司法書士試験対策の春生が開講する時期ですね。
今年も、令和元年度の行政書士試験に合格された方が、何名も司法書士試験の学習へと歩を進められているようです。
ぜひ、山村先生の下で学習をして、合格を目指して欲しいと思います。
入門講座の受講に辺り、いくつかご相談を受けたことがありますのでピックアップして説明してみようと思います。
Q1 入門講座を受講するにあたり、用意しておくべきものはありますか。
これは、以前にも書いたことがあるのですが、以下の2種類の書籍を用意しておきましょう。
司法書士試験の範囲は膨大なので、講義を受講しながら核となる部分をしっかりと押さえていく必要があります。(細かいところに手を出すとキリがないともいう。)
したがって、講義を受講したら、ざっとテキストを読み返して内容を把握する。
その上で、該当範囲の3300選を潰していきます。3300選には、講義で学んだ重要事項が要領よくまとめられているため、丁寧に理解をしながら覚えられるものから覚えていくとよいでしょう。
テキストをざっと読んだ上で3300選を潰しておけば、伊藤塾セレクションの問題は比較的解きやすいはずです。5肢択一の中で問題を読んでいくことで、「あぁ、基本的な知識を組み合わせれば答えが出るな。細かいことは分からなくても大丈夫だな。」といったような感覚を養っていきます。
以上、これを淡々と繰り返します。
各科目の講義終了時には、3300選の内容がほぼ頭に入っているという状態になっていると…理想的です。
(丸暗記ではなく、理解を伴っているという意味で。)
Q2 行政書士試験における民法と司法書士試験における民法の差はどこにありますか。
これは動画等でも説明していますが、試験範囲の広さにつきます。
問題の難易度自体は、そこまで大きく変わりません。(というか、誤解を恐れずいうのであれば、行政書士試験の民法の方が難しいこともあります。司法書士試験において出題される民法の問題は、20問中10~12問はとても易しい問題です。残りの8~10問を取りにいくのが難しい試験なんですね。)
したがって、行政書士試験ではほとんど学習してこなかった領域を中心に、しっかりと学習していくと良いでしょう。
・ 失踪宣告
・ 条件・期限
・ 物権的請求権(登記請求権含む)
・ 先取特権
・ 質権
・ 根抵当権
・ 非典型担保(特に、譲渡担保)
・ 売買、賃貸借、請負、委任以外の契約類型
・ 事務管理、不当利得
・ 家族法全般(特に、相続法)
上記のテーマが、学習の薄い分野です。
講義を受講する際は、上記のテーマの学習をかなり丁寧に行うようにしてください。
Q3 民法の学習はある程度進んでいるため、他の勉強も並行したいのですが。
これは重要です。まがりなりにも民法は相当程度学習していたのですから(特に上級インプット等を受講の場合、知識レベルはかなり高いところにあるという自信をもっていいです)、余裕のあるうちに、簡単に他の科目の勉強をしておくとよいでしょう。
お勧めは、不動産登記法もしくは商法・会社法です。もっとも、商法・会社法は、大きな改正が控えているため、とりあえず置いておいても良いかと思います。
特に、オートマシステム不動産登記法Ⅰの基本部分は、入門書としてかなり役に立ちます。
(以降ずっと使えるかというと…厳しいとは思います。全体的に、オートマシステムは、主要科目の完成度が低めです。)
民法と並行して、基本部分だけでも読んでおき、7月から始まる不動産登記法の講義の準備をしておくと良いかもしれません。