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ノマド社長の横断日誌

Webマーケティング、コンサルティング、デザインDTP、映像制作、編集、コピーライティングまで幅広く手掛け、そしてそれぞれの仕事に常にまめまめしく取り組むブレーンカンパニー。ノマドワークスタイルで横断的にビジネス中!

こんにちは、gpmの佐々木です。

タイトルにもある所有と共有の間というものを、その1の記事では人間の感性的な側面で書きました。このその2では、販売・開発におけるテクニカルな側面から書いてみたいと思います。

野村総合研究所の『2015年の電子書籍~現状と未来を読む~』という本があり、これは電子書籍の現状と未来について専門チームが執筆したもので、業界の大きなマーケティングデータがわんさか載っていて勉強になる本です。

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本全体または消費者向けの電子書籍ビジネスの動向の箇所なんかを読んでいて思ったのは、「電子書籍ビジネスは、まだ全然過渡期に過ぎない」ということです。業界自体がパニック中なわけですね。統一規格があるわけでなし、デバイスは多岐に渡るし、配信方法もいろいろあるしと。

『2015年の電子書籍』によれば、音楽配信、動画配信よりコンテンツとして容量が軽くて一番最初にデジタル化しそうな書籍が、一番動きが遅いとあります。

私が考えるに、それは「複雑な著作権利関係」「流通/販売における固定化したドグマティックな構造」「出版社、取次会社、書店の株式持ち合いからもわかる利権の癒着構造」「データの拡張子レベルの変換ではなくデバイスに合わせた複合コンテンツ制作という開発コスト」「広告出稿との兼ね合い」etc...が招いている事態でしょう。

ただ言えることは、混乱している=胎動期であることは間違いなく、これから市場規模としてはすごいことになるでしょうね。だからこそ、参入障壁が低いわけです。

といっても、中堅/中小の書店、配信事業者、出版社、印刷会社、デザイン会社で参入していこうとするとき、「どっちを向いたらいいの?」という状況なので、参入コストをかけることを考えれば二の足を踏むでしょう。

そして電子書籍配信においても、<所有>と<共有>の間のビジネスとしてのジレンマが生じている状況です。

ここで言うのは、
所有・・・ダウンロード、独自アプリ
共有・・・ストリーミング、ブラウザベース
という感じです。

そんなわけで、新規参入を考えるときの指標として、簡単な業界状況を整理してみたいと思います。まず通常の書籍の出版~販売の流れは、以下のような感じです。

<紙の書籍における出版~販売の流れ>
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これでまあ100年はやってますから、そりゃ固定化して業界全体が共倒れ的に不況のあおりを食ってるのは自明。でも、コンテンツ開発という観点で見ると、シンプルに最終形態は「紙の本」なわけだから、開発要件はめちゃめちゃ単純に印刷を前提にした版下データ(DTP)を作成すればOKだった。

じゃあ、電子書籍だったらどうなるのかと言うと、実は現在は「流れ」は単純になって印刷コストや流通/配送/保管コストはなくなったけれど、制作(開発)の戦略的判断や販売マーケットがやたら複雑だったりする。

<電子書籍におけるコンテンツ開発~配信の流れ>
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要は、いままでは本および雑誌の中身(コンテンツ)を作って、刷り上がり紙面サイズを考慮してデザインしてレイアウトして版下作成して印刷すればよかった。これからは電子書籍とはいっても、動画が見れたり音声が流れたりもできるわけだし、見せ方やレイアウトの考え方もまったく変わってくることになります。それによって、中身ができたとしても「いかに最終配信形態やデバイスを考慮して戦略的に開発していくか」ということが非常に重要になってきます。

・どのデバイスに最適化するの?(iPhone、iPad、Android系タブレットetc...)
・開発定義は?(iOS、AndroidOS、HTML5 etc..)
・小売力のある書店型アプリ? or タイトル型独自アプリ?
・デバイス単位のリレイアウトを含むアプリ開発? or デバイスに最適化したブラウザベース?


開発戦略のポイントは、大きくわけると「独自にやるか or 小売に依存するか」で分かれます。

例えば小売/書店型ということで言えば、Appleはさんざん叩かれていますが、課金が30%です。取次10%くらいなので1000円の本でも600円しか利益が出ない。といっても印刷していたときの諸々のコストや世界中が顧客可能性ということを考えれば<あり>な下代だと判断するか。ローリスクローリターン。

独自にやる場合は、雑誌や著作者に知名度がないと運用配信コストがかなりかかるので、売れないとヤバい。ハイリスクハイリターン。

電子書籍が本格化してくる中で、いま出版社と著作者の間ですごい戦いになっていて、大手出版社は連合団体を作って配分と権利関連を自分たちに有利なような構造にしていこうとしていてもめてますけど、以下は価格配分の「紙」と「電子書籍」の比較です。

紙の書籍の販売価格配分(返品リスク40%は考慮しない)
流通:30%(書店20%・取次10%)
出版社:20~30%
印刷費・紙代・製本代:15~20%
デザインなどの経費:10%
印税:10%(刷り部数分)

電子書籍の販売価格配分(返品自体が起こりえない)
流通:30%~40%(電子書籍店20%(Appleは30%)・電子書籍取次10%)
出版社:30%
作成コスト:10%
印税:15%~30%(実売分)

出版社の取り分はあんまり変わらないように見えますが、返品リスクがゼロ、在庫管理コストゼロ、ほぼ確実に実売の3割程度は確保できるというのは、なかなかよいです。

しかしそれでも中堅出版社でコンテンツ制作のノウハウと権利関係の構築ができている会社ならともかく、門外漢で中小だったらどうすればいいのか。まず電子書籍に特化したライトコンテンツが勝負できるラインだとその1の記事で書きました。では配信はどうするのか。

①デバイスごとの開発は金がかかるから絶対Webベースが吉
②Webベースだとダウンロードさせないから権利法務関係がまだまし
③電子取次の機能もあるサービスが吉
④配信/運用費用がかからないサービスが吉
⑤自社商品の売上だけでなく他社の商品の販売手数料も売上として考え書店機能ももたせられればなおよし


ということで、これから参入の場合一番良い選択は、上記のすべてに対応できる
Google eBook Storeがマジでおすすめするも、残念なことに日本サービスリリースはまだです。よって、機が熟すのには時間がかかります。

Google eBook Storeについては『2015年の電子書籍』にもコラムとして軽く載っていましたが、読んだ瞬間これじゃね?と思いましたね。

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Google eBook Storeはデバイス依存じゃないので、当然ここで買った電子書籍はAndroid, iPhone, iPad and iPod touch,Webブラウザ,Barnes & NobleのNook™ やSonの Reader™ で閲覧できるようになる。だからデバイスごとの特殊な開発はあまりいらない。

Googleのサービスですから、全文検索、共有、レビュー、以前読んだページからデバイス変えても読めるなどがあります。

さらにいいのがGoogle eBook Storeのデータを使って自分で電子書籍販売サイトを構築できるという⑤に関わるところです。これはデカイ。いわば自社商品を大きくフューチャーしながらも他社商品をドロップシッピング的に販売手数料をかすめ取れるので、親和性の高い他社商品も一緒に売れば書店的な儲けも期待できる。

そしてWebマーケティングの手法をふんだんに活用できるため、マーケティングデータが取得しやすい。

今回のシリーズは<所有>と<共有>という抽象的な尺度を論の真ん中に据えて書いて来ました。電子書籍が抱える様々な問題をそのようなところから考えながら、「電子書籍らしいコンテンツと配信」を見極めていくと、まだ時期ではないのかなと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

<参考/参照文献>
『2015年の電子書籍~現状と未来を読む~』野村総合研究所
http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/1006/04/news052.html
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/08/news060.html
http://www.bitway.co.jp/business/casestudy/index.html
http://money.smart-ness.net/61.html
こんにちは、gpmの佐々木です。

今日は電子書籍の今後がどうなっていくのか考えてみたいと思います。

これから電子書籍市場はもっと本格化して、今とは比べ物にならない市場になっていくことは間違いないでしょう。現にアメリカでは大手本屋が倒産し、日本でも出版、書籍流通、印刷業界ともに斜陽である事実がそれを物語っています。

今日は「でもマジで爆発的なマーケットになるの?」という素朴な疑問に照射してみたいと思いますが、私は電子書籍懐疑派というわけではありませんし、その技術的恩恵を享受もしています。

でも電子書籍マーケット動向を見通す上で、「大きな問題というか勘違いが横たわっている」んじゃないかと。

さて、まずWIRED VISIONの6月6日付けのメディアニュースで興味深い記事が出ていましたのでご紹介。

電子書籍が紙に負ける5つのポイント
By John C Abell
[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/合原弘子]

しかしそれでも、電子書籍には根本的な欠陥がいくつかある。電子書籍には、紙の本にはかなわない(少なくとも、簡単にはかなわない)側面が、まだいくつかあるのだ。逆にいえば、以下の5つの問題が解決されさえすれば、電子書籍は制限なく成長していくことだろう。

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そして、記事は以下の5つの問題を提示しています。記事の焼き移しになるのでアレですが、簡単に要約しますとこんな感じです。

1)読了へのプレッシャーがない
読み始めても、電子書籍だと「続きを読む」ことを忘れてしまう。読み通すには、常に新しい気合いがいる。電子書籍は、視界のどこかに存在するということがない。読み始めたものは最後まで読め、と訴えてくる力に欠けるのだ。1,000冊を超える電子書籍を持っていたとしても、視界に入ってこなければ忘れられてしまう。

2)購入した本を1カ所にまとめられない。
物理的な本では、いろいろな出版社の本、サイズの違う本などを、本棚に自分で整理し、その中から本を選ぶというプロセスがある。しかし、タブレットやスマートフォンの場合は、各アプリごとに配布企業の利権が当然あるから、アプリごとの「本棚」ができてしまい、いろいろな所から購入した電子書籍を、まとめて1カ所で見ることができない。

3)思考を助ける「余白への書き込み」ができない。
文章をハイライトする機能だけでは十分ではない。注意深い読み手は、著者と議論したり、論点を展開したり、読んですぐに思いついたことを書き留めたりしたいものだ。そして、そのようなメモは別のノートにというのでは話にならない。発明されそうでまだ発明されていない、気の利いたインデックス化システムがあろうと、それは変わらない。

4)位置づけとしては使い捨てなのに、価格がそうなっていない。
レンタルに等しいものにそれなりの金を出すのは納得がいかないところがある。電子書籍は発行にほとんど費用がかからないのに、出版社が設定している基本となるカバープライスは、紙で出された新作の割引価格よりわずかに安いだけ。
電子書籍は、貸すことも、地元の図書館に寄付することも、転売することもできない。物理的な空間を占めておらず、そのため、データを削除する際にも複雑な感情が生じにくい。

5)インテリア・デザインにならない。
物理的な本棚というものは、自分の人となりをほかの人々に無言で紹介するものではないか。公共スペースに置く本、置かない本、そしてその並べ方は、世間に自分をどう思ってほしいかを雄弁に語るもの。電子書籍リーダーの奥深くに隠されてしまえば、本棚の語る言葉は誰にも聞こえなくなってしまう。

※下線は佐々木

いずれの問題提起も的確で、利便性とテクニカルな問題を中心としながらも、<絶対に解決できないこと>を問題に含ませたダブルバインドな提案として、非常に良記事ですね。んで、今回注目いただきたいのは、下線を引かせていただいたセンテンスです。

それは人間の、「個」に属する心理的または偏向的要素に関連するものです。近代以降われわれが獲得してきた個人主義的な側面、それは「所有」や「アイデンティティ」または「自由」の概念として醸成してきた現代人の「必要な杖」であり「欲望」でもある。

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かさばんないし、安く買えるし、処分に手間かかんないし、共有できるし、という電子書籍が現れて私たちが気づいたこと。

それは、「自由な市民に開かれた娯楽でもあり知の体系でもある<書籍>というものに対する、ぬぐい去れない愛着と偏向がなぜかある」ということではないでしょうか。モノに対するぬぐい去れないフェティシズム。

「辞書や新聞なんかは電子書籍でいいけど、自分の人生を左右するような本はデジタルではなく、手あかにまみれさせて、死ぬまで<所有>したい欲求」を、なんか放棄できない。

本はインフォメーションじゃないんだと。服や車や家と同じようなマテリアルだという実感。

いまは、Facebookなりのソーシャルメディアの出現もあって、<共有=シェア>という概念がビジネスを作り出しています。(拙者記事「売るためのマーケ戦略から、ソーシャルマーケそのものが売れる時代【その1】【その2】」も併せてお読みくださいませニコニコ

ネットワークにあるような、集合知として利用価値の高いインフォメーションであれば、<共有>で全然OK。

この間ですね。<所有>と<共有>の間の揺らぎがキーだと思います。<所有>的なフェティシズムと、<共有>的な発信欲求の、間つまりニッチを狙えと。

①所有欲に強烈に反応するようなコンテンツではなく、すげーみんなに教えたくなっちゃくようなライトコンテンツ。
②普通の本屋の流通に並ばない、高価で専門性の高いコアコンテンツ。
③単一デバイスにその書籍を電子的に所有している満足感にヒットするコンテンツ
④気合いで読了しなくてもいい手軽なコンテンツ
  などなど

出版されている書籍すべてを電子書籍に移行させるような妄想はあり得ない。WIRED VISIONの記事にある問題点の解決を待つ必要はない。だって解決できないから。この記事の問題点の立て方そのものが電子書籍を<所有>に近づけて書かれているだけで、問題になりえない地点で攻めればよい。

紙の書籍派、電子書籍派というセグメントの立て方がそもそもおかしいのです。WIRED VISIONの記事は、「電子書籍と物理的な本の両方を使い続ける方法が、両方の世界のいちばんよいところを取り入れる方法なのかもしれない」と結んでいますが、ユーザーに使い分けさせるような生産を行っていては儲けられません。大手出版社もまずは漫画やライトノベルから電子書籍化しているのはそれが理由。

「使い分けることを先に見越して、それぞれのマーケットゾーンに、こちらから棲み分けて計画的に仕掛ける」

超大手出版社はともかく、中堅・中小の出版社がやるべきなのは、電子書籍にビンゴ!なコンテンツだけを企画・制作して、WebマーケとWeb広告に金をかけて、紙の書籍は生産しないという方向にシフトすべき。ヒットしたら、プレミアム感なイベントとして紙の書籍出版に踏み切る。

電子書籍のダウンロード数競争なら、まだ競合できる可能性がある。かつWebを通すからマーケティングデータが取り放題なんで、いち早く電子書籍マーケノウハウをゲットできる。流通コスト、生産コストを大幅にカットでき、大手に比べて人件費もそもそもかかっていないから、利益取っても大手がそうヤスヤスとまねできない電子書籍適正価格の相場を構築できる。

電子書籍専門のヒットを飛ばしまくるスタイリッシュに儲ける出版社が出てこないかな~と思っています。

次回は、野村総合研究所発行の「2015年の電子書籍~現状と未来を読む~」をキーに引き続き電子書籍について考えたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんにちは、gpmの佐々木です。

今日ははじめにこのニュースから書き始めたいと思います。

折込チラシを電子化、Androidタブレットにプッシュ配信――DNPらが実証実験
from IT media プロモバ

電子チラシや広告をAndroid端末にプッシュ配信するサービス「チラシ直送便PLUS」を開発。(中略)チラシ直送便PLUSは、新聞の折り込みチラシを電子化し、毎朝、専用の情報端末に配信するサービス。新聞の購読部数が減少する中、折り込みチラシに変わる情報配信の手法が求められていることから開発に着手。実証実験は、6月末からケイ・オプティコムが試験サービスを行っている生活情報配信サービス「eoスマートリンク」上で実施する。

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要は、折込広告メディアでの新しい手法ということですね。テレビ(1 兆7139 億円)、インターネット(7069 億円)、新聞(6739 億円)に次ぐ規模があり、依然として「第4 の広告メディア」の位置づけにある折込広告で従来のユーザーが自ら閲覧しにいくプル型ではなく、新聞の折込と同様、「勝手に届けられる=プッシュ型」の配信手法で勝負ってろこなんでしょう。

ちなみに実験は、「eoスマートリンク」という宅内端末、家のなかにモニターがめり込んでる感じの情報端末に実験的に配信してみるということですね。朝起きて、朝刊に折込チラシが入っているのと同じようにその宅内端末に電子チラシが届いているという感じ。

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eoスマートリンクの画面です。

なんで「プッシュ型折込電子チラシ」は実験しないといけないのか。

いままで、この電子チラシではいろんなところが媒体を作ってきました。有名なのは、まず凸版印刷がやってる「Shufoo!(しゅふー)」。まあ名前がパクってるし、主婦なめてますけど(笑)。

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あと今回のプッシュ型をやっていこうとしている大日本印刷は、上の凸版印刷とめっちゃライバル関係ですが、その大日本印刷がやってるのが、「チラシ活用サイト オリコミーオ」。

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ほかにも、有名なところではサンケイリビングとニフティがやってる会員制の主婦向けケータイ電子チラシサイト「シュフモ」。会員は110万人に及ぶ。

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上記の3つはいずれも「プル型のチラシ取得メディア」です。チラシが見たいと思うユーザーが、自分からアクセスしにいかなければならない。このプル型というのは従来のポータルサイトと同様なので、Webマーケティング手法により、PVやUUや会員数という集積データをもとに電子チラシ広告を出稿させることができるし、エリアごとのDBを活用して効果検証を行いやすい。

しかし、ユーザーにメディアを認知させて集客しなければならないので「媒体力」を必要とします。媒体力をつけるためには、その媒体自体の広告も行わなくてはいけませんし、「いちいちアクセスしないといけない」というユーザー負荷がどうしても伴います。

そこで、プッシュ型ならどうなのかと。

要はメルマガと仕組みは一緒ですね。ユーザーはいったん欲しい情報のジャンルなり、郵便番号情報を登録すれば、そのエリアとカスタムされた希望ジャンルの電子チラシが「自動的に配信されてくる」わけです。情報をゲットするまでのユーザー負荷がほとんどない。特にeoスマートリンクみたいな宅内端末ならデバイスの起動も不要だし、アカウントでログインとかも不要だしというわけでしょう。

ネットヘビーユーザー以外の顧客層をターゲットにできる可能性が高い。

媒体力という観点で言えば、「こんな感じで盛り上がってますよ!」と媒体自体を広告してユーザーを集めるプル型のようなものではなくて、「電子チラシアプリ」みたいな感じで配信を受け取れるデバイスごとのアプリを無料で配布して、どうぞご利用ください的なものなので新聞やテレビやHPみたいな媒体力は必要としないでしょう。

問題はプル型よりも効果が高いということを広告出稿主に、どのような見える化された数値をぶつけて金を取れるか。ユーザーがネット内部で「初動」(例えば検索など)するところから現在のWebマーケティングは構築されてきているため、初期設定以外でユーザーの動きはサーチできないプッシュ型広告でどのように数値化を図るか。

単なるユーザ登録数とターゲットエリアデータだけで、どこまで広告効果を出稿主にアピールできるか。だったらプル型の方がなんぼか良い。

プッシュ型やるんなら、私ならこうしないとダメだと考えています。

例えば様々な端末ごとに配信アプリを作って、無料配布、そのダウンロード数がまずユーザの総体。ユーザーは初期設定において、年齢/性別/職業/郵便番号/収入/家族構成などの情報を設定し、配信時間も設定しておけるようにする。名前や住所はいらない。要はマーケティング変数だけ設定させておくわけです。

そうすることでFacebook同様「ユーザーの輪郭」が非常にはっきりする。

これだけでも新聞折込よりマーケティングデータは集積できる。またそのチラシをクリックした瞬間にチラシにIDを埋め込んでおいてそのクリックデータをサーバーに返してやれば「どのユーザーが閲覧したか」を集積することができます。問い合わせがあった場合は、簡単で何を見て問い合わせたかを集積すればよい。またユーザーに初期設定時にモバイル端末の場合は位置情報取得に同意させておけば、来店時に広告をクリックするでしょうから、「実際に来店したかどうか」もログ化できると。

こんだけデータ集積できればプル型よりリアルビジネス的には効果がかなり期待できると思います。しかもネットヘビーユーザーでない層をターゲットにできるので、現在のWebマーケティングとは違ったビジネスにつなげることができる。

ただ、ぶっちゃけこんだけデータ取るのはリーガル的にもいろいろクリアしないといけないことがあるでしょうが(笑)、このくらいまでいかないと「プッシュ型」のサービスでビジネス的に広告効果を謳うのは非常に難しいと思いますね。

どこかの誰かが、こんなプッシュ型の広告ビジネスのヤバい「アプリ」を開発する根性の持ち主が現れないでしょうかね。

そんな感じの記事でした。ではまた。