このblogは中学受験を応援する団員が勝手気ままに綴っているものです。夏期講習を前に四谷の合不合、SAPIX組分けや復習テスト、日能研公開模試等、大きな模試が目白押しでした。このところ、その中からいくつか拾いながらまとめています。最近、国語に触れていいないので、まずは次の問いを見てください。
【A】
大問3 問一 次の1~5の□にあたはまる言葉をA群から、その慣用句の意味をB群からそれぞれ選び、記号で答えなさい。
1 □を明かす
2 □が出る
3 □をぬぐう
4 □に衣着せぬ
5 □をそろえる
(A群)
ア 肩 イ 足 ウ 口 エ 歯 オ 耳 カ 鼻
(B群)
ア 遠慮せずに思ったままを率直に言う。
イ 必要な全額をまとめ、用意する。
ウ 悪いことをしても素知らぬ顔をする。
エ 予定以上の出費をして赤字になる。
オ まわりの人を出しぬいて、あっと言わせる。
カ よくない仕事をきっぱりやめる。
【B】
大問2 次の1〜5の空欄にあてはまる三字熟語をあとのア~オの中から一つずつ選び記号で答えなさい。
1 昔好きだったなつかしい映画を観て[ ]になる。
2 不自然な点があって[ ]に仕組まれた事件だと感じる。
3 スマホは従来の時代に区切りをつけた[ ]な発明だった。
4 [ ]な意見が多く出された会議は有意義なものだった。
5 今だけ良ければいいという[ ]な生き方はよくない。
ア 作為的 イ 建設的 ウ 刹那的 エ 画期的 オ 感傷的
見比べていただいていかがでしょうか? 圧倒的に【B】が難しく、【A】はいわゆる知識の確認だということは理解できると思います。実は、
・【A】は、四谷大塚 第2回 合不合判定テスト 7月10日実施で出題されたもの、
・【B】はSAPIXの7月度復習テストで出題されたものです。
”復習テスト”ですから、指定された教材の指定された部分に載っている三字熟語からの出題です。素材になっているのは市販されていない「言葉ナビ」です。これをもっていかにサピが難しいことをやっているか、などという話ではありません。SAPIXの7月の入室・組分けテストはことわざの穴埋めなので、
四谷の合不合と同レベルの問題
でした。ただ、同じ知識を問う問題でも、Aのようにある意味覚えるだけ、
死んだ知識でいいレベル
と、Bのように教材をみて覚えただけでは解答できない、
生きた知識が必要なレベル
の2種があることを理解してください。四谷なら「四科のまとめ」、日能研なら「ベストチェック」や「完成語句文法」(日能研ブックス)をひたすら覚えればAは対応できますが、Bには対応できません。ここに語彙力の決定的な差が生じます。それは読解にも記述にもつながっていきます。
この問だけを解けるようにするなら、暗記でいいわけですが、こういった多様な問題が出題されても対応できる本当の力(語彙力・国語力)をつけるのは6年ではもう間に合いません。
やることが多すぎて、
そこに時間をかけられません…
結局、捨て問にするしかなくなります。5年生までに、
・いかに保護者が読み聞かせをしたか、
・いかに良質な本を与えたか、
・小学生新聞を読んで会話したか、
・国語の教材を親子で読んでみたか、
・ことわざクイズをやったことがあるか、
etc…といった、
家庭の努力が問われる設問です。
社会の変化に伴い、共働き家庭が多くなり、どの家庭も忙しい…。とにかく忙しい…。でも塾任せでは限界があります。特に、小3~小5の夏ぐらいまで、多少、塾の勉強に余裕があるときに、そして本格的な反抗期が来る前に、
いかに家庭が学習に関わるか?
これは受験の結果に大きな影響を与えます。先ほど、いくつかの例を出しましたが、
たとえば、
・いかに保護者が読み聞かせをしたか、
決して、勉強を教え込む必要はありません。そこは塾に任せていいはず。ただ、生徒にとっては一生に一度の中学受験ですから、それぞれの家庭でどうかかわるか、これはとても大切なことだと思います。東京女子御三家に合格した生徒の5年春の保護者面談で、
まだ読み聞かせはした方がいいですか?
と聞かれたことがあります。こういう子って受かりますよね。手間暇かけて学力を育ててきたわけですから。応援団の基本的なスタンスは、中学受験を家庭全体で楽しんでください、結果的にそれは家庭の絆も深めます…。仮に第一志望に受からなかったとしても次につながります、といったものです。
そのためには、買物も、お手伝いも、旅行も、テレビのニュースも、天気予報も…すべて学習に関わるツールとして利用できます。そういう流れでblogを書き連ねています。
息苦しくなっちゃうから全部は無理…
でも、小5の夏ぐらいまでは、保護者がいくつか意識的に利用することはとても重要だと思います。「勉強しなさい!」というより、天気予報で「線状降水帯」ということばが出たら、それを調べたり、今災害が起きそうなところを地図で調べたり、新聞の天気図を見てみたり、
学習の機会は日常生活にあふれています。
小5の夏ぐらいからは、反抗期も本格的、塾の学習に時間もとられ難しくなってしまいますから、それまでは「買物に一緒にいく時間がもったいない」などと思わず、スーパーは生きた知識を身に着ける宝庫。楽しく買い物をしながら、産地や値段等を見ることも貴重な時間。6年生になって「作為的」や「刹那的」の使い方を教えても、あまりに量が多すぎてもう間に合いません。6年生になって「もう間に合わあい」とならないように、
日々の生活を楽しみながら学ぶ習慣
を大切にこの夏、どう乗り越えるか考えてみてはいかがでしょうか? 勉強を教え込むことが大切なのではありません。
前回は四谷生向けに週テストを使った「弱点補強」について触れました。大切な夏、無駄に終わらせないよう、各ご家庭でしっかりフォローしてあげてください。
今日も最後までありがとうございました。