商習慣に合わせて露天商と販売契約したりする。インドではスーパーとかより露天商の方が小売力持ってるから。だから、日本で起業する場合も、外国人の目線でもって日本の商習慣をしっかり考えて戦略を立てないといけない。

起業率が超低いんだから、当然その中からうまくいってるベンチャー企業は日本では知れてる。だからビジネス戦略の参考事例としてUSの企業の話を持っくることが多い。サウスウエスト航空がどうだとか、スタバがどうだとかね。

ああ、なんかカッコいいな、そんな会社作りたいな、と思う。で、ここ日本。できるわけない。法律が違うだけでなく、資本は「お金」と「人」で成立する。その2つの状況がまるで違うから。

「お金」で言えば銀行は金貸さない、助成金は少額であてにならない、VS(=ベンチャーキャピタル)は醸成してないかつフットワークがめちゃ重いなどなど、資金調達のスキームと環境が全然違う。エンジェル系ファンドとかもほとんどないし。※エンジェル投資家=個人資産家などの個人投資家

「人」で言えば、日本は優秀な人材はすべからく大企業に回収されちゃってて、USみたいに人種も能力も多様性があって、そもそも働き方的に会社を替えたキャリアアップが普通の流動的な労働力市場じゃないし。日本で流動的な労働力っていったら、「派遣社員」のこと。大企業の都合がいいようにすぐにクビ切れる切捨て人材のことを指すわけ。

現実に動いている商いのお金の流れと商習慣を見るべし

要は、バンバン起業していけばいい。でもここが日本であることは忘れちゃいけないってこと。

「現実」とは何か。

自分が起業したいと思う業態の、ある商品やサービスが、どういうマーケットで、どの層に、どういう単価でBuyされてて、収益性はどうか、マネタイズはどうしてるのか、B2Bだったら下請けには手形が多い、なぜか振込は五飛びや翌月末、入金待ち見込資金はキャッシュフローの何割がベストか、といったような「お金の流れ」のこと。

また取引先との上下関係性、どんな協会に所属しているのか、接待におけるキャバクラ率(いやいや、マジ重要)とか、広告における世界標準とは絶対違うシンプルじゃないデザインやキャラクターやマンガ手法がやたら多いとか、世界的にみたら超一流の顧客対応をしないとすぐクレームになるとかの「商習慣」のこと。

ノマド社長の横断日誌

上の世代が戦後強固に作り上げて来た「お金の流れ」と「商習慣」を完全に無視して、ベンチャー起業が成り立つことは難易度高いね。

さっきのキャバクラ接待率が高い取引先は、男根的な会社風土である可能性が高い証左になったりする。それがダメというのじゃなくて、そういう会社と取引することも想定できるということ。

失敗したベンチャー起業がうまくいかなかった理由には、当然見込み違いや戦略性の弱さ、資金調達の失敗、マネージメントの失敗、金儲け目的で企業理念がなく精神的苦痛や空虚に追い込まれる、などなどあると思う。

その中でも、机上の美しい数値と戦略や「スーツ着ないぞ魂」的なベンチャー精神が、この日本における「お金の流れ」と「商習慣」を余りにも想定していなくて、そのズレが失敗の原因であることが高い。

それが嫌なら、新しい価値観で勝負するなら、それらの「慣性」を充分に理解・分析して、相手にしなくて済むぐらい強力な戦略と意志で、継続的に事業運営できる計画が必要だと思うわ。

それでも起業した方がいい

さんざん日本で鼻息荒くベンチャー起業って言っても案外やっかいだぜ、って書いてきたけど、むしろだからした方がいい。失敗を怖がるのじゃなくて、小さな失敗してもいい感じでスモールに始めたらいいんですよね。

いきなり大きく成功するのは秀でた才能と運が必要。現実には、小さな致命傷にならない失敗をどんだけ重ねられるかが、まずアーリーの段階に会社を持っていけるかのミソ。


最後までお読みいただきありがとうございました。
次回はスモールにテイクオフする話にします。