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ひたすら過去問を解くという勉強法が流行した時代があります。
おそらく、以下の書籍が一つのきっかけだと思います。
司法書士7カ月合格法
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上記の書籍では、およそ25年分ほどの過去問集をひたすら繰り返し解いて知識を定着させていく手法が取られています。とにかく過去問。どんどん過去問。という方針ですね。
(読み物として、また基本的な学習スタンスとしては非常に参考になるので、ぜひ一読してみてください。図書館リクエストとか…良いかもしれません。)
行政書士試験においても、一時(というか現在も?)ひたすら問題を解きまくるという学習法が流行していました。
合格革命 行政書士 肢別過去問集 2020年度 (合格革命 行政書士シリーズ)
4,180円
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上記の書籍を20回転くらい頑張ること。とにかくやりまくれば合格する。
というような勉強法です。
結論から言えば、この勉強法は「とても有効」です。
極論、試験というのは問題が解ければ良いわけです。
問題が解けるようになるには、何をすればいいか。
答えは簡単。問題を解けばいいのです。
特に、学習の初期段階では、この「問題を解きまくる」という勉強法がとても有効です。
どんな問題が出るのか。
どういうひっかけがあるのか。
どの程度詳細に問われるのか。
どの程度まで学習しておくべきか。
これらを知るためには、問題を何回も読んで体得していくしかないからです。
実は、自分も問題を解きまくる勉強法というのはやっていました。
例えば、民法であれば、500問くらい掲載されている問題集をひたすら読んでいました。
それこそ、正答率も90%程度までに上がるくらいです。
しかし、これだけやったのに、答練・模試、本試験では全然問題が解けなかったのです。
民法をあれだけやったのに、いつも正答率が40%前後だったんですね。
この時は、「何であんなに問題を解きまくっているのに、点数が上がらないんだろう…」とかなり悩みが深かったです。
そこで、もう一度勉強法を見直してみると、当たり前のことに気づいたんです。
「自分は、問題を解くときに、解いたことのある問題を思い出して解いているよな。」
「でも、問題が聞いているのは、解いてきた問題ではなくて、条文・判例の方だよな。」
「ということは…そうか。問題を解きまくって出てきた条文・判例をしっかり読み込んで覚え込む。」
「そして、問題を解くときは、『解いてきた問題』ではなく、『条文・判例』の方をしっかりと思い出して解けばいいんだ。」
と。今から思えば、そりゃそうだろという話です。
でも、当時の自分にはこの視点がなかったわけです。
ここから一気に点数が伸びていくことになるのですが、まぁこの辺りは話は追々していきます。
実は、問題を解きまくる勉強を推奨されている方は、本当に問題を解きまくる勉強「だけ」を繰り返していたわけではないのです。
例えば、上記の「司法書士7か月合格法」においても、最終的にはテキストの読み込みをしっかりと行っています。
また、行政書士試験においても、肢別過去問集を推奨される方は、最終的に図表系統の知識総整理本を併用しています。(このことをあまり紹介せず、問題をとにかく繰り返し解けばいいんだというアドバイスだけをするのは、悪意すら感じます。)
知識を整理・記憶しながら、問題を解いていく。
聞こえはとても良いですが、こういった連動学習は、通常無理です。
したがって、まずは問題を解きまくるというシンプルな学習を先行させること。
すると、段々と問われるポイントや覚えなければならないこと。また、どうしても分からないところ。
こういったことが明確になってきます。
その上で、テキストを読みこんで条文・判例を覚え込んでいく。
こういう工程を経ることが一番良いと思います。
(ちなみに、自分は現在問題を解きまくる工程がそろそろ終わるところです。ここから、覚えておかなければならない知識を固めていく作業に移行し、問題との往復が出来れば終了です。先は長いなと。)
司法書士試験においては、4月くらいから知識固めに入るかなと思います。
行政書士試験の場合には、まだ時間があります。問題を解きまくる学習を、とりあえず6月末くらいまではやりましょう。
そこから一気に条文・判例の覚え込みに入るようにしてみてください。